2013年6月号

トップページ > 2013年6月号 >東海総合通信局の規正用無線局とJARLガイダンス局の連携運用

ニュース

東海総合通信局の規正用無線局とJARLガイダンス局の連携運用

5月15日、静岡市日本平にて、東海総合通信局とJARL静岡県監査指導委員会が協力して、アマチュアバンド内における違法運用の是正を目的とした連携運用が行われた。

東海総合通信局とJARLとの連携運用は、今回で11回目で、静岡県内での実施は3回目となる。当日は、朝10時から運用を開始し、15時までの5時間、144MHzと430MHzバンド内で行われていた違法運用の是正を行った。


挨拶を行う栗田JARL静岡県支部長

具体的には、たとえば周波数の使用区別に違反した運用を確認した場合、まずはJARLガイダンス局(呼出符号: あまちゅあがいだんす2)が、使用区別を守るようにアナウンスする。ほとんどの違法運用者はこの時点でQSYしたり停波したりしてアナウンスに従うが、数回のアナウンスに従わない一部の違法運用者に対しては、JARLから東海総合通信局に規正の依頼を行なう。


運用中の様子

JARLからの依頼を受けた東海総合通信局の規正用無線局は、当該運用者に対して直ちに停波するように警告を行った。なお、ガイダンス局、規正用無線局のどちらも、マイクを使った肉声の送信ではなく、あらかじめ用意されたメッセージメモリーの送出による運用となった。この連携運用も今回で11回目となることからJARLと東海総合通信局の連携がしっかりとできており、その結果スムーズな連携運用が実施でき大きな成果が上がった。


JARLガイダンス局 (呼出符号: あまちゅあがいだんす2)

今回の連携運用でのJARLガイダンス局がアナウンスを行った件数は、98件(うち144Mが22件、430Mが76件)にもなり、平日日中のアマチュアバンド内には如何に違法運用者が多いかが分かる。98件のうち数回のアナウンスに従わなかったため、規正用無線局が対応した件数が14件(のべ送信回数は20回)となった。ちなみに違法内容でもっとも多かったのは、周波数の使用区別に逸脱、次に多かったのは、コールサインの不送出であった。


規正用無線局 (呼出符号: でんかんきせいなごや かはん80)

参考であるが、JARLガイダンス局はアマチュア局ではないため、アマチュア無線技士の資格では運用できず、第3級陸上特殊無線技士またはそれ以上の資格が必要で、さらにオペレーターは選任されている必要もあるため、アマチュア無線のように資格があればゲストオペで運用できるというものではない。

東海総合通信局の担当官に話を聞いたところ、違法・不法運用の申告は、混信・妨害の申告なども併せて、東海管内で年間400件ほどある。通報手段はほとんどが電話で、残りがEメールか文書とのこと。申告にあたっては80条報告という形式にはこだわらないので、特にアマチュア無線家の方は情報をお持ちの方が多く、ぜひ情報提供をお願いしたいとこと。なお、少人数で対応しているため、警察のように連絡があったらすぐに対応できるといった状況ではないが、電話で情報提供していただいた案件に関しては、必ず状況や結果を申告者に電話で報告しているとのことだった。

連絡の際には、正確な情報の提供をお願いしたいとのこと。
・混信・妨害の原因者(車両のナンバー、会社名等)
・申告者の住所、氏名、電話番号、コールサインなど
・混信・妨害の発生年月日、時間、場所等
・無線局の種別(アマチュア局など)
・電波の型式と周波数
・混信・妨害の具体的な状況
・その他参考となるもの


DEURUS M(不法無線探索車)


日本平にある日本平デジタル送信所の95m高の送信鉄塔。
NHK(TV&FM)、民放TV 4社、民放FM 1社、移動無線センターが共同で使用している。

  • 連載記事一覧
  • テクニカルコーナー一覧

お知らせ

発行元

発行元: 月刊FBニュース編集部
連絡先: info@fbnews.jp