2015年9月号

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第6話 あーちゃん meets 外国人ハム

2015年7月31日。あーちゃんがやって来たのは―――――

山口市阿知須きらら浜で開催された第23回世界スカウトジャンボリーの会場です。
このイベントをどうしても見学したかったあーちゃんは、現地をプレス取材する大学時代の先輩に毎日猛烈アタックをかけて、アシスタントとして入場させてもらえることになったのです。

会場内にはD-STARの臨時レピータや、特設局が開設されていると聞いています。
今回のあーちゃんの密かな目的は、その特設局を訪問し、できれば運用することです!

世界スカウトジャンボリーとは、4年に一度世界のどこかの都市で開催される、世界中のボーイスカウト・ガールスカウトが一堂に会する大会です。今年はここ、きらら浜に世界162の国と地域から3万人を超える青少年が集まりました。
※出展:公益財団法人 ボーイスカウト日本連盟(http://www.scout.or.jp/

辺りを見回すと、そのほとんどが外国からの参加者で、日本人の姿はほとんどありません。あーちゃんは苦手な英語で四苦八苦しながらも、あらかじめ申請しておいた入場証を受け取り中に入ることができました。会場内には一般来場者向けに開放されたエリアがあり、あーちゃんはまずはそこから見学することにしました。

「ワールドスカウトセンター」は、参加各国の連盟が、自国のスカウト活動について紹介するコーナーです。多種多様な国が出展しており、さながら万博のようです。


カナダの展示テント


カナダの展示テント内部


「Show us Where You are From」と書かれたボードには、参加者が刺したピンがいっぱい。

 「私が来た証拠を残さなきゃ!」
日本の関西の辺りにはすでにびっしりピンが刺さっていましたが、あーちゃんはその隙間にピンを1つ刺すことができました。


メキシコのテントで羽目を外すあーちゃん


日本でいう「はないちもんめ」のようなことをしている外国人のボランティアたち


突然現れた謎のゆるキャラ。中の人に話しかけると答えてくれました。

ひとしきり楽しんだあーちゃんは、アマチュア無線のコーナーを探し始めました。

世界各国からやってきたスカウトたちのテントには国旗が掲げられており、知っている国旗もいくつか見つけました。

広大な会場ですが、しばらく歩いていると、たくさんのテントや旗の向こうにひときわ背の高い鉄塔とアマチュア無線用のアンテナがそびえたっているのが見えました。それを目指してあーちゃんは汗をぬぐいながら、一生懸命歩き続けました。

そしてようやく、

「アマチュア無線のテントに着いたー!\(^○^)/」
あーちゃんは大喜びでテントの中に突入しました。


テント内にはさまざまな国のスカウトのワッペンが飾られていました。スカウトは名刺のようにワッペンの交換をするのです。

ワッペンには「JOTA-JOTI」と書かれています。この「JOTA-JOTI」とは、スカウト達がアマチュア無線の電波(Jamboree-On-The-Air)やインターネット(Jamboree-On-The-Internet)を使ってコミュニケーションを行うイベントのことを言います。そしてこのテントが「JOTA-JOTI Plaza」なのです。

そして、あーちゃんは世界スカウトジャンボリーの特設局のシャックを発見しました。
お目当てのものを前にして、大喜びのあーちゃんですが・・・。

「こんにちは!特設局は運用できますか?」
日本人スタッフ「キミ、見たところスカウトじゃないよね?」
「はい!会場に取材に来た人のアシスタントです。でもハムの免許とJARL会員証は持ってます!」
日本人スタッフ「この特設局はスカウトじゃないと運用できないんだよ」
「な、何ですと―――?!Σ(゚ロ゚;)」

あまりのショックであーちゃんは膝から崩れ落ちそうになりました。
どうやらこの特設局を運用できるのは、一般的なJARLの記念局と違い、アマチュア無線の免許を所持している世界のスカウトならびにその指導者と、この特設局の構成員のみ、と特設局の内規で決まっているそうなのです。

日本人スタッフ「まぁそんなに落ち込まないで。今日はスカウトたちのプログラムはお休みの日だし、ゆっくりしていきなよ」

特設局のコールサインは、第23回世界スカウトジャンボリー(World Scout Jamboree)にちなんで「8N23WSJ」でした。メインのトランシーバーは「IC-7851」という、HFの最高機種です!


特設局のQSLカード

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