Monthly FB NEWS 月刊FBニュース 月刊FBニュースはアマチュア無線の電子WEBマガジン。ベテランから入門まで、楽しく役立つ情報が満載です。

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第27回 アンリツ厚木アマチュア無線クラブの皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

「Masacoさん、それではちょっと実験してみましょう」と久保寺さん。

--はい、お願いします! 楽しそう~!!!


大きな板チョコが2枚! 見た目は同じですが、あれ、片方にはドクロのマークが…!?

「ここに2枚の大きなチョコレートがあります。中身に異常がないか、工場で包みを1つずつ開けていたら時間がかかりますよね?」

--はい! それに、開けてしまったら売り物にならないです!!

「そうなんです! そこでX線検査機を使えば、包みを開けなくても中身をディスプレイに映し出してくれます。最初に正常なものを登録しておけば、異物のあるものや壊れているものが映ったら、自動的にエラーが出るようにもできます」

久保寺さんがチョコレートを機械に通すと、1枚目は緑の「OK」の文字が出ましたが、2枚目を通すと赤い「NG」の文字が点灯! ディスプレイを見るとチョコレートの表面に何か文字が書いてあります!!


ドクロマークの板チョコをX線検査機を通したところ、「NG」という表示が! チョコレート表面の「異物」が検出され、ディスプレイに映し出されました

--あ!「FB NEWS JE1YEM」って書いてあります!!

「実は私が、板チョコの裏側に小さな金属粒を並べて文字を作りました(笑)。それをこの機械が検出してエラーが出たわけです」

--わー、ご準備ありがとうございます!! とっても安心できる機械ですね!

「次は、私たち無線家に馴染み深い電子部品で試してみましょう!」

久保寺さんが機械にかけたのは、私も見たことがある電子部品の電解コンデンサですが・・・またまた異物を示す「NG」という文字が点灯しました!


久保寺さんが用意した電解コンデンサを機械に掛けると、異物を示す「NG」の文字が! コンデンサの内部に何かおかしなものが映っています!


なんと、電解コンデンサの内部にチップコンデンサが組み込まれた“うそつき部品”も見破ることができました! 今回のために久保寺さんがお手製で作ったものだそうです♪

「実は、私が電解コンデンサの中にセラミックコンデンサを仕込んでみました。こんな“うそつき部品”も見透かせるんですね~! 実は私も初めて試しました!」

--ビックリです~! 私、この機械が欲しくなりました!!(笑)

ほかにも、金属検出器を使った実験も見せてくださいました。こうしたアンリツの検査機器が、世界中のさまざまな工場で利用されているそうです。


こちらは磁気を利用した金属検出器。無線機と構造が似ているところがあるそうです

メンバーの皆さんにインタビュー

夕方、お仕事を終えたメンバーの皆さん(金澤さんを含めて7名)が、会議室に集まってくださいました。そこで皆さんにアマチュア無線を始めたきっかけやアンリツに入社された動機、現在のお仕事と無線クラブでの活動について伺い、まとめましたよ。


お忙しい中、集まってくださったメンバーの皆さんにインタビュー♪

★JM1LKI 一杉(ひとすぎ)さん
アマチュア無線は小学生の頃からやっていらっしゃいます。近所の友人と機械をいじり回していて、電気の世界に興味を持ったそうです。

地元厚木市のご出身で、前に「むせんのせかい」でお邪魔した、厚木市の七沢希望の丘初等学校の無線クラブの活動もお手伝いしていらっしゃるとか! ジャンクが大好きで、地方のジャンク市では面白い物が手に入ることから、各地のジャンク市を訪ね歩き、また毎年春と秋の2回、神奈川県の松田町で開催されている「ジャンク会」には出展もしているそうですよ♪

★JI1MUG 久保寺さん
仕事では食品・医薬品用検査機器、特に金属検出器の開発をしていらっしゃいます。「金属検出器は無線機に近い原理なので、とても面白いです」と教えてくださいました。

小さい頃からラジオ好きで、家にあった真空管式ラジオをいじっているうちに電気の面白さにハマってしまったそうです。

アマチュア無線ではコンテストとCWと自作が大好き。自作では“いかにクリーンな電波を出すか”をテーマに軍用のロシア球を使った真空管式リニアアンプを製作中だそうで、「リタイヤ後はアンテナファームを作りたい」という夢を持っていらっしゃいます。

他のクラブメンバーからは「シャックのリニアアンプが壊れたときは、すぐ修理してくれるのでとても助かっています」「コンテストのCWオペレーターとしても素晴らしい腕前です」という賞賛のお言葉がありました。

★JJ1TOM 河内(かわうち)さん
小学校の頃にラジオ作りの楽しさと感動を覚え、中学校のときにアマチュア無線の免許を取りました。高校3年生になるときに100W局の変更検査を受けたのですが、自宅にやってきた電波監理局の検査官から、「キミ、大学受験があるだろう? この時期に無線やっていていいのか?」と、帰り際にお小言をいただいたとか!(それでもアクティビティは下がらなかったらしいです!!!)

大学生のとき、夏休みや冬休みにアンリツでアルバイトとして働いたことがあるそうです。就職の時期を迎え、アルバイトの先輩に「アンリツってどんな会社ですか?」と尋ねたら、いつの間にか人事面接を受けることになって、卒業後はそのままアンリツに勤めることになったとか!!

面接で「スペクトラムアナライザ(スペアナ)の開発をやりたい」と話したら、本当にスペアナの開発部門に配属され、長い間携わり、その後、地上デジタル放送の電波測定にも加わり「深夜、東京のお台場で“地デジテレビの試験電波”の第1発目を受信・解析したのがよい思い出です」と話してくださいました。

無線クラブでは、コンテストやラジオ教室を中心に参加し、CWでポイントを稼ぎ出すCW好き!!


左から一杉さん、久保寺さん、河内さん

★JR1KMO 山根さん
昔から電子工作好きで、中学2年生のときにIC-726Sで開局。高校入試の前日までハムをやっていたそうです! 大学時代には横浜の無線ショップでアルバイトをしていた経験も。アンリツには大学の担当教授からの推薦をもらって入社。現在は有線通信用の計測器のハードウェア開発をご担当。

自作が大好きで、クラブきっての自作派! ハムフェアのブースでは毎年面白い製作物(2400MHz帯のアマチュアテレビの信号を430MHz帯に変換するコンバータ、2400MHz帯のパケット通信システム、雷検知システム、無停電電源装置など)を作って展示していらっしゃいます。またラジオ教室やコンテストでも活躍しているそうです。


山根さんがお持ちになった自作品。毎年テーマを決めて製作し、ハムフェアのクラブブースで展示を行っているそうです

★JI1NSG 稲童丸(いなどうまる)さん
大学で電子工学を学び、アンリツに入社したリケジョ(理系女子)です。小さな頃から学研の科学雑誌を読み、中学校の技術の時間では、自分で組み立てたハンダゴテでミニ蛍光灯を作った経験もがあるそうです。

入社後はSG(信号発生器)やスペアナの設計を経験後、2年前からはマーケティングを担当しています。過去には各地の無線機メーカーを訪問し、「どんなものの測定に使用しているか」をリサーチしたことも!!

アマチュア無線は入社後の2014年に開局。そうしたら無線クラブの先輩が自宅にアンテナを取り付けてくれたそうです! クラブ活動ではラジオ教室や4アマ講習会、ハムフェアを中心に参加しています。

クラブのメンバーの皆さんは「クラブ局では、女性がオンエアするとたくさんの局が呼んできてくださるので、ぜひオペレートの戦力になってほしいです」とおっしゃっていましたよ(笑)。

★JH1XTE 塩沢さん
お父様も電気関係の技術者。おじいさまからは真空管の標本を見せてもらったり、電気の話を聞いて育ったという塩沢さん。大学では電子工学を学び、2005年に入社されました。現在はSGやスペアナの開発を担当しています。

無線クラブには同僚から勧められて入部しましたが「仕事が忙しくて、活動にあまり参加できないのが残念です…」ということでしたが、ラジオ教室や4アマ養成課程講習会には積極的に加わっているそうです。


左から山根さん、稲童丸さん、塩沢さん

★JP1TVC 金澤さん
小学6年生のときにIC-505で開局した金澤さん。フロントエンドを3SK114から3SK161に替えたりしながら「あぁっ、弱い信号が強くなった!」といった体験がもとで、無線の面白さにはまっていったそうです。

アンリツ入社後はSGを開発する部署に配属、現在は市場調査などを担当していらっしゃいます。

無線クラブでは2010年ごろから班長を務め、2011年の8J100TYK、2015年の8J1ATUGI(厚木市制60周年)の運用では実行委員長を務めたそうです。最近はお子さんが通う中学校のクラブで無線を指導したり、会社主催の理科体験授業で小学校にお邪魔するといった活動も行っています。

今日の訪問では、金澤さんが会社のさまざまな部署に連絡をして、“分単位”の取材スケジュールを作ってくださいました。頼もしい班長さんです! 本当にありがとうございます!!


班長の金澤さん。私の訪問のために、完璧なスケジュールを作ってくださいました。ありがとうございました!!

そしてこの日の最後として、別室で行われていた「CW練習会」の様子を見せていただきました! ドアを開けると、2人の新人メンバーの方が、講師役の方が説明する「モールスによる交信のしかた」の説明を聞いたり、パソコンから流れるランダムなモールス信号の文字列を懸命に聞き取っていらっしゃいました。


別室で開催されていたCW練習会。2人の新人メンバーがモールス交信を目指して勉強中です

毎回かなりの練習量のようで、参加している方のノートを見せていただいたら、モールスの書き取りがビッシリ!  「モールスは面白いです」「だんだん聞き取れるようになってきて、あと少しです」と! 講師役の7N1PVD吉武さんは「将来、コンテストなどで戦力になってもらうため、“トツー”と聞こえたら、無条件で“A”と思い出せるような練習を心掛けています」と教えてくださいました。CWでデビューに向けて頑張ってくださいね!


参加している方のノートにはモールスの書き取りがビッシリ!

勉強しているお二人は、口々に「モールスは面白いです」「だんだん聞き取れるようになってきました。あと少しです」とおっしゃるのが印象的でした。クラブシャックからCWでデビューする日も近いことでしょう。頑張ってくださいね!


メッチャ楽しい取材でした~!! 皆さんありがとうございました♪

アンリツ厚木アマチュア無線クラブの皆さん、今日は本当にありがとうございました!

アンリツの歩みがわかる貴重な製品を見させていただき、120年を越える歴史に触れることができ、とても勉強になりました! また、盛りだくさんな内容でとても丁寧にご案内してくださり、あたたかい社風を感じます。私の親戚も、素晴らしい環境と和気あいあいとした雰囲気の中で仕事をしているんだなあ~と、ちょっと羨ましいです。メンバーの皆さん、今度はハムフェアのブースにお邪魔させていただきますね♪

(JH1CBX Masaco)

★Masacoプロフィール

兵庫県生まれ。シンガーソングライター。
学生時代は陸上競技ランナー、全日本インカレ出場。公務員となったが「歌い手になりたい」を実現すべく退職し上京。

NHK朝の連続ドラマ小説出演などを経て、IBS茨城放送のレギュラーラジオ番組パーソナリティーを6年、ラジオNIKKEI第一でもパーソナリティーとして活躍。全国高校統一模擬試験「英語リスニングテスト」の 日本語出題ナレーターなども務める。

オリジナル「あなたとともに咲かせましょう/むせんのせかい」はバックに流れるモールス信号も話題となり無線愛好家からの支持も得る。ファン1人1人からのエールを受け出来上がった最新作「むこう岸」はMasacoの新たな世界が広がっている。

コールサインはJH1CBX(第3級アマチュア無線技士)

・公式サイト:http://www.19box.net/masaco/
・オフィシャルブログ(Masaco Diary):http://blog.goo.ne.jp/33masaco/
・Twitter:https://twitter.com/Masaco3
・Facebookページ:https://www.facebook.com/Masacosama

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~ バックナンバー

2018年5月号トップへ戻る

次号「月刊FBニュース2019年1月号」は 1月7日(月)と18日(金)に公開予定

サイトのご利用について

©2018 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved. 発行元: 月刊FBニュース編集部