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日本全国・移動運用記

第45回 北海道・函館方面移動 (+IC-9700で、V/UHF帯の遠距離通信にチャレンジ)

JO2ASQ 清水祐樹

IC-9700で、V/UHF帯の遠距離通信にチャレンジ

広い北海道では、V/UHFで相手局を探すのは難しいと思われるかもしれません。でも、大型連休では移動局が多くなることと、異常伝搬が発生する可能性があることから、思わぬ遠距離通信ができる可能性があります。IC-9700をフル活用して、遠距離通信にチャレンジしてみました。

V/UHF帯で津軽海峡越えの交信を狙う

今回の移動運用では、函館から津軽海峡越えで、144MHz帯と430MHz帯で本州の局と交信にチャレンジしました。見通し距離を稼ぐためには、海に近くて標高が高い場所で運用することが有効です。しかし、車での移動であり、時間も限られていることから、本格的な山登りはできません。海が見える場所で、ID-51PLUS2のGPS機能で高度を調べながら運用場所を探しました。

ちょうどその時、青森県を移動中の某局から、144MHz帯と430MHz帯で交信のリクエストがありました。そこで、函館市と亀田郡七飯町の、遠方に海が見える場所で運用しました(写真7)。
八木アンテナを信号が強くなる方向に合わせる場合、強めの信号では信号強度が変動しても受信音の大きさがあまり変わらず、最適な方向を決めにくいことがあります。そこで、IC-9700のスペクトラムスコープで信号強度を見ながらアンテナを回したところ、信号が強くなる方向を楽に見つけることができました(写真8)。このような運用スタイルで、青森県2局、秋田県1局の計3局と交信できました。


写真7 函館市(上)、亀田郡七飯町(下)の運用場所の様子。なお、写真の八木アンテナは、サテライト通信に使用しているもので、144MHz帯の地上波で使う場合は、144MHz帯のエレメントが垂直になるように角度を変更している。

また、V/UHF帯のCWやSSBで待ち受け送受信をする場合、相手局と周波数がずれていることがあります。スペクトラムスコープで横軸の周波数スパンを狭く設定すれば、その傾向がすぐに分かるので、これはRITを入れた方が良いといった、状況に応じた判断が瞬時にできます。


写真8 IC-9700でスペクトラムスコープを使用している様子。

V/UHF帯での運用局を探すため、および伝搬の状態を確認するため、IC-9700の電源を長時間入れっぱなしにしたり、長時間の送・受信をしたりしました。IC-9700の動作は非常に安定しており、とても快適に運用できました。例えば、V/UHF帯のハイパワー機は、長時間の運用で激しく発熱し、周波数が変動するような機種もあります。IC-9700は発熱が少なく、そのようなことは全くありませんでした。

V/UHF帯の異常伝搬を探すには

V/UHF帯では異常伝搬が稀に発生し、遠距離と交信できる場合があります。例えば、強力なEスポ(スポラディックE層)が発生した場合、144MHz帯で1000km以上の交信ができます。

また、ダクトと呼ばれる状態が発生した場合、特定の気象条件で、主に海上において大気中に電波を閉じ込めたり反射させたりする層が発生することで、430MHz帯や1200MHz帯で遠距離通信ができます。残念ながら今回の移動運用では、これらの異常伝搬に出会うことはできませんでした。

V/UHF帯の従来機で、これらの異常伝搬を発見するには、スキャンを設定して受信音を聞くことで運用局を探す必要がありました。しかし、IC-9700のスペクトラムスコープを使えば、受信音を聞かなくても運用局の有無を確認できて便利です。HF帯を運用しながらIC-9700を操作することで、430MHz帯のダクトを狙って運用している8エリアの局をすぐに見つけることができました。

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