2016年12月号

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南極・昭和基地から南極観測60周年の記念局「8J60JARE」がQRV

日本の南極観測が始まって2017年1月29日で60周年を迎える。これを記念し、11月27日に日本を出発した第58次日本南極地域観測隊(夏隊33名、越冬隊35名で構成)は、2017年1月から2018年2月までの約14か月間、南極昭和基地からアマチュア無線記念局「8J60JARE」の運用を行う。同隊のメンバーであるJG2MLI 吉川康文氏がブログ「こちらは8J1RL南極昭和基地です」で明らかにした。


吉川氏のブログ「こちらは8J1RL南極昭和基地です」より

吉川氏によると、8J60JAREの運用は南極観測60周年記念事業計画の一環として、南極地域観測隊のOBで構成される「南極OB会」が企画し、無線局免許を受けたもの。なおJAREは日本南極地域観測隊を意味する「Japanese Antarctic Research Expedition」の頭文字。運用の主な目的は「南極昭和基地との交信を通じて、無線通信の素晴らしさを体験してもらうと共に、日本の南極観測事業及び南極の自然科学に広く興味を持ってもらうこと」としている。

南極関連の記念局としては、2006年から2007年にかけて南極観測50周年を記念したJARL局「8J1ANT」が運用されたが、同局は日本国内からの運用のみで、昭和基地からのオンエアは行われなかった。そのため今回の8J60JAREが昭和基地から初の記念局運用となる。


第58次日本南極地域観測隊の越冬隊メンバーとして3度目の南極入りをするJG2MLI 吉川氏。
8J60JAREおよび8J1RLからの精力的な運用が期待される

現在公表されている8J60JAREの運用スケジュールは次のとおり。

・期間:2017年1月1日~2018年1月20日ごろ

・周波数とモード:7~28MHz帯、CW/SSB/FM/RTTY/PSK/JT9/JT65

・QSLインフォメーション: JARLビューロー、LoTW、e-QSL、SASE(JG2MLI 吉川氏宛て)

・備考:ログデータはCLUB LOGに対応

第58次日本南極地域観測隊は2016年11月27日に飛行機でオーストラリアのフリーマントルに出発。翌28日に先着していた観測船「しらせ」に乗船し、海路で昭和基地を目指しているところだ。天候などで変動するが到着は12月下旬頃になる見込み。

なお、第58次隊のうち夏隊は、到着から約2か月後の2017年2月に昭和基地から「しらせ」に乗船、3月頃にオーストラリアから空路で帰国する。一方、越冬隊は次に「しらせ」が出発する2018年2月まで、約1年2か月間にわたり昭和基地に留まり、研究や実験などの任務に従事する予定だ。アマチュア無線の運用は昼休みなどの余暇時間に行われる。

吉川氏によると、第58次日本南極地域観測隊の越冬隊33名には6名の女性隊員が含まれ、うち3人がアマチュア無線資格を持っているという(月刊FB NEWS 11月号記事参照)。2017年1月から約14か月間の活動中、「8J60JARE」および昭和基地常設のJARL局「8J1RL」の運用行う可能性もあり、実現すれば昭和基地からのYLオペレートは2005年以来12年ぶりとなる。


第58次日本南極地域観測隊の越冬隊メンバーで、アマチュア無線技士の資格を持つ3名の女性の皆さんと
歌手のMasacoさん(左から3番目)。詳しくは月刊FB NEWS 11月号の「Masacoのむせんのせかい~ア
イボールの旅~」記事を参照

8J60JAREの運用について、吉川氏は「一般のDXペディションとは運用の趣旨が異なることをどうかご理解いただき、できるだけ多くの方とのQSOを望んでいますので、同一バンドモードの重複呼出し、保険QSOは避けていただけると助かります。CLUB LOGに対応します」と呼びかけている。今後の運用情報はブログ「こちらは8J1RL南極昭和基地です」に随時掲載するという。

月刊FB NEWSでは、2016年11月号の「Masacoのむせんのせかい~アイボールの旅~」で国立極地研究所を訪問し、吉川氏や女性オペレーターを含む第58次日本南極地域観測隊の紹介とインタビューを行ったので参考にしてほしい(記事バックナンバー参照)。

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Masacoの「むせんのせかい」~アイボールの旅~

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