2013年7月号
ニュース
非常事態に備えた可搬型通信セット - クロアチア
クロアチア共和国にある救命関連の行政機関であるDUZSでは、有事の際に備えて、可搬型通信セットを用意している。これは、地震などの災害によって、電話やレピータを介した無線通信網等、既存の通信インフラがダウンした非常事態に、災害現場に持って行って、緊急通信手段として使用される。
機器の構成はHF/VHF/UHFトランシーバー・IC-7000を核に、小型パソコンとPACTOR3モデムから構成され、防水ケースに納められている。DC電源器も備えられているので、発電機等のACにも対応している。もちろん、車載バッテリーを電源にすることで、積載車両が走行中でも通信ができる。
主要構成品(右手前にセパレートされたIC-7000の操作部が見える)
この可搬型通信セットは、備えられたパソコンとPACTOR3モデムにより、通常の音声通信だけでなくデータ通信にも対応している。またWinlink RMS (Radio Mail Server)システムを利用することで、Emailの送受信も行えるようになっている。アンテナはHF、VHF、UHF用が用意され、HF帯ではアンテナチューナーも使用できる。
9A2KSのコールサインでテスト中の様子