2014年2月号

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滋賀県の学校初のARISSスクールコンタクト

年の瀬も押し迫った昨年12月29日、滋賀県守山市にある立命館守山中学校でARISSスクールコンタクトが実施された。このARISSスクールコンタクトはNASA(米国航空宇宙局)の教育プログラムとして、ISS(国際宇宙ステーション)に滞在中の宇宙飛行士が、地上の学校や、少年少女を中心とした組織と交信するものである。

立命館守山中学校のARISSスクールコンタクトは当初昨年8月に予定されていたが、NASA側の諸事情により12月に延期されていた。12月に入ってもなかなか肝心の実施日程が決まらないでいたが、12月も下旬になった20日に、12月29日に実施とようやく決まった経緯がある。また、この延期によって、11月からISSでの長期滞在の任務に就いた若田宇宙飛行士が、ISS側でマイクを握ってくれることになった。

実施日も決まり、裏方となった滋賀県を中心とした関西地区のアマチュア無線家の有志、ならびに立命館守山中学校の関係者らは、前日までに万全の準備を整えた。準備の過程では、予期せぬ様々なトラブルもあったようだが、全てを解決して29日の本番に臨むことができた。

この日は、18時30分頃からの約10分間のパスで、スクールコンタクトが行われることに決まり、地上側でのイベントは17時30分頃から始まった。まずは、関係者の挨拶から始まり、来場者に向けてのスクールコンタクトの説明などが行われた後、豪華景品の当たる抽選会が行われ、スクールコンタクトの本番実施前から会場は盛り上がっていった。

ISSが飛来する時間が迫ると、各自が所定のポジションに着き、AOS(衛星が見え始めること)時刻の約2分前から、コントロールオペレーターであるJO3DDD田中さんが、若田宇宙飛行士(クラブコールNA1SS)を呼び始めた。AOSまでの約3分間は空振りが続いたが、ISSがAOSした直後、若田さんからまずは英語で応答があった。

すぐに日本語に切り替え、田中さんからは、この日は都合で4名が不参加となり、19名の生徒で交信を行うことを若田宇宙飛行士に伝えた。その後すぐに一番手の生徒にマイクを渡し、スクールコンタクトが始まった。生徒からのさまざまな質問に対して若田宇宙飛行士は分かりやすく的確な回答を返信してくれた。途中、QSBで信号強度が落ち若田宇宙飛行士からの信号にノイズが絡む場面もあったが、19人全ての生徒の質問に回答をもらうことができた。

最後は田中さんがお礼を伝えたところ、若田宇宙飛行士からは「夢を大きく持って、はっきりと目標を持って、将来に向かって頑張ってください。今日はたくさん素晴らしい質問をありがとうございました」と生徒に向けたメッセージを返してくれた。このメッセージの後にISSはLOS(衛星が見えなくなること)となり、若田さんの声はノイズに消えていった。まさに時間を正確に計っていたかのような劇的なイベントとなり、スタッフ、生徒を合わせて140名の参加者は、感動に包まれた。

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