U.K.のシェフィールドアマチュア無線クラブは、RSGB(Radio Society of Great Britain)から提供されたトレーラーに、最新のデジタル機やHF機を積み込み、各種のイベントに出向いて、アマチュア無線のデモンストレーションを行っている。特に重要視しているのは、学校などでアマチュア無線という趣味を若い人に紹介することである。

シェフィールドアマチュア無線クラブは、1920年代から活動する歴史のあるクラブで、メンバーの年齢層は広く、現在70人いる。クラブでは、広く一般の人たちにアマチュア無線、エレクトロニクス、通信のことを教えるプログラムを持っており、各種イベントでアクティブに活動している。

これまでに、このGX3RCMアマチュア無線デモンストレーションカーを牽引して、国の科学週間に各地の学校を訪問したり、各地の夏祭りに参加したりしている。昨年は、地元のスカウトグループが、特別なイベントであるジャンボリー・オン・ジ・エアに参加するのに協力した。

イベント会場でのデモの様子

最近では、ニューアークのナショナルハムフェスト&ラムフェストに参加した。これらのイベントにおいて、世界中のアマチュア無線局とコンタクトするために、クラブではHFとVHFのトランシーバーを使用し、数百から数千のQSOを行っている。もちろん最新のD-STARデジタルアマチュア無線技術のデモンストレーションを通して、イベント参加者が、アマチュア無線を趣味にすることを可能にしている。

トレーラーの概要
GX3RCMアマチュア無線デモンストレーションカーに使っているトレーラーは全長7メートルあり、牽引車両を含むと全長13.71メートルになる。トレーラーの内部は4メートルの幅があり、AC 240Vで最大13Aとれる電源ソケットが備えられている。なお、アンテナ設置用の二基のマストはトレーラーの外部に固定され、アンテナとケーブルは参加者が接触しないよう、車両上方に備え付けられる。

トレーラーのリアビュー

またGX3RCMは、各種イベント会場から、ローパワーのハンディ機などでも各地と交信できるように、最新のD-STAR用UHFデジタルレピータシステムを備えている。また十分に広いトレーラー内部には、IC-9100 HF/VHF/UHFベースステーショントランシーバーと、IC-E2820デュアルバンドデジタルモービルトランシーバーがそれぞれ設置された2つのオペレーティングベンチがある。

トレーラー内部の様子

シェフィールドアマチュア無線クラブの副会長である、M1ERS　スティーブ・ウェブスター氏は、「我々は、トレーラー内部にD-STARシステムをセットアップしている。これはD-STARが新しい技術であり、人々は常に新しいものに興味を持っているからだ」、「新しい技術を受け入れることが、アマチュア無線が進むべき道だと思っている」と話す。