2016年7月号
連載記事
★アマチュア無線機の展示
第3展示室に行く廊下に、ズラリとガラスケースが並んでる!!! 有澤さんに伺うと、これらは、日本アマチュア無線連盟(JARL)から寄託を受けて展示をしているものだそうです。そういえば「昔、東京・巣鴨のJARL本部には、会員が寄付した昔のアマチュア無線機がいっぱい並んでいたよ」という話を聞いたことがあります。今はこうしてこのミュージアムで見られるんですね♪
第3展示室前の廊下に並んだガラスケースには、JARLから寄託を受けて展示されているアマチュア無線機が並んでいました
JA1AB 市川さんが昭和26~27年に作った7MHz帯と21MHz帯のCW送信機。右の21MHz帯送信機のメーターのガラスが割れているのは「元々、市川さんがガラスの割れたメーターを安く入手して作ったのだそうです」ということでした
戦後、アマチュア無線の再開を目指して、JA1AB 市川さんが自作された7MHz帯や21MHz帯の送信機、昭和30年代に販売された真空管式のアマチュア無線機、アイコムがまだ「井上電機製作所」という社名だった頃の50MHz帯のトランシーバー「FDFM-2」や「FDAM-3」「AM-3D」も発見!!! それから戦前から戦後の電鍵の数々、真空管コレクションなど、たっぷりと展示されています!!
「井上電機製作所」時代の50MHz帯トランシーバー、FDFM-2(写真左)とFDAM-3(右上)、AM-3D(右下)。まだオールトランジスタのアマチュア無線機が珍しい時代の製品です
モールス通信用の電鍵もたくさん並んでいます
真空管式のアマチュア無線機。じっくり見ていても飽きません!
★第3展示室
第3展示室には海外製の無線機や受信機がいっぱい! 多くは国税庁長官や日本債券信用銀行の頭取などを務めた故・安川七郎さん(J2HR/JA1BHR)が収集したものだそうです。
安川七郎さん(J2HR/JA1BHR)が収集したコレクションが美しい状態で展示されています
「一番見ていただきたいのは、アメリカのハリクラフター社が作った1938(昭和13)年製の受信機、DD-1“Skyrider”です。これは世界に1台しか現存していません」と有澤さん。
ハリクラフター社の受信機、DD-1“Skyrider”が完全な形で残っているのは世界でここだけ。1つの電波を2つの受信部で同時に受信して安定した通信を行うダイバシティー受信ができるのが特徴だそうです
机ひとつには載せきれない、とても大きな受信機なのですが、短波の通信を安定して受信するために2つの受信部を使った「ダイバシティー受信ができるのが特徴」なのだそうです。よく見ると、受信機のデザインが左右対照で、同じダイヤル、同じスイッチやメーターが左右に1つずつついています。
そのほかにも米国のNational社が作った受信機やコリンズ、ドレークなどの名品もいろいろ展示されていました。
★第4展示室
ここは1977年に打ち上げられた日本の静止気象衛星「ひまわり」の受信装置や、気象衛星から送られてくるデータを補正処理する装置などが展示されていました。また船舶向けに短波帯で送られてくる気象ファクシミリの受信装置もあって興味津々!
日本の静止気象衛星「ひまわり」や気象ファクシミリに関連した展示がありました
気象ファクシミリの送信装置。天気図を巻き付けたドラムがグルグル回転しながら画像が送られます
私の家で使っているファクシミリは電話機と一体型で、原稿を差し込んだらツーと送信されて、届いたときも紙がピャーっと出てくるけど・・・。短波帯の無線ファクシミリは大きくて、ドラムに巻いた原稿がグルングルンと回りながら送信されていたんですね。1枚に何分かかっていたんかなぁ?