2015年7月号
ニュース
「南海トラフ巨大地震」を想定した日本赤十字社の合同訓練でD-STARが活躍
6月13日、日本赤十字社の第4ブロック(和歌山、大阪、兵庫、京都、奈良、滋賀の各府県支部で構成)は、和歌山県和歌山市の片男波(かたおなみ)海岸周辺で、近い将来発生が予想される「南海トラフ巨大地震」を想定した訓練を実施した。
訓練会場の片男波公園(和歌山県和歌山市)に設置された現地対策本部
この合同訓練は、紀伊半島沖を震源とするマグニチュード9.1(震度7)の巨大地震が発生し、和歌山県の沿岸部を大規模な津波が到達、甚大な被害が発生したという想定で、日本赤十字社の医師や看護師、和歌山県警、和歌山市消防局、災害ボランティアなど、およそ600人が参加して行われた。
訓練には近畿エリアの日本赤十字社各支部をはじめ消防、警察なども参加した
現地に設置された災害対策本部と日本赤十字社和歌山県支部の無線車には、D-STAR機器が設置され、パトロール先の隊員から送られてくる画像をRS-MS1Aを使用してタブレット上にオフライン地図とともに表示させて情報を多元的に収集した。
現地災害対策本部に設置されたD-STAR機器を使用して情報収集を実施
さらに紀伊水道を越えた徳島に設置されたD-STARレピータと日本赤十字社大阪府支部に設置されているD-STARレピータを使用して、現地の状況を支部スタッフに画像伝送する訓練も行われた。
日本赤十字社和歌山県支部の無線車。通信用の電動伸縮ポールを装備
無線車の内部。業務無線機のほか、ID-1、ID-5100、IC-7000M、IC-7200Mなどの無線機器を搭載
和歌山県赤十字特別救護隊の通信部長である紀北分隊長の岩田邦秀氏(JA3PQY)は、今回の訓練について「日本赤十字社和歌山県支部の無線奉仕団は、早い段階からD-STARが防災時に役立つことに注目し、皆で取り組んできた。今回の訓練でD-STARが非常に役立つ通信手段であることを再認識した」と述べている。
D-STARで通信を行う和歌山県赤十字特別救護隊員