2015年7月号
連載記事
移動運用に便利なこの一品
JO2ASQ 清水祐樹
第4回 アンテナを真っ直ぐに立てる
伸縮ポールとタイヤベースを使ってアンテナを立てる場合、特に大型のアンテナになるほど、伸縮ポールを真っ直ぐ垂直に立てる必要が出てきます。伸縮ポールが垂直になっていないと、アンテナ全体の固定が不安定になりますし、伸縮ポールが曲がることによる破損の可能性もあります。今回は、伸縮ポールを垂直に立てるために使う小物を紹介します。
水準器を使って、伸縮ポールを真っ直ぐに合わせる
アンテナを真っ直ぐに立てるためには、まずは水準器が必須アイテムです。水準器が無い場合、伸縮ポールと近くの建物や電柱が視界上で重なるようにして垂直を合わせることは可能ですが、やはり水準器を使った場合の便利さ・正確さには及びません。
大型のアンテナを設置する場合は、まずタイヤベースに水準器を置いて水平をしっかり合わせ、伸縮ポールを立てた後、伸縮ポールに水準器を2方向(例えば南北方向と東西方向)から当てて、垂直になっていることを確認します(図1)。
図1 水準器の使い方、右写真はドアストッパーを伸縮ポールとタイヤベースの間に挟んで伸縮ポールを垂直に合わせている
ドアストッパーは便利
ドアの下の隙間に挟んでドアが勝手に閉まらないようにする、ドアストッパーと呼ばれる「くさび型」の器具が100円ショップ等で市販されています。伸縮ポールの傾きを修正するために、ドアストッパーの厚さの異なるものを数種類用意しておくと便利です。
ドアストッパーはタイヤベースと地面の間に入れるほか、伸縮ポールが細い場合には、タイヤベースの差込口と伸縮ポールの隙間にドアストッパーを挟んで、伸縮ポールの傾きを調整することもできます(図1右)。
なお、隙間にドアストッパーを挟んで傾きを調整した場合、伸縮ポールの固定が不安定になる可能性があるため、必ずステーをとってください。
ステーを素早く張るために、ロープにナスカンを取り付けておく
風が強い場合や重量のあるアンテナを上げる場合には、ロープを用いてステー(支線)を取ることが必要です。軽量のアンテナで、伸縮ポールがわずかに傾いている場合や、風により伸縮ポールが傾く場合には、ロープ1本で支えるだけでも実用上は十分です。重いアンテナの場合、3方向からしっかりとロープで支える必要があります。
ロープを結んだり解いたりするには時間が掛かります。そこで、ロープの端にはナスカンと呼ばれるワンタッチで引っ掛けられる金具を取り付けると、ロープを結ぶ手間が省けます(図2)。
伸縮ポールの上部には、ステーリングと呼ばれる、ロープを通すための穴が開いた金属の輪が入れられていることがあります。細めのナスカンを使えばステーリングに通すことも可能ですが、ステーリングにナスカンを通すには少し手間がかかるので、ステーリングに二重リングと呼ばれる金具を入れています。二重リングを付けることにより、ナスカンが一発で引っ掛けられるようになりました。
図2 ナスカン(写真左)と、伸縮ポールのステーリングに取り付けた二重リング(写真右)の例