2013年12月号
テクニカルコーナー
D-STAR×GPS講座(2)
JK3AZL 高岡奈瑞
D-STAR×GPS講座(2)
前号で、GPSとD-STARの基礎について説明したところ、たくさんのメッセージを頂戴しました。感想をお寄せくださった方々、本当にありがとうございます。一人でも多くの方にD-STAR&GPSで遊んでいただけるよう、これからも『肩の凝らない』、『誰でも楽しめる』内容にして行きたいと思います。今号では、GPS位置情報の設定とGPSログ機能、GPSログを地図に取り込む方法などを紹介します。
D-STAR機でGPSを使えるようにする
機種によって異なりますが、D-STAR無線機でGPSを使えるようにするには、
(1) 内蔵GPSをONにする【内蔵GPS】
(2) 無線機に自宅などの位置情報を入力する【マニュアル】
(3) 外部GPSを無線機に接続する【外部GPS】
のいずれかの方法を選択します。
(1) 内蔵GPSをONにする【内蔵GPS】
ID-31やID-51のGPS内蔵モデルの場合は、簡単な設定で内蔵GPSを利用することができます。
内蔵GPSをONにしておけば、無線機の画面で、
・MY(自分の位置情報)
・RX(相手の位置情報と現在地からの方向/距離など)
・MEM(メモリした目的地の位置情報と現在地からの方向/距離など)
を表示できるようになります。
またGPS位置情報を表示させるだけではなく、
・無線機の時計を自動補正
・GPSロガー機能が使える
・最寄りレピータ検索機能が使える
などのメリットもあるため、GPS内蔵タイプの無線機がある場合は是非、内蔵GPSをONにしておきましょう。
内蔵GPSをONにするには、無線機の[MENU]キーを押し、MENU画面から
[GPS]-[GPS設定]-[GPS選択]-[内蔵GPS] の順に選択します。
[MENU]キーを押してMENU画面から抜けると、表示画面の上部に衛星アイコンが点滅をはじめます。
GPS衛星を3つ以上測位するとアイコンが点滅から点灯に変わり、無線機画面で緯度経度などの位置情報を見ることができるようになります。進路や速度も表示されるので、列車や船などでの移動中は、乗り物の速度を確認することもできます。
位置情報を見るには、無線機の[QUICK]キーを押し、ポップアップしたメニューから[GPSポジション]を選択します。
GPSメモリ(MEM)を表示した状態。メモリ(=目的地)までの直線距離と方向も表示
(2) 無線機に自宅などの位置情報を入力する【マニュアル】
IC-7100やIC-9100を自宅で使う場合など、位置情報を手入力することで、市販のGPS受信機を接続しなくても、GPS位置情報を利用できるようになります。またID-31やID-51のGPS内蔵タイプの無線機も、GPS位置情報をマニュアル設定しておけば、内蔵GPSが使えないビルの中などでも位置情報を利用できます。なお緯度経度がわからない場合は、住所から緯度経度を検索してくれるサイトを利用すると良いでしょう。
住所やランドマーク名から緯度経度を検索してくれるサイト(http://www.geocoding.jp/)
・IC-7100に位置情報を登録する
無線機の[SET]キーを押し、セット画面から
[GPS]-[GPS設定]-[GPS選択]-[マニュアル]を選択。
同じく[GPS]メニューから
[GPS設定]-[マニュアル位置]を押して[マニュアル位置]画面を表示。
[QUICK]キーを押し、[編集]を押すと、緯度経度が入力できるようになります。
・IC-9100に位置情報を登録する
メインダイヤル左下付近にある[GPS]キーを長押し(約1秒)し、[GPS]画面を表示します。
IC-9100のGPS画面
[SET](F-5)キーを押してGPSセットモードを表示。
↓
[▼](F-2)キーを押して[MY Position]を表示し、[Manual]を選択。(初期設定はGPS)
同じくGPSセットモードで[▼](F-2)キーを押して[Manual Position]を表示。
↓
[EDT](F-4)キーを押すと編集画面が表示され、緯度経度を登録できるようになります。
・ID-31/ID-51に位置情報を登録する
無線機の[MENU]キーを押し、MENU画面から
[GPS]-[GPS設定]-[GPS選択]で[マニュアル]を選択。
同じく[GPS]メニューから
[GPS設定]-[マニュアル位置]を押して[マニュアル位置]画面を表示。
[QUICK]-[編集]で緯度経度を入力できるようになります。
(3) 外部GPSを無線機に接続する【外部GPS】
ID-880やIC-7100、IC-9100などにシリアルタイプのGPS受信機を接続することで、位置情報を利用できるようになります。GPS受信機を接続するにはシリアルタイプのDATA通信ケーブル(OPC-1529)が必要ですが、下記のようなケーブルを自作することで代用できます。
DATA通信ケーブルの配線図
GPS受信機例(Garmin 18x PC Receiver)