2014年7月号

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南松浦郡新上五島町 移動運用記

編集部 稲葉浩之

3日目の運用

いよいよ運用最終日5/5(月、祝)になる。ぎりぎりまで運用することを考えると、撤収に3時間程度見て、5/6(火、祝)朝0630jまでは運用可能である。しかし朝の北米は不調なため、この日の2400jをもって運用を終了することに決めた。0800j過ぎから運用を開始したが、この日もすでにEスポが発生していた。とりあえず北米ビームで運用するが、Wからは1局も呼ばれず、Uゾーンなど近場からちょろちょろと呼ばれる以外はすべてJAとなった。1135jまでノンストップで運用。この日もEスポが厚く50MHzまで反射してくれたので、日中は50MHzに重点を置いて運用した。


展望台からアンテナ(中央下)を見る。

幸いなことに、前の晩に不調になった18/24/50MHzトライバンダーは、朝には完全復活していた。雨が止んで直ったのかもしれないが、原因は不明のままだ。万一再発したら、この3バンドはあきらめればよいので、かまわず運用する。

昼飯休憩にはゆっくり2時間とり、不調だったロングワイヤーの展開方向を変えてみた。しかしなぜか1.9MHzだけ同調しなくなってしまったため、1.9MHzの運用は中止することに決めた。それゆえ1.9MHzは初日の1局と2日目の4局の合計5QSOで終了となってしまった。3.5MHzについては回り込みも解消したため、この日の夜も運用し何とか3桁QSOに乗せることができた。


ガスコンロでごはんと缶詰を温め、食事の準備中。

ロングワイヤー変更後は、衛星通信用八木を再建。積み残しがあるといけないし、まだVO52に出てなかったので、再度衛星通信を行うことにした。結局、この日はVO52の1パスと、FO29の2パスに出て、合計25QSOとなり、前日の23QSOとあわせて衛星通信は合計48QSO(すべてCW)で終了となった。

ローカル局とのアイボールQSO

この日の1340j頃、前日にQSOした地元JE6XRW局の来訪があった。話を聞くとここで何度が運用したことがあるという。この場所はロケが良いので、2mでそれなりのアンテナを持ってくると、コンディション次第では8エリアとQSOできることもあるとのことだ。そんな良い場所だとは知らなかった。あれこれと話も弾んで、結局小一時間のアイボールQSOとなった。

この日もEスポが好調だったが、前日の様に1日中出ていたわけでないので、途中で7MHzや10MHzが運用できてちょうど良かった。まさに国内向けにはベストな感じのコンディションだった。国内とはすでに2,000QSO近くに達していたが、まだまだ呼ばれた。この日は16時台からヨーロッパ向けの運用をスタート。28MHzからはじめるが、できたのは少数。すでに夏のコンディションに差し掛かってきており、28MHzはちょっと厳しいようだ。24MHzに降りると絶好調となる。


国内/海外QSO数内訳

今回、ハイバンドのQSO数を見ると、18MHzと24MHzが特に多い。国内は14~28MHzまでまんべんなくできているハズなので、DX QSOで差がついた様だ。なぜか14/21/28MHzでヨーロッパ向けに運用しても、18/24MHzと比べるともうひとつ呼ばれなかった。原因は不明だが、すでにレギュラーバンドではあまりニーズがないのかもしれない。


バンド別QSO数

この日は終盤、リクエストに対応して、ローバンドのSSBにも少しだけオンエアした。もともと電話は得意ではないので、7MHz/SSBは8分間23局、3.5MHz/SSBは5分間10局で終了し、一応出たという実績だけは作ったかたちとなった。

SSBの運用を終了し、夕飯休憩の際にロングワイヤーを撤去した。暗闇でまた引っかかると困るからだ。最後は14MHzと18MHzで運用。しかし14MHzはほとんどばれない。バンドワッチすると北米が入感しているが、いくらCQを出しても呼ばれない。逆に18MHzは好調でヨーロッパからどんどん呼ばれ、途中北米からも呼ばれた。RTTYも長めに出たところ、18MHz/RTTYだけで3桁QSOに達した。


モード別QSO数

2358j、18MHz/CWでのウクライナとのQSOをもって閉局。合計2,859QSO(重複含む)となった。偶然だが、前日からジャスト1,000QSOの追加となった。Club logにログをアップした後、Eメールをチェックしたら、「IOTA AS040はニューなのですぐにQSLカードが欲しい。ダイレクトでの交換をお願いしたい」という主旨のメールがすでに4通も届いていた。そのうちの1通には、「私はもう80才なので、ビューローからの転送をのんびり待っていられないんです」、と書かれていた。すぐにQSLカードを作らないといけない。

撤収

最終日5/6(火、祝)は朝6時に起床。この日の運用予定はない。睡眠時間が5時間なので、少々眠いが、フェリーに乗れば2時間寝られるので、合計7時間睡眠となり、帰路800kmの運転におそらく支障はないだろう。撤収時にトラブルが発生して、フェリーに乗り遅れたりすると困るので、朝食抜きで撤収を開始する。まずは前の晩に外しておいたロングワイヤー+ATUを撤収。続いて、衛星通信用八木を撤収。14/21/28MHzトライバンダーを撤収。最後に18/24/50MHzトライバンダーを撤収した。すべて梱包も終了し、あとは車に積み込むだけとなった。

ここで、出発予定時刻の0930jまで1時間近く残ったし、腹ペコなので朝食を摂った。食料については、万一、たとえばアクセス路の決壊等で下山できなくなっても数日間は耐えられるように、十分な量を持っていったので、結果的に、あと2日は余裕で持ちそうなくらい余ってしまった。


余った食料。(帰宅後撮影)

朝食後アンテナ機材を積み込んで、0920jに現地を出発。0945j頃有川港に到着した。1050jの出航まで1時間以上ある。乗船手続きの窓口は、GW最終日に島から帰るお客でかなり混雑していたが、列に並んで手続きを終え、家族への土産も購入した。フェリーは定刻どおり出発した。疲れと睡眠不足のため熟睡できた。


真ん中の山上がマリンピア展望所。(復路の船上より)

佐世保港到着後は、先に調べておいた温泉に入った。3日ぶりの風呂なので、体全体をしっかり洗ってリフレッシュ。湯から上がってさあ出発。佐世保大塔ICから西九州道に乗り、一路自宅に向かう。途中、九州道で事故渋滞15kmにはまったため、遅くとも2400jまでには帰宅できると思っていたところ、家に着いたら日付が変わった5/7の0045jになっていた。

帰宅したら、W1の局から、「AS040が欲しいが、W東海岸からではとても難しい。まだ出てるか、可能なら今すぐ14Mに出てくれ」というメールも届いていた。このように五島列島のニーズはまだまだある様だ。今回の運用記が、今後移動される各局の多少でも参考になれば幸いです。

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