2014年7月号

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JL3QGA 三竿利勝さん


(上の写真は、停車中の運用シーンを撮影したものです)

10トントラックから日々運用を行っている三竿利勝さん。18歳のとき、親戚のおじさんの影響を受けてアマチュア無線のライセンスを取った。当初は自宅から144Mと430MのFMで運用をはじめたが、長距離トラックのドライバーになってからは、トラック内に構築したシャックから運用を行っている。

現在のメインバンドは、7M/SSB、28M/AM SSB、430M/DV(D-STAR)。コンディションや、走行している地域に合わせて運用バンド、モードを選ぶことで交信相手を見つけ、走行中の運用を楽しんでいる。今の時期は28Mのコンディションが良いので、28.305MHz付近にAMでよく出ているという。


ノートPCに走らせたRS-BA1でIC-7100とIC-7200をコントロール中。
ID-5100はスマートフォンと接続し無線による画像伝送も行っている。
(上の写真は、停車中のセットアップを撮影したものです)

三竿さんは、「アマチュア無線の魅力はなんといっても人との出会いです」と話す。年齢、性別、職業を問わず、色々な人と無線で話をすることができる。交信後にはアイボールQSOに発展することもある。地方に行った際に地元のおいしい店を教えてもらうことなどは普通という。「この仕事に就いたのもアマチュア無線の縁で、もしアマチュア無線をやっていなかったらトラックには乗っていなかったと思います」と話す。そんな三竿さんは、当初就職した運送会社が無線禁止だったため、無線がやりたい一心で今の会社に転職した。

ただトラック内はコンピューターだらけなので、これまでノイズ対策には非常に苦労したという。ハムショップにも協力してもらい、アーシング、ボンディングをできる限り強化して、ノイズ軽減に取り組んだ。特に一種のノイズアンテナになっていたマフラーへのボンディングは効果が大きかったという。それでも皆無になったわけではなく、ノイズに埋もれそうな局とどうしても交信したい場合は、停車してエンジンを切っている。

さらに三竿さんは、車内でノートPCを活用し、PCからトランシーバーをコントロールすることで、操作性を向上させている。さらにノートPCはインターネットにも接続し、D-STARのレピータリストをダウンロードして常に最新のメモリー状態をキープするなどフル活用している。時には知人に頼まれ、遠隔地の知人のPCにリモートアクセスして、レピータリストを更新してあげることもある。

走行中に厄介なのは28Mのヘリカルアンテナを使用しているため違法CB局と間違えられて、停車されられることだという。もちろん正規に開設したアマチュア無線局なのでなんら問題はないのだが、一旦停車されられると、リニアアンプを隠し持っていないかなど隅々まで調べられることがあり、対応に時間がかかるのが一番困るという。


現在使用中のアンテナ群。

三竿さんの今の目標は、全国にあるすべてのD-STARレピータにアクセスすることだ。もちろんネット経由でのアクセスではなく、そのレピータのカバーエリアまで出向いて、直接アクセスすることである。そのため、停車して5エレ八木アンテナでレピータを狙うこともある。本州にあるD-STARレピータは東北北部など一部を除いて大体アクセスできたが、新しいレピータが次々に上がるので、ひとつのエリアをすべて制覇できたからといって、安心はしていられない。

三竿さんは、東京方面に行く際には新東名高速道路は決して走らない。新東名はトンネルが多くて無線が通じない区間が多いからだ。それでも仕事柄、夜間に走行することが多いため、どうしても交信相手が見つからないこともある。「もっともっと多くのハムが増えてくれたらいいのにと思っています」と話す。

このコーナーでは、アマチュア無線の様々な楽しみ方に挑戦するハム(アマチュア無線家)を紹介します。
自薦も歓迎しますので、info@fbnews.jpまで、写真1、2点と紹介文(300字以内程度)を添えてご送付下さい。
採用させていただきました方には粗品を差し上げます。
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