2014年7月号
連載記事
第6話 無線従事者免許申請
試験結果通知書が届いてしばらくして、2人はあーちゃんをいつものカフェに呼び出しました。
あーちゃんは想像より元気そうで、「最近六甲山に登ってきたんだ~」と楽しそうに話はじめました。
あ 「無線やってる人を何人か見かけたんだけど、やっぱりわたしもやりたくなってきたんだよね。1回落ちちゃったけど、やっぱりもう1回チャレンジする!(^〇^)/」
あーちゃんは自力で立ち直っていたのでした。
エ 「なんだ、心配して損した・・・(*^_^*)」
あ 「ところで、ふたりの用事って何?」
サ 「何だっけ?忘れちゃった☆ってか、何か頼もうよ~!」
サミーは「本場ハワイの味・ふわふわパンケーキ」を食べながら、そういえば、と話し始めました。
サ 「Masaco先輩に教わりながら免許証の申請やったよ」
エ 「そうなんだ!早いね!」
サミーはMasaco先輩に教えてもらったことを思い返しました。
さかのぼること数日前。サミーはMasaco先輩のオフィスを訪ねていました。申請の手続きの仕方を教わるためです。
M 「申請の手続きは、以前は合格して3か月以内にしなきゃダメだったんだけど、今は期限は無くなったみたい。でも、『善は急げ』って言うから、早めにやっちゃおう!」
サミーはMasaco先輩に言われた通りに、総務省の電波利用ホームページを開き、そこから申請書をダウンロードしました。
申請書の書き方は「http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/operator/01B.pdf」のページに詳しく載っています。
Masaco先輩に教わりながら、サミーは必要事項を記入しました。
(総務省・電波利用ホームページより)
M 「でね、これが一番大事なポイントなんだけど、申請書に貼る証明写真は、スピード写真みたいなクオリティの低いモノは女の子ならぜ~ったいやめた方がいいよ」
無線従事者免許証の申請書に貼る写真のサイズは縦30mm、横24mmです。また無線従事者免許証は終身免許で、自動車運転免許のような更新がないので、ここで提出した写真が、一生ものの免許に載ることになります。
サ 「そっか!おばあちゃんになっても、今の写真が使えるってことですもんね。可愛い写真撮らなきゃ!」
M 「そういえば、この前『美肌で撮れる証明写真』を見つけたよ。それなんか、可愛く撮れていいんじゃないかな?」
サ 「Wow!!そんなのあるんだぁ!行ってみますっ」
他に、申請には手数料 (1750円)が必要で、収入印紙で納めることになっており、サミーは収入印紙を郵便局で購入しました。 その他にも、申請書と一緒に提出するものに、「氏名および生年月日を証する書類」と、切手を貼った返信用封筒が必要です。
無線従事者免許証の申請に必要なものをまとめると、
・無線従事者免許申請書
・氏名および生年月日を証する書類(住民票の写しなど)
・手数料(1750円分の収入印紙)
・写真(縦30mm×横24mm)
・切手を貼付した返信用封筒(免許証の郵送を希望する場合)
となります。
無線従事者免許申請書 (総務省・電波利用ホームページより)
M 「全部揃えて近畿総合通信局に郵送したら終わりだよ」
申請書の提出先は、合格した国家試験の受験地を管轄する総合通信局、もしくは住所地を管轄する総合通信局となっています。(沖縄の場合は沖縄総合通信事務所)
よって、例えば長期出張先などで国家試験を受験した場合でも、住所地を管轄する総合通信局に提出することができるようになっています。
かつては、必ず試験の受験地を管轄する総合通信局に提出する必要がありましたが、条件が緩和され、住所地を管轄する総合通信局へも提出できるようになりました。
サ 「Masaco先輩、ありがとうございます☆」
申請の方法をバッチリ理解したサミーは、その足でMasaso先輩に教えてもらった証明写真機を探しに行ったのでした。
さて、話は女子会に戻ります。サミーはMasaco先輩から教わった申請の仕方をあーちゃんとエリーに詳しく伝えました。ふたりとも、手帳にサミーから教わったことをきっちりとメモしました。
サ 「あとは免許証が届くのを待つのみだ☆」
サミーはご機嫌な様子でパンケーキを頬張りました。無線機を使えるようになるまであとほんの少しです。
いろいろと教えてくれたサミーに感謝しつつも、ふたりは正直羨ましいなぁと思っていたのでした。
あーちゃんはその日自宅に戻ると再び試験の申込手続きをしました。しかし、そこで思わぬ事態に直面してしまいました。
あ 「え?! 次の試験3月?! 2月じゃないの?!」
その時はもう11月20日を過ぎていたので、1月の試験は申請できませんでした。 通常であれば、その次は12月申し込みの2月試験となりますが、運が悪いことに、近畿管内では2月の試験実施予定が無く、その次は1月申し込みの3月試験でした。
あ 「ふたりにだいぶ遅れをとってしまう・・・(ToT)」
グズグズ落ち込んで無駄な時間を過ごしていたことを、あーちゃんは後悔したのでした。
女子会からしばらくして、サミーの自宅には待望の「第四級アマチュア無線技士無線従事者免許証」が到着しました。近畿総合通信局に申請書を郵送してから約3週間後のことでした。
サ 「キラキラしててめっちゃキュート♥傾けたら富士山が見えるようになってる!おもしろ~い!」
早くふたりにも見せたいなぁとウズウズするサミーなのでした。
一方、試験日が1月19日に決まったエリーは猛勉強に励みました。宮代先輩の助けもあって、不明点はほとんどなく、自信を持って試験日当日を迎えました。 試験会場は、サミーやあーちゃんが受験したのと同じ、大阪市北区にある会場でした。エリーは先に受験したサミーとあーちゃんから、試験会場の様子や、試験の流れを聞いていたため、 落ち着いて試験を受けることが出来ました。
法規も無線工学も、全問ほとんど迷うことなく回答し、さらに何度も問題と解答を見直しました。 気付けば試験時間の終了間際となっていました。会場を出ると、エリーは2人にならってカフェに入り、自己採点を行いました。思っていた通りの結果です。
エ 「頑張った自分へのご褒美だ、頼んじゃおっと(*^o^*)すいませ~ん!『日替わりスイーツ3種盛り合わせとお好きなドリンク付きプレミアムランチセット』ください♪」
そしておよそ2週間後、エリーのもとにも「合格通知」が届いたのでした。
今度こそ合格しなければ、と真面目に勉強に取り組んでいたあーちゃんに、エリーの合格の知らせが入りました。
あ 「残るはわたしだけかぁ(*_*;)」
まだ合格できていないあーちゃんには、プレッシャーがかかりました。
次回・・・
あーちゃんは2回目の試験をパスできるの・・・?
一方、先に合格したサミーとエリーは無線機選びを始めます。
「第7話 無線局免許申請」
お楽しみに☆