2014年8月号
ニュース
WRTC 2014
4年に1度開催され、アマチュア無線のワールドカップとも言われているWRTC(World Radiosport Team Championship)が、7月上旬に米国ニューイングランド地方で開催された。
このイベントは、過去数年以内に開催された世界規模のコンテスト結果を参考に、世界から選抜された2名1組のチームが、アンテナを同条件に設置されたアマチュア無線局から、IARU HF Championshipコンテスト(7/12-7/13に開催)に出力100Wで参加し、スコアを競うというもの。今回開催されたWRTC2014には世界から59チームが参加し、お互いの運用技術を競い合った。
ドイツ女性チーム(N1A)のDL8DYL(左)とDL1QQ(右)、中央はレフリーのW6OAT
21位と健闘したN1Aのシャック (写真はEY8MM提供)
24時間に渡る激闘の末、栄えあるチャンピオン(金メダル)に輝いたのは、N6MJとKL9Aの米国チームだった。このチームは序盤でリードを奪うと、最後まで他チームの追随を許さず、そのまま逃げ切る形となった。彼らは前回モスクワで開催されたWRTC2010で獲得した銅メダルに引き続き、今回は初めて金メダルを獲得した。なお、2位の銀メダルを獲得したのはOM3BHとOM3GIのスロバキアチーム、3位の銅メダル獲得したのはDJ5MWとDL1IAOのドイツチームだった。
3位に入賞したDJ5MWとDL1IAOによるドイツチーム(W1P)と、ドイツ女性チーム(N1A)のメンバー。
左からDL8DYL、DJ5MW、DL1QQ、DL1IAO。
ドイツチームは銅メダルの他にも、エラーレートが59チーム中で最も低い「Most Accurate」プラークも受賞した。
全チームの結果は主催者のサイトで参照できる。
前述のようにすべてのチームにおいてアンテナは同条件だが、使用するトランシーバーや周辺機器、それにロギングソフトウェアなどは競技者の持ち込みになる。入賞3チームがどんなトランシーバーや、どんなロギングソフトウェアを使ったのかが興味あるところ。
金メダル N6MJ KL9Aチーム、IC-7800×2台、Win Test
銀メダル OM3BH OM3GHチーム、IC-7600+K3、Win Test
銅メダル DL5MW DL1IAOチーム、IC-756PRO3×2台、Win Test
主催者の発表によると、59チームが各2台、合計118台のトランシーバーが競技で使用された中、75台がエレクラフト製であった。上位3チームが使用した全6台のトランシーバーに限ると、そのうち5台がアイコム製であった。
ロギングソフトウェアに関しては、59チーム中、40チームがWintestを使用し、上位3チームが使用したのはすべてWintestであった。