2015年6月号

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テクニカルコーナー

鹿児島県薩摩川内市 上甑島 移動運用記

編集部 稲葉浩之

2015年のゴールデンウィークの5日間を活用して鹿児島県にある甑(こしき)島から移動運用を行ってきたので紹介する。島での移動運用の参考になれば幸いである。

甑島列島は九州の西の東シナ海にあり、上甑島、中甑島、下甑島の3島を中心に構成される。すべての島が薩摩川内市に属するため、どの島から運用してもJCCナンバーは4616である。よって、九州本土からのフェリーでの渡航に一番便利な上甑島に行くことにした。一番近いので一番長い運用時間を確保できるから、という単純な理由である。


里港にある上甑島・中甑島周辺マップ

計画

昨年11月に愛媛県越智郡上島町の岩城島から移動運用を行い、これで2014年の移動納めとしたが、その後次はどこに行こうかと考えていた。条件としては橋を渡って自走していける島、もしくはフェリーに乗って車でいける島で、これまで運用したことのないところである。

色々と検討した結果、IOTA番号が九州や九州周辺の島とは別番号となり、自宅の奈良から距離はあるものの、フェリーの乗船時間が比較的短い甑島を第一候補とし、フェリーの予約が取れたら正式に決定することにした。ちなみに甑島に渡ることのできるフェリーは、現在は甑島商船が運航している「フェリーニューこしき」のみで、いちき串木野市にある串木野新港と甑島列島を結んでいる。車両を伴わないのであれば、薩摩川内市の川内港から出ている高速船を利用するという渡航手段もある。

「フェリーニューこしき」の予約受付は乗船日の2ヶ月前なので、ゴールデンウィーク休暇が5/2-5/6とすると、往路の予約日は3月2日である。しかしこの日は諸事情で電話を掛けられる状況に無く、結局復路の予約日である3月6日に電話を入れたが、幸いにも往路の便にも空きがあったため、往路と復路の両方の便を同時に押さえることができた。こうして甑島への移動運用が決定した。

甑島列島の上甑島で運用することに決めたが、島の中での運用地点を絞り込むにあたり、以前に上甑島から運用経験のあるJI3DST舟木氏からは直接話を聞き、またJI5RPT小柳氏のホームページを参照させていただき、上甑島の「鍬崎(くわさき)展望所」(ふれあいパーク鍬崎)を第一候補とした。ここは、南方向に山が迫っているが、北方向が海のために北米や欧州と交信するのに向いていることと、さらに東屋とトイレがあるのが決定的な要因である。


鍬崎展望所、トイレと東屋がある。
駐車スペースは6台分の区画があり、さらに道路の反対側にも5、6台停められる区画の無い駐車スペースがある。

機材

機材は、前年11月の移動運用と同様としながら、ワイヤーアンテナを1本追加した。それは7/10MHz用の2バンドダイポールである。前回は、1.9~10MHzの4バンドをお手軽ロングワイヤー+ATUで運用したが、せめて7/10MHzだけでも同調したアンテナに変更して飛びを改善したかったからである。

サテライトについては、従来はサテライトモードの付いているIC-910を持参していたが、今回は、IC-7400の144MHzで送信し、IC-7000の430MHzで受信して対応することにした。サテライト運用はふじ3号(FO-29)のJモード(アップリンク145MHz、ダウンリンク435MHz)のみと割り切ったからだ。

●リグ
メインIC-7400(50W改造)、サブIC-7000M

●アンテナ
1.9/3.5MHz 約20mLロングワイヤー+オートアンテナチューナー
7/10MHz 2バンドダイポール
14/21/18MHz 2エレ八木 (ローテーター付)
18/24/50MHz 2エレ八木 (ローテーター付)
144/430MHz モービルホイップ

なお、電源についてはバッテリー運用とし、昼間は車両のエンジンを回してディープサイクルバッテリーを充電しながら運用し、夜間はエンジンを止めて、昼間に充電したディープサイクルバッテリーで運用した。ディープサイクルバッテリーは4年間使用したものの残容量がかなり少なくなったため、4月に同じタイプ(105Ah)の新品に取り替えたものだ。

出発

車両への機材積み込みは、4/29(祝)の日中に7割方済ませておき、出発前日の5/1(金)の夜に最終の積み込みを行った。自宅からフェリー乗り場の新串木野港までは、約940kmあるため、食事やトイレ休憩、さらには大型連休初日の渋滞を加味すると12時間はかかると見込み、5/1の夜は早く床に着き、出発日の5/2(土)は0300jに起床した。

予約を入れた5/2のフェリー出航時刻が1640jで、フェリー会社の指定で1時間前までに乗船手続きを済ませる必要があり、そのため遅くとも1530jまでには、串木野新港に到着しなければならない。急いで支度をして0330jに自宅を出発した。これは必達時刻のちょうど12時間前なので余裕はないが、もし厳しいようなら途中の食事は、走行しながら摂って時間を確保すればよいと考えた。

さすがに大型連休初日の九州方面である、交通量が多く、渋滞は起こっていないものの走行ペースが鈍い。これはまずいと朝食は高速コンビニでパンを購入して走行しながら摂った。夜が明けると、夜間にSAやPAなどで仮眠していた車両が発進するためさらに交通量が増え、さらにスローペースとなった。自宅から560km走行してようやく関門橋を渡ったが、残りはまだ380kmもある。しかも福岡ICを過ぎるとついに渋滞につかまってしまった。

長崎道/大分道との分岐である鳥栖JCT付近で渋滞は解消したが、絶対的な交通量が多いためにペースはあまりあがらず、カーナビが表示する串木野新港の到着予想時刻は、1600jを回っている。それでも熊本ICを過ぎた頃からペースが持ち直し、宮崎道との分岐であるえびのJCTを過ぎると、やっと交通量が少なくなり制限速度で走行できるようになり、遅れを奪回できた。結局串木野ICを下りたのが1510jで、10分程度は余裕が持てた。スーパーに立ち寄って特急で少しだけ食料を買い足し、ガソリンスタンドで給油を行い、串木野新港の搬送車両駐車場に到着したのが、1530jちょうどだった。


串木野新港

串木野新港では、薩摩川内市内の実家に帰省中のJH1UVJ局が到着を待っていてくれた。なにしろぎりぎりなので、急いでターミナルビルに行って乗船手続きを行おうとしたら、乗船手続きは先ほど始まったばかりで、まだまだ長蛇の列とのこと。そのためゆっくり歩いて最後尾に並び、乗船手続きを行うことができた。

1600j過ぎに「フェリーニューこしき」が入港してきた。下船車両が下りると、順番に乗船していく。こちらは甑島列島の最初の寄港地である里港で下船するので、前の方に積載してもらえた。車から降りると急いで2等船室に向かったが、すでに車両なしのお客の乗船が始まっており、かなり混雑していた。それでも、なんとか1人分の寝転べるスペースを確保できたのは幸いであった。1時間15分の航海であるが、ずっと横になっていることで、12時間ほぼ休みなしの運転した疲れを少しだけ癒すことができた。


フェリーニューこしき

上甑島に到着

定刻どおりの1755j、上甑島の里港に到着した。下船してすぐに向かったのは、狙いをつけていた「鍬崎展望所」だ。展望所に着くとグーグルマップで事前に確認しておいたとおりのロケーションで北向きは抜群である。こぎれいなトイレと東屋もあった。幸いにも狙っていた駐車スペースも空いていた。念のためもう1箇所だけ近くの「長目の浜展望所」をロケハンしておいた。こちらは展望(眺望)に関しては「鍬崎展望所」以上だったが、少し狭いのと北向きのロケーションが、木々が邪魔してもうひとつだったため、「鍬崎展望所」で運用することに決めた。


長目の浜展望所からの眺め

「鍬崎展望所」は好ロケーションで日中は観光客も多く来そうだし、怪しい者がいると通報される可能性もある。また通報はされなくても、通常のパトロールで警察官から職務質問される可能性が高い。そもそも、こんな西の果てで数日間もアンテナを展開し、モールス通信など行っていて職務質問されないようでは逆に不安になる。そんなこともあり、(当初から予定していたが)、まずはアンテナを展開する前に駐在さんに挨拶に行くことにした。

里港まで引き返して、駐在所を訪れた。駐在さんはたまたまパトロール中で不在だったが電話が繋がったため、住所氏名はもちろん、目的や運用期間、連絡先を伝えておいた。これで安心して運用できることになった。実際、5日間(5/2-5/6)の滞在中に職務質問は受けず、それによって運用を中断されることが無かった。

駐在所を後にした後、温泉に入るため島で唯一の温泉施設「甑島館」に向かった。当日はあいにく温泉装置が故障中ということだったが、白湯で営業中だったため格安で入浴することができた。風呂から上がると再度「鍬崎展望所」に向かった。時刻はすでに1900jを回っており、日が沈みかけている中での設営開始となった。


唯一の温泉施設「甑島館」

設営

一人でアンテナを設置するのは時間がかかる。八木2基とロングワイヤーの設置を終わり、車内のシャック構築も完了したら2300jを回ってしまった。7/10MHzはロングワイヤーでも出られるため、ダイポールの設置は翌日の日中に行うことにして、まずはロングワイヤーで3.5MHzに出た。2310jにJE4KQH局をログインし薩摩川内市のJCCサービスをスタートした。時間が遅いのでワッチしている局が少ないのか応答が芳しく無く、6局QSOした後はCQの連発となる。そのため10MHzにスイッチ。10MHzは5局で枯れてしまった。幸先がよくない。

アンテナを八木に切り替えて18MHzにスイッチ。ロシアから応答があったが、SWRメーターを見たら3以上だった。とりあえずQSOを完了させた後、修復にとりかかる。これまでの経験から、エレメントとフィーダーの接続部分の接触不良だと断定できたので、2基の八木を一旦おろして、接触不良部分にやすりをかけて再度上げなおした。結局この作業に約1時間がかかってしまい、再開できたのは、5/3の0030jになってしまった。このトラブルにより、5/2のQSO数はわずか12QSOに留まった。

修復の結果SWRが1.1になり、18MHzの運用を再開すると、今度はすぐにパイルアップが立ち上がった。4、5局目くらいからスプリット運用に切り替えた。初日は疲れているので、0100j頃に止めようかと考えていたが、0200jを過ぎても呼ばれ続けた。結局この日は疲労困憊の状況にも関わらず0321jまで18MHzでの運用を続け、合計238局をログインした。この運用で、深夜の好コンディションが把握できたため、その後は連日、深夜に18MHzを運用することにした。

この時のアンテナ修復は18/24/50MHz八木の方だけしか対応しなかったため、後日、14/21/28MHz八木の方にも全く同様のトラブルが発生して、再度アンテナを上げ下ろしすることを余儀なくされ、はじめに2基とも対応しておけばよかったと後悔したが、後の祭りであった。

運用を終了する少し前くらいから雨が降ってきた。さらに風も強くなり、車両が揺れるほど吹いてきた。八木を載せたポールのステーは2段取ったので、まず倒壊はしないと思われるが、なにかトラブルが起こるとイヤだなあと思いながら、0330j過ぎに床についた。

5/3の運用

朝は、北米向けに運用しようと思い0700jに起床した。外は猛烈な雨と風で、車外に出られない。無理して出ればびしょ濡れになるのは必至である。朝食後、トイレにも行けずに0728jから運用を開始、まずは軽く7MHzと10MHzで国内とQSOした後、14MHzにスイッチ。アンテナを北米に向けた。しかし呼んでくるのは、ほとんどがJAで他に近場のDX程度。W/VEは皆無だった。18MHzにスイッチしてようやくWを1局ログインできたが、後が全く続かず21MHzにスイッチしても、北米からは1局も呼ばれなかった。

なんでこんなに呼ばれないんだろうと思い、念のためにアンテナを確認すると、SWRは問題ないのだが、強風の影響で14/21/28MHz八木の方向がなんと約90度ずれていた。修正しようにも猛烈な雨と風のためにどうすることもできない。結局、この日は一日中雨が止まず、方向がずれたままのアンテナで運用することになった。もっとも、方向はずれていても性能には問題がないため、ずれた角度を見越してアンテナの方向を設定すればよいだけの話である。


強風で八木アンテナが約90度ズレてしまった。

それでも2基の八木が90度ずれているので、たとえば14MHzから18MHzへのスイッチ、あるいは18MHzから21MHzのスイッチの際には、いちいちアンテナを約90度回転させないといけないのが面倒ではあった。結局この日にEスポは発生せず、正規伝播が使える14MHz以下と、あとはスキャッターで国内QSOを行う必要があった。

天気は雨が降り続いたが、小雨になる時間もあったので、車外に出て食事やトイレをこなした。それでもアンテナの向き修正(ポールの伸縮)は無理と判断して、翌日5/4に行うことし、この日は終日ずれた状態で運用を行った。なお、多く呼ばれる状況では、できるだけ出力を下げて運用し、バッテリーのセーブに努めた。

午後になるとハイバンドで欧州がビッグオープンしてきた。特に24MHzが好調で、1442jから1841jのちょうど4時間呼ばれ続け、一気に484局をログインした。まさに移動運用の醍醐味である。パイルが途切れたので28MHzにスイッチしてみたが、28MHzは全くオープンしておらず、かなりCQを出したが、わずか1QSOのみで終了となった。そのため、24MHzに戻って今度はRTTYでCQを出したら、再度パイルとなり、結局この日は2000jまで24MHzで運用を行った。21MHzに降りなかったのは、この日は、ARIインターナショナルDXコンテストが開催されており、レギュラーバンドはコンテスターで過密状態だったからである。

その後は、ローバンド(1.9/3.5/7MHz)で国内向けに運用し、2100jにARIインターナショナルDXコンテストが終了していたので、2230jからは14MHzに上がって北米向けに出てみた。なんとか9局のW/VEをログインできたが、この日はさらにNew England QSOパーティが開催されており、北米、特に東海岸の局は、DXハンティングどころではなかったと思われ、それ以上は呼ばれなかった。2300jに18MHzに上がると、すでにEUがオープンしていた。しかし、睡眠不足による疲労がピークとなったため、2340jにQRTして仮眠に入った。

5/3のQSO数は、1414QSOだった。Eスポは出なかったものの、F層反射でのDXが好調で、意外にQSO数が伸びた。

5/4の運用

この日は朝0300jに起床した。睡眠時間3.5時間なのでさすがに眠いが、EUがオープンしていることは間違いないのでがんばって起き、まずは朝食を摂った。ちなみに前日朝からの雨はまだ降り続いていた。0324jにこの日の運用をスタート。予想通り18MHzが好調である。0452jには14MHzにスイッチ。0600jまで運用したところで力尽き、再度睡眠に入った。

約3時間睡眠し、0900j過ぎに起床。朝食の後に運用を再開した。北米向けにはちょっと遅いので、国内向けにハイバンドの運用を行ったが、この日も期待のEスポは不発で、18MHzがわずかに反射したかなと思える程度のオープンであった。そのため相変わらずスキャッター中心の伝播でQSOが進んだ。

午後になって24時間以上降り続いた雨がようやくあがった。その少し前から14/21/28MHz八木が、接触不良で不調になっていたため、ここで一旦下ろして修正するしかない。それでも風の方がまだまだ吹き止んでいなかったため、アンテナを下ろして接触不良箇所にやすりをかけたまでは良かったが、風のためにポールがしなって伸ばしきれない。しかし雨はあがっていたので、このチャンスに7/10MHzのダイポールをようやく設置できた。このダイポールのマストには全長8mの伸縮ポールを使ったが、風が止まないので、6m程度の長さで留めておいた。


7/10MHzダイポールを設置しフル装備となる

後は八木を載せた方の伸縮ポールを伸ばすだけとなり、風が止んだときを狙って何とか伸ばしきった。結局、この作業に1時間半もかかってしまったが、これでようやく、当初から予定していたアンテナシステムが揃ったことになる。残された運用時間は1日と7時間程度しかない状況だった。

この日は1日目と異なり、夕方に28MHzでEUがしっかりオープンした。途中、サテライトのリクエストがあったため、FO-29の1パスに出てなんとか6QSOできた。垂直のモービルホイップで天頂パスを運用するのはなかなか厳しかった。この日は28MHzがまともにオープンしたたため、このバンドでは2日目の昼までにわずか6QSOしかできてなかったところ、一気にQSO数が増えた。その後、21/24/28MHzを巡回し、2030j頃までEU向けの運用を続けたが、コンディションのある異変が生じていることに気づいていた。

それは、EU方向にアンテナを向けているのにJAからぽつぽつと呼ばれ、しかも、その信号はスキャッターとは思えないほど強いのである。2026j、アンテナを北東に向けた。するとJAがガツンと来た。待望のEsである、いや正確にはEsとScの複合伝播のようだ。CWの送出スピードを32WPMにアップし、Esが消えないうちにと、全力でパイルを捌いた。14/18/21/24/28を何回か巡回し、2210までにCWとRTTYで178Qをログインした。Esが収束した後はLBを運用し、この日は2316jに運用を終了した。

夜間に発生したこの短時間のEsは、50MHzまでは反射せず、この時点で50MHzはまだゼロQSOだった。最終日になんとか50MHzのオープンを期待して床についた。なお、5/4のQSO数は、1194QSOだった。

5/5の運用

いよいよ最終日である。3時間睡眠で、0230jに起床。すぐに運用を再開した。やはり深夜は18MHzが絶好調である。この朝は14MHzと10MHzも運用し、0630jに再度床についた。10MHzは、前日に設置したダイポールを使用した。給電点がわずか6m程度なので、海外まで飛ぶかどうか心配だったが、まあまあそれなりに飛んでくれた。少なくとも20mLのロングワイヤーよりは海外から応答が良かったと思う。

この日も0630-0900jまでの2.5時間仮眠した。目を覚ましたら天気は快晴で、さらに待望のEsが発生しており、JO2ASQ/8局の28MHz信号を聞きながら朝食を摂ったが、応答している1 2 3エリアの局は全く入感がない。近距離はまだ開いていないようだ。朝食後、28MHzから順次ダウンしていくと、21MHzまで下りたところで1エリアから呼ばれた。それ以降は14-28MHzを行き来し、国内向けの運用を行った。途中からは28MHzもEsがオープンしてきた。


最終日は朝から快晴

アンテナは北米向けとしたが、北米からは全く呼ばれなかった。Es層が邪魔して北米までは届いていなかったのかもしれない。1053jに50MHzで待望の1局目をログインできた。結局50MHzのEスポは7と8の数局だけにとどまったが、地上波でQSOした6エリアと合わせて合計8QSOでき、ボウズは免れることができた。

この日は最終日であるが、睡眠不足で疲労もピークに達していたため、昼食兼昼寝に2時間とった。その後、1428jからEU向けHBの最後の運用をスタート。途中、ふじ3号の2パスも含め、ほぼ休みなしで1900jまで運用した。


食事は熱湯3分でOKのカップラーメンが主力

小休憩の後、7MHzなどに出て、国内局の取りこぼしの穴埋め運用を実施した。7MHzSSBと3.5MHzSSBもリクエストに応えてごく短時間運用し、数QSOずつ行った。これらのバンドのSSBは、今後も多数の運用があると思われるので、無理に時間を裂く必要はないと考えた。

2100jになった。残りラスト1時間である。この日の2200jには打ち止めにしないと、翌朝のフェリーへの乗船ならびに、その後の12時間運転に影響が出る。最後は18MHzのCWとした。EUに混じって、JA、NAからも呼ばれた。Wがまとめてできたのは、この時が一番だったかもしれない。予定時間を1分過ぎたがちょうど途切れたので、2201jのW2MV局とのQSOを以って閉局とした。トータル3675局目だった。


バンド別内訳

この日は夕飯がまだだったため、とりあえずカップラーメンを食してから撤収に取りかかった。約3時間かけてある程度撤収できたがへとへとになった。翌朝にあと1時間あれば撤収完了できると判断し、5/6の0130jに床についた。5/5のQSO数は、1055QSOだった。


モード別内訳

撤収

最終日は、帰路の長時間運転が控えているため、0130-0730jまでの6時間、たっぷり睡眠をとった。撤収についても、前夜にかなり進めておいたので、約1時間で完全に積み込みを完了できた。最後に車両の回りに積み忘れがないか点検し、0830jに里港に向かった。予約便の出航時間は0930jである。里港では出航30分前までに乗船手続きを完了すればよいので、多少余裕があった。

里港到着後は、まずは搬送車両専用の駐車場に車を停め、乗船手続きを行った。この日はまだ朝飯を摂っていなかったため、ここでやっと朝飯のパンを食した。その後港周辺の写真を撮っていたところ0900jにフェリーが入港してきた。

並んだポジションがよかったので、0915j頃に乗船。すぐに2等船室に向かったが、里港は甑島列島の最後の寄港地ということもあって、ほぼ満室状態だった。それでもわずかなスペースを確保できた。足を伸ばして寝ることはできないが、ひざを曲げてなんとか横になることができた。0930の出航後は、デッキで少しだけ写真を撮影し、その後は船室に戻って、1時間ほど睡眠をとった。


帰路、フェリーニューこしきから上甑島を見る

帰路

1045jの定刻どおり串木野新港に到着した。ちなみに里港のターミナルビルは工事中で、切符売り場しかなくみやげ物を購入できなかったため、串木野新港のターミナルビル内にあるみやげ物売り場で、家族用のみやげ物を購入してから、いちき串木野市内の温泉「市来ふれあい温泉センター」に向かった。ここの温泉は大変良心的な価格だった。以後の長時間運転に備えて、ゆっくり入浴させてもらった。

温泉施設で昼飯も食おうか迷ったがあまり腹が減っていなかったため、1200過ぎに出発。市来ICから南九州道に乗り自宅を目指した。途中2回の食事と数回のトイレ休憩、さらには3回の30分仮眠をとった。連休最終日の夜ともあって、スローペースになった部分もあったが、停止してしまうような渋滞はなく、翌5/7の0015jに無事に自宅に到着し今回の移動運用を終えた。


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