2015年8月号

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連載記事

移動運用に便利なこの一品

JO2ASQ 清水祐樹

第5回 夜間の照明

夜間に運用する場合の照明は、電源の容量に十分に余裕があれば、家庭用や屋外用の照明器具を使うことができます。しかし、電源に余裕が無い、電源ラインの配線の手間を省きたい、必要以上に明るくすると周囲の迷惑になる、といった場合は、電池式のLED懐中電灯が照明として考えられる第一の選択肢です。

今回は、LED懐中電灯を夜間の運用で使用して、気づいたことをいくつか紹介します。

電池式のLED懐中電灯の種類と使い分け

電池式のLED懐中電灯は、多くの種類があります。私は頭にバンドで装着するタイプの懐中電灯と、小型の手持ち式の懐中電灯の2種類を主に使います。夜間に屋外で作業することが多い場合、据え置き型の大型のライトもあると便利です。頭に装着するタイプの懐中電灯は、運用時は車内上面のサンバイザーに掛けておき、手元を照らすようにしています。頭に装着するタイプの懐中電灯は照射角が広く、角度の調整機構が付いているため、手元を照らすためには最適です。


図1 頭に装着するタイプのLED懐中電灯を運転席の上部に取り付けた様子

LED懐中電灯の特性

LED懐中電灯の多くは、単3や単4などの電池を使っています。これらは、電池が消耗すると暗くなる特性があります。そのため、手元を常時照らしておく用途の懐中電灯は、明るさが切り替え可能なものが便利です。照明の明るさと見やすさ、目の疲れは深い関係があり、適切な明るさは重要です。

電池式のLED懐中電灯は、1.5Vの電池を2本使用した機種と、3本使用した機種があり、それぞれの性能には特徴があります。電池2本の機種は、本体が小型軽量、電池が消耗した場合に暗くなりやすい(特にニッケル水素電池など定格1.2Vの電池を使った場合)、電池の端数が生じないので管理が楽、などの特徴があります。電池3本の機種は、電池2本の機種の逆で、本体が大きい、明るさが最後まで安定、電池の端数が生じるといった特徴があります。機種選定の際の参考にしてください。

明け方まで運用する場合、私はLED懐中電灯をニッケル水素電池で使用しています。特に、明け方まで運用する場合、懐中電灯を消し忘れることが多くあります。乾電池を使用していると、消し忘れのために電池を消耗し、使用済み電池が発生してしまいます。充電池ならば1回電源を切り忘れても充電すれば済むため、頻回使用に向いています。それ以外にも、車のルームランプをLED式に交換し、夜間の作業に適切な明るさを確保すると便利です。

周囲への配慮

山の上など、周囲に全く明かりが無い場所が移動運用に適していることは多々あります。有名な場所やアクセスの良い場所で、天気が良い場合、夜間でも人通りが多いことが珍しくありません。そのような場所では、天体や動物の写真撮影をする人がいて、明かりを外に漏らさないよう協力を求められる場合があります。全体照明だけでなく、懐中電灯などの局所照明だけで最低限の運用ができるセットと、明かりを外に漏らさないための遮光シート、仮止めのテープ類なども用意すると良いと思います。

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