2016年1月号

トップページ > 2016年1月号 > RS-MS1A用ホストケーブルの製作

テクニカルコーナー

RS-MS1A用ホストケーブルの製作

JA3TAK 滝 洋一

ID-51とRS-MS1Aを接続して長時間の待ち受け受信を行う為に専用ケーブルのOPC-2350LUを改造し、スマートフォンの電源も同時に供給できる様にしましたので、ここで紹介させていただます。

ID-51とスマートフォンにRS-MS1Aのアプリを入れて直接使用する場合、簡単に接続ができます。この組み合わせで長時間使用する場合、ID-51には外部電源の12Vを接続すれば良いのですが、スマートフォンにも外部電源を接続する事が必要になります。OPC-2350LUの改造について、最初は簡単に考えていましたが、やってみると簡単ではありませんでした。


左側にUSBケーブルを折り返して接続し、右側に電源用ケーブルを接続

最初の失敗は、USBハブを中継して電源と信号を供給しようと考え、ジャンクションボックスを作成する事にして、付属のケーブルを切断して電源の配線を引き出しました。しかし、USBハブ内の回路により、信号はLAN用ハブの様に信号はつながらない事がテストで分かり、直接信号ラインを直接接続しましたが、ダメでした。


USBハブのコネクターを直接接続 (失敗)

この時点でUSBの接続に付いて細かく調べたところ、今まで知らなかった事が多くあることが解り、また、多くの方がネット上で紹介されていましたので、大変参考になりました。

ホストケーブルと呼ばれるUSBケーブルがある事や、Mini USB及びMicro USBのコネクターの端子は4本ではなく5本である事が解り、電源の+と-、信号線以外にIDと呼ばれる端子があって、この端子の処理方法で機能が変わる事も解り、さらにUSBコネクターの形状により接続が異なる事も解りました。


接続を確認する為にMicro USBのモールドを外したところ (黒い線がIDと-に)

通常のMicro USBコネクターではこのID端子がマイナス(-)端子と接続されていました。OPC-2350LUに入っているMini USBとMicro USBのコネクターも同様に5極で、ID端子はマイナスに接続されていました。

コネクターの接続変更が必要になり、仕方なくモールドを少しずつ外しました。注意しないと線材を切ってしまいそうですが、その場合は後でつなぎ直せば良いので、確認ができた後はカッターで樹脂を切り外しました。

ネットでさらに調べますと、ID端子とマイナス側の間に抵抗を入れると電源を供給しながらUSBも接続が出来る分かりました。抵抗値125kΩでプルダウンすると動作する改造例があったので、この方法にトライしました。

マイナスとID端子のハンダ付けを外し、抵抗を付ける為に線材を接続して動作を確認する事にしました。125kΩの抵抗が無かったので、3本の抵抗を使い、微調整のためにボリュームを付けて作成しました。


抵抗値を微調整する為にボリュームを取り付けた (124kΩ)

しかし、機器をセットし抵抗値を少し上下させてみたところ充電は行いますが、USBの認識がされず考えていたように接続されません。参考にした同じ資料の中に68kΩの接続もあると書かれていたため、抵抗値を下げて接続するとうまく電流が流れ、USBも認識されました。ID-51のダイアルを回すとレピータリストも短時間で変わる様になり、改造は成功しました。


USBの電流計(上列)を接続して電流を確認中

この改造で一番注意したのは、誤配線によるスマートフォンの破壊でした。電源の極性さえ間違わなければ故障はしないと思いますが、全ての確認を行っていませんので、この改造は自己責任で実施してください。

後で分かったことですが、市販のUSBハブで電圧供給タイプ品でも、動作するものと動作しないものがあり、これは抵抗値が違う事が原因かもしれません。

頭の体操 詰将棋

無線ガール奮闘記

  • 連載記事一覧
  • テクニカルコーナー一覧

お知らせ

発行元

発行元: 月刊FBニュース編集部
連絡先: info@fbnews.jp