2016年3月号
ニュース
JARD、旧スプリアス規格のアマチュア無線機の「実態調査」を開始、アマチュア無線家に協力を呼びかけ
一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会(JARD)は、今後の保証業務等の参考とすることを目的として、2月8日からJARL登録機種や初期のJARD技適機種(旧スプリアス規格の無線機)が、どの程度新スプリアス規格を満足するかの実態調査を開始した。広くアマチュア無線家に対象機種の提供(貸し出し)を求めている。
JARDが開設した「スプリアス実態調査」のWebサイト。対象となる無線機器のリストは随時更新される
総務省は平成17年12月1日に無線設備規則を改正し、無線機器の新スプリアス規格を定めた。この改正前に製造された無線機器は、移行措置として平成29年11月30日までに局免許を受けた場合は平成34年11月30日まで引き続き使えるが、平成29年12月1日以降は旧規格での開局や増設、変更ができず、新スプリアス規格を満たす必要がある。
こうした動きを受け、アマチュア局の保証業務を行っているJARDでは、今後の保証業務の参考とする目的で、2月8日から旧スプリアス規格で作られたアマチュア無線機から発射されるスプリアスが、新規格に適合しているか否かについての実態調査(実測)を開始した。
開始に先立ち、2月5日にJARDが発表した内容は次のとおり。
●JARDからのお知らせ
○2月8日(月) から旧スプリアス機器の実態調査を開始
・JARDでは、来る2月8日(月)から旧スプリアス規格のアマチュア無線機(JARL登録機種および旧技適機器に限定)について、今後、保証業務等の参考とすることを目的としてサンプルによる実態調査を実施することとしました。
・その方法は、広く一般のアマチュア無線家の皆様にご協力をいただき、対象の無線機をお借りし(運送料や測定費用のすべてをJARDが負担)、そのスプリアスが新規格に適合しているか否かについて実態調査(実測)を行うものです。
・実態調査は、数の多いハンディー機及びモービル機から優先的に実施します。
・実測した結果は、総務省に対し手続きが可能なデータシートをお付けして返却させていただきます。
・2月8日(月)の午前11時(予定)にJARDのホームページ上に、新たに「スプリアス実態調査」のご案内、対象機種および申し込みのページを開設しますので、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
○スプリアス経過措置
・このスプリアス規格の移行については、経過措置が二つ設けられております。
①平成29年11月末で期限を迎える経過措置(免許手続き)
・新スプリアス規格への適合が確認できない旧スプリアス規格の無線設備での開設・変更の手続きができなくなります。 ただし、使用期限は付きますが、同設備での再免許は可能です。
②平成34年11月末で期限を迎える経過措置(機器の使用)
・新スプリアス規格への適合が確認できない旧スプリアス規格の無線設備については、期限以降は使用することができなくなります。
・旧スプリアス規格の無線機を平成34年12月以降も継続して使用したい場合は、新スプリアス規格への適合を確認したうえで手続きを取る必要があります。
○アマチュア局の保証制度の活用
・平成27年9月に総務省から、旧スプリアス規格の無線設備への対応方法について以下の3つの方法が公表されております。
①新規格に適合した無線機器への取替え
②運用中の無線機器にフィルタを挿入するなど改修し新スプリアス規格へ適合させる
③運用中の無線機器を実測し新スプリアス規格への適合を確認する
・このほか、現在総務省において、この①から③の方法以外に、アマチュア局独自の保証制度を活用した、より簡便な方法の追加が検討されているところですので、その方法が示されれば、JARDとして対応して参りたいと思っております。
・また、自作機等でスプリアスの実測を希望される方への対応として、有料での実測サービスの提供について検討しております。
JARDは2月8日からスプリアス実態調査の専用Webサイトを設け、募集対象となるアマチュア無線機器(第一弾として3月末まではハンディ機、モービル機)のリストと、申し込み方法などの告知を行っている。JARDによると2月22日現在で300件の申し込みがあったという。今後は4月以降にHFなどの固定機の募集を行う予定となっている。
JARDの「スプリアス実態調査」のWebサイトに掲載された、対象機種リストの例
詳細は下記のWebサイトを参照するか、JARD保証事業センターへ問い合わせのこと。
・問い合わせ先:
JARD保証事業センター
電話 03-3910-7263(平日のみ午前9時30分~午後6時)
https://www.jard.or.jp/hosho/contents/sp-survey-1.html