2016年3月号
連載記事
第12話 あーちゃんたちのファイナル・チャレンジ!! ~後編~
雪にはまって動けなくなってしまったあーちゃん。自力では脱出できそうにありません。
あ「誰か助けて・・・」
周りを見渡してみますが、コースアウトしてしまったせいで周囲に人の姿は見当たりません。あーちゃんは途方にくれました。
その時です。
エ「JP3KGT、こちらはJP3JZK。あーちゃん、変な音がしたけど大丈夫?」
ID-51からエリーの声が聞こえてきました!
転んだ拍子にあーちゃんは雪まみれになっていましたが、防水性に優れた無線機は幸い故障していませんでした。首元にハンドマイクをつけておいたおかげで、PTTボタンもすぐに押すことができました。
あ「JP3JZK、こちらはJP3KGT。転倒して動けなくなっちゃった(ToT)」
エ「ええ~?!大丈夫?!ケガはない?!」
あ「うん、大丈夫。でもお尻が雪にはまって身動きが取れないんだ・・・」
エ「ならサミーに助けてもらわないと!」
あ「でもサミーとMasaco先輩がどこにいるか分からないし」
エ「無線を使うべき時はいつか?それは・・・今でしょ!!」
あ「それちょっと古いよ(笑)」
少し元気になったあーちゃん。
レピータを使ったゲート越えから、シンプレックスに切り替えました。あらかじめ決めてあった周波数をセットし、サミーを呼びました。サミーがワッチしてくれているのを祈ります。
一方その頃、Masaco先輩とサミーはスキーの練習を続けていました。
M「サミー、あーちゃんが呼んでるみたいよ」
スピーカーからの声にふたりは耳を澄ましました。
あ「JP3KMI、こちらはJP3KGT。応答お願いします。JP3KMI、こちらは・・・」
サ「JP3KGT、こちらはJP3KMI。あーちゃん、何かあった?」
あ「サミ~~~!!! Help me!!!」
あーちゃんは自分の状況をサミーに説明しました。
サ「Oh!! それは大変!! 場所はどこ?」
あ「場所は・・・あたり一面真っ白でよく分からない」
サ「じゃぁGPSの位置情報を私に送ってくれる?すぐに助けに行くから!」
あ「サミー・・・。やっぱり持つべきものはトモダチだね・・・(T_T)」
サ「Hurry up!!!」
あ「オ、Oh, yeah・・・」
あーちゃんは急いでサミーに自分の位置情報を送りました。
Masaco先輩はリフト乗り場で待機することになりました。
M「サミー、あーちゃんのこと頼んだわね」
サ「もちろん!必ずふたりで戻ってきます!」
M「あーちゃんとサミーがちゃんと帰ってきますように・・・」
エ「あーちゃん、無事でいてね・・・」
あーちゃんはサミーの救助をひたすら待ち続けました。長い間雪に埋もれているせいで、お尻がヒリヒリしてきました。
あ「サミー、まだかなぁ・・・。もしかして迷ってるのかなぁ」
もう一度、位置情報を送ろうとした時でした。
サ「あーちゃーーーん!!!」
サミーの声が聞こえてきました。
あ「サミー!ここだよ~!!!」
サミーによく見えるように、あーちゃんは大きく手を振りました。
そしてついに・・・!