2016年11月号
連載記事
FB Girlsが行く!! ~元気娘がアマチュア無線を体験~
<第3話>元気娘、秋の休日を楽しむ!!(後編)
●FB Girlsのクラブコールで「XPOコンテスト」に初参戦!!
翌日です。Masaco先輩がみんなの部屋をノックして起こしました。
Masaco先輩「おはよー、起きて!」
レイ「先輩、早い~」
ユウ「まだ6時ですよ~。あと2時間!」
Masaco先輩「ダメダメ。XPOコンテストはもう始まっているのよ~!」
そう、今日の「第46回XPO記念コンテスト」(JARL関西地方本部主催)は、朝6時から始まって夕方の18時までが開催タイム。IC-7300Mのスイッチを入れたら、もうあちこちで「CQコンテスト」の声が聞こえています。
眠い目を擦りながら、お揃いのTシャツに着替えたところでコンテストの作戦会議です。
ミー「ええっと、コンテストって、なあに…?」
Masaco先輩「決められた時間内に、どれだけ多くの局や地域と交信できるかを競う、無線の競技会みたいなものなの」
エリー「そうそう、信号リポートと自分のいる都道府県の番号を送り合うんだよ。ここは三重県だから21ね」
レイ「そうなんだ~。私も知らなかった!」
ユウ「名前とか、お天気とかは話さないの?」
あーちゃん「コンテストでは話さないわね~。“5921どうぞ”でオシマイよ」
ユウ「なんだ、簡単ね。それならサクサクやっちゃお!」
Masaco先輩「交信したら、この特製ログシートに書き込んでね」
全員「はーい!」
最初にマイクを持ったのは3アマのあーちゃん。IC-7300Mで7MHz帯を受信しましたが、朝からかなり混雑しているようです。スペクトラムスコープを使って、空いている周波数を探し出し、“CQコンテスト”を出し始めました。
「CQ XPOコンテスト、こちらはJL3ZGLポータブル2…」
最初はなかなか応答がありませんでしたが、何度かCQを出していると呼ばれるようになりました。
あーちゃん「JM3***、こちらから5921、三重県です、どうぞ」「…ありがとうございました。QRZ、こちらはJL3ZGLポータブル2」
呼んでくれる局が増えてきて、CQを出し続けなくてもよくなったところで、Masaco先輩にチェンジ!
Masaco先輩「引き続きお願いします、こちらはJL3ZGLポータブル2」
よく通る声でテキパキと応答するMasaco先輩、ますますパイルアップが増えてきました。中には歌手のMasacoさんだと気付いて「Masacoさんですか、頑張ってください!」と声援を送ってくれる局もありました。
続いては4アマ新人のミー、ユウ、レイがIC-7300Sで運用します。CQを出して呼ばれ続けるのは大変なので、ダイヤルを回して強力に聞こえている局を呼び回る作戦を取りました。
ミー「JL3ZGLポータブル2! ・・・ああ、取ってもらえない…」
ユウ「5921、にじゅういち! ふたひと!! 三重県です、どうぞ~!!」
レイ「こちらはジュリエット・リマ・スリー、3エリアのポータブル2です!」
混信やパイルアップに負けたり、“3エリアのクラブ局の2エリア移動局”というのが分かりづらかったりで、3人が伝えるのに苦心する場面もありました。それでも1人あたり5~10局ぐらいと交信できました。
ユウは「簡単だー♪ と思っていたら、コールサインとナンバーを正しく伝えるのって、かなり難しいんですね…」という感想でしたが、たぶんほかの2人もそう思ったのではないでしょうか。
さてさて、最後はエリーです。7月の3アマ受験勉強のときから、密かにしてきた“モールス特訓”を生かして、7MHz帯のCWに出てみることになりました!
…と言っても、自分でCQを出して呼ばれ続けるのをさばいていくのは大変なので、今回は呼びに回ります。IC-7300Mにパソコンを接続、コンテスト用ログソフトに「JL3ZGL/2」「59921」など、使いそうな電文をプリセットしておき、それを送信することにしました。
作戦はこうです。まず「CQ XPO TEST」を出している局を探します。その局のコールサインと、呼んできた局へ送っているコンテストナンバーをしばらく聞き取り、間違いのないことを確認してから、おもむろにその局の“CQ”に応答するという超安全スタイルです。
みんなが注目する中、相手局のコールサインとナンバーを書き取り、次の“CQ”が出たところでパソコンのファンクションキーを押します!
相手局「CQ XPO TEST DE JA4*** JA4*** TEST」
エリー「JL3ZGL/2」
相手局「JL3ZGL/2 59935」
エリー「59921」
相手局「TU DE JA4*** TEST」
無事にナンバー交換ができました!
Masaco先輩「うまい! メチャうまく行ったねえ~。感心するわ!」
あーちゃん「すっごい、できたね~!」
エリー「えへへ、送信はボタン押すだけだったし…」
エリーにとって、これがとても自信になったようです。いままでは山の上からハンディトランシーバーでコンテストに参加することが多かったエリーですが、もしかすると今後はCWモードでの参加が増えるかもしれません!?
こんな感じで、お昼過ぎまで別荘からXPOコンテストを楽しみました。みんなとてもよい経験ができたようです。「来年は本気でやって、コンテストで入賞したいね~」なんて感想がメンバーからありましたから、きっとまたコンテストシーズンに「JL3ZGL」の電波が聞こえると思います。
「FB Girlsが行く!」、これからもガールズの活動があったときに紹介して行きますね。お楽しみに♪
(第3話 後編 おわり)
※記事中に登場する交信は実際のものとは異なります。記事内容は事実を基にしたフィクションです。