2014年1月号
ニュース
アイコムアマチュア無線フェスティバル in ならやま
12月7日(土)、奈良市にあるアイコム株式会社の研究施設「ならやま研究所」にて、「アイコムアマチュア無線フェスティバル in ならやま」が開催され、地元3エリアの他、遠路1、2、4、6、9、0の各エリアから多数のハムが来場した。
今回のイベントの目玉である51m高のクランクアップタワー(LUSO51 MAGNUM)に載った3.5M/3.8Mフルサイズ3エレ八木と、7Mフルサイズ4エレ八木2スタックは圧巻で、同規模のアンテナは国内にはほとんどないため、参加者からはため息が漏れていた。また、クランクアップアップタワーは高速で動作し、わずか50秒ほどでフルアップの状態になる。さらにタワー基部に設置されたローテーターの回転も含め、操作音は非常に静かで夜間の操作でも騒音はほとんど無いと思われる。
ならやま研究所のアンテナ群 中央がLUSO51 MAGNUM
その他、同社の実験施設であるリモートシャックの公開があった。この施設は、主に同社会長であるJA3FA井上氏が自ら、同社が開発した無線機遠隔操作用ソフトウェア(RS-BA1)や、HF最高級トランシーバー(IC-7800)、リニアアンプ(IC-PW1)などの動作テストを行うためのもので、全て外部から制御できるため、通常は無人設備となっている。
敷地内にあるリモートシャック
研究棟内の会議室で行われた講演は、午前中にスーパーテクノ(株)による「LUSO51 MAGNUM」の技術講演が行われ、用意された座席は満席、さらに立ち見も含めて会議室は満室となり、隣室でのTV中継で講演を聴いた参加者も少なくなかった。実際に現地に現物タワーがあるため、実感のわく講演内容となった。
「LUSO51 MAGNUM」の技術講演
午後には、「アイコム製品の50年を語る」と題した関係者による座談会が行われ、こちらも座席は満席、立ち見も含めて会議室は満室となった。この座談会には同社会長のJA3FA井上氏や、同社エンジニアを代表してJA3FMP櫻井氏らが参加し、アマチュア無線機開発における様々なエピソードを含め、熱い思いが語られ、同社の製品開発に対する揺るぎない姿勢が感じられた。
「アイコム製品の50年を語る」座談会
屋内の展示コーナーには3ブースが用意され、まずHFサポートコーナーでは、同社Iuseスタッフによる技術相談やHF機の操作説明の他、最近バージョンアップしたIC-7800の新機能についての説明が行われた。次に、D-STARサポートコーナーでは、主力D-STAR機の操作説明や相談、レピーターリストの最新版への更新サービスが行われた。最後にJT65解説コーナーでは、同社が開発中のソフトによるJT65モードのデモンストレーションや、JT65モードの説明が行われた。一方、屋外では、今回の新タワー/アンテナの建設に関わったスーパーテクノ(株)、ならびに(株)ワカマツがブース出展し、参加者からの質問に答えたり、相談に応じたりした。
最後に、アイコムならやまハムクラブ(JK3ZNB)のシャックにて、EME(月面反射通信)のデモンストレーション運用が行われ、1200MHzのCWモードによるセルフエコー(月に向けて電波を発射し、月で反射して2.5秒後に自局に返ってくる信号)の受信実演や、JT65モードによる実通信が行われた。
直径4.5mの1200MHz EME用パラボラアンテナ