2014年1月号

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東海総合通信局の規正用無線局とJARLガイダンス局の連携運用(合同運用)

11月28日(木)、名古屋市熱田区にある学校法人電波学園・名古屋工学院専門学校にて、東海総合通信局とJARLが協力して、アマチュアバンド内における違反運用の是正を目的とした連携運用(合同運用)が行われた。今回の連携運用は、総務省本省ならびに全国に11ある総合通信局から担当職員の視察があり、さらにJARL側も連盟本部から職員の視察があるなど、過去に例のない規模の運用となった。


運用が行われた学校法人電波学園・名古屋工学院専門学校1号館。


屋上のタワーに設置されたアンテナ群。D-STARのアシスト局用アンテナも見える。

当日は、朝10時から、まず関係者の挨拶、参加者の自己紹介などが行われた後、運用が始まり、途中昼休みを挟んで16時までの約5時間、主に430MHz帯のアマチュアバンド内で行われていた違反運用に対して注意や指導を行った。


挨拶を行うJA2ANM宇野JARL東海地方本部監査長(中央)。

運用方法は、まず、JARLのガイダンス局(呼出符号: あまちゅあがいだんす2)がバンドワッチを行って、周波数の使用区別に違反した運用や、コールサインを送出しない運用を確認した場合、ルールを守るように(自動音声による)アナウンスを行った。ほとんどの違反運用者はこの時点でQSYしたり停波したりしてアナウンスに従ったが、数回のアナウンスにも従わない一部の違反運用者に対しては、JARLから東海総合通信局に規正用無線局運用の依頼を行なった。


連携運用の様子。左がガイダンス局、右が規正用無線局。

JARLからの依頼を受けた東海総合通信局の規正用無線局(呼出符号: でんかんきせいなごや かはん80)は、当該運用者に対して、厳しい口調で直ちに停波するように指導を行った。指導に従わない違反運用者に対しては、従うまで繰り返し送出を行った。

(参考)
ガイダンス局:アマチュア局に対して、電波により適正な運用を確保するためメッセージを送出し周知を行うJARLの無線局
規正用無線局:ルールに違反している無線局に対して、直接違反運用を即時に止めるように指導するために開設された国の無線局

なお、規正用無線局側ではDEURASを使用し、違反運用者の送信地点がパソコン画面上で特定でき、車両に搭載した無線機で送信している場合でも、どの道路をどの方向に走行中かまで分かるようになっている。


DEURASを使って違反運用者の送信地点を特定。

今回の連携運用でガイダンス局が送信した回数が80回、そのうち違反運用者がアナウンスに従わなかったため、規正用無線局が対応し送信した回数が15回となった。今回も東海総合通信局とJARLの連携がしっかりとできており、その結果スムーズな連携運用により成果が上がった。


今回の運用で使用されたアンテナ。
左が規正用無線局用(中央左のホイップ)、右がガイダンス局用(中央右の白いGP)。

下記は2013年6月号に掲載の記事の再掲になるが、東海総合通信局の担当官によると、違法・不法運用の申告は、混信・妨害の申告なども併せて、東海管内で年間400件ほどある。通報手段はほとんどが電話で、残りがEメールか文書とのこと。申告にあたっては80条報告という形式にはこだわらないので、特にアマチュア無線家の方は情報をお持ちの方が多く、ぜひ情報提供をお願いしたいとこと。

なお、少人数で対応しているため、警察のように連絡があったらすぐに対応できるといった状況ではないが、電話で情報提供していただいた案件に関しては、必ず状況や結果を申告者に電話で報告しているとのことだった。連絡の際には、正確な情報の提供をお願いしたいとのこと。

・混信・妨害の原因者(車両のナンバー、会社名等)
・申告者の住所、氏名、電話番号、コールサインなど
・混信・妨害の発生年月日、時間、場所等
・無線局の種別(アマチュア局など)
・電波の型式と周波数
・混信・妨害の具体的な状況
・その他参考となるもの

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