2016年2月号

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テクニカルコーナー

IC-7300の移動に便利なケースの製作

JK3AZL 高岡奈瑞

HFが楽しくなる新製品IC-7300が発売されました。各地の視聴会や展示会にIC-7300を持ち歩くためのケースを作成しましたが、ケースについての問い合わせが多かったので、FBニュースの誌面をお借りして製作方法をご紹介します。

ケース製作(初級編)

まずは初級編として、面倒な採寸や型紙がいらない製作方法をご紹介します。
今回はケースにTRUSCOプロテクターツールケースを利用しました。ハードケースとしては気密性や防水性/耐衝撃性などが高いペリカンケースが有名ですが、価格が高いため、今回は購入しやすい価格のTRUSCOプロテクターツールケースを採用しました。もちろんTRUSCOプロテクターツールケースも耐久性/密閉性のある樹脂製ケースなので、精密機器の保管や移送に便利です。またケースには波形の軟質ウレタンと切れ目の入った硬質ウレタンがセットされており、加工も簡単です。


TRUSCOプロテクターツールケース(TAK-13L)


付属の切れ目の入ったウレタンは加工が可能。
加工に失敗してもウレタンセットだけ購入できるので安心。

製作に使った道具
●TRUSCOプロテクターツールケース(型番:TAK-13L、ウレタン付属)
●カッター(文具用などの細身のもので、新しい刃の方が緩衝材を加工しやすい)
●下敷き(カッターで傷をつけないための下に敷く厚手のもの。厚めの段ボールでも可)
●定規(30cm程度の長さのもの)
●筆記用具(マジックなど)

まずはケース内のレイアウトを決めます。位置を決める場合は、突起部分(IC-7300の場合はファンとメインダイヤル)を考慮しておきます。


ケースの中にIC-7300を置き、レイアウトを決める。

レイアウトが決まれば、まず突起物を除く本体サイズに合わせて四角形にブロックをくりぬきます。


メインダイヤルやファンなどの突起部分の加工はこのあと行う。

次に本体側の波形ウレタンを用意します。
ケースの中に波面を下にして入れ、その上に上で加工したウレタンとIC-7300を入れます。しばらく置いた後にウレタンとIC-7300を取り除くとリグの脚の跡がつくので、跡が消える前にマジックなどで印をつけ、脚の部分を四角く切り抜きます。切り抜いたウレタンは上下を入れ換えて埋め戻します。


脚の部分を切り取り、埋め戻した様子。

次にダイヤルやファン、ツマミなどの突起部分に合わせてブロックを取り除きます。1枚目のウレタンの加工が済んだら、2枚目のウレタンも同じ形に加工しておきます。


ブロックに切れ目が入っているので、突起部分の加工も簡単。


2枚目のウレタンを1枚目と同じ形にくりぬいておく。

次に2枚目の加工を行います。1枚目と同様に、ファンやメインダイヤル以外の突起部分のブロックを取り除きます。


2枚目のブロックを加工した様子。

2枚目のブロックの加工が終われば、余ったスペースのブロックを長方形に取り除き、マイクなどが入るスペースにします。


小物入れの加工ができたら完成。

初級編製作ケースの問題点

初級編は短時間で簡単に製作できる一方、何度も無線機の出し入れを繰り返すとウレタンのブロック部分が外れることもあり、その際にはテープ等で補修が必要になります。またブロック単位で加工するので細かい部分のフィット感が満足できない、などの不満も出てきます。
そこで次に、もう少し手間をかけた製作方法をご紹介します。

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