2016年2月号
テクニカルコーナー
IC-7300の移動に便利なケースの製作
JK3AZL 高岡奈瑞
ケース製作(中級編)
初級編と同じTRUSCO プロテクターツールケースを使いますが、付属の切り目が入ったウレタンの代わりにID-51&タブレットの移動運用に便利なケースの製作と同様、発泡ポリエチレンシートを使います。
発泡ポリエチレンシート。ホームセンターや通販サイトで購入できる。
製作に使った道具
●TRUSCOプロテクターツールケース(型番:TAK-13L、付属の波形ウレタンのみ使用)
●発泡ポリエチレンシート(厚み10mmを使用、型番:A8-101BK、通販で税別2,700円程度)
●カッター(文具用などの細身のもので、新しい刃の方が緩衝材を加工しやすい)
●下敷き(カッターで傷をつけないための下に敷く厚手のもの。厚めの段ボールでも可)
●定規(30cm程度の長さのもの)
●型紙用の厚紙 1枚(カレンダーなど)
●筆記用具(マジック、鉛筆)
●仮止め用テープ(マスキングテープなど)
まずはケースの内寸に合わせて型紙を切ります。TRUSCO プロテクターツールケースはコーナーに丸みがあるため、型紙のコーナー部分は二辺が10mm程度の三角形にカットしておきます。
ここで実際にケースに入るのか?切った紙をケースの中に入れて確認します。
ケース底に波形ウレタン(注1)を入れ、その上に型紙を置く。
このサイズで大丈夫そうだ。
(注1)TRUSCO プロテクターツールケースはコーナーに丸みがあるため、底面には変形するウレタン素材を使った方がフィットさせやすい。
次に型紙の左端から15mm離れた位置に突起物(この場合はファン)の先端が来るようにIC-7300を置き、鉛筆でIC-7300本体+ファン+メインダイヤルなどの外周を少し大きめにトレースします。
写真ではわかりにくいが、左のファンは型紙の端から15mmの位置にある。
IC-7300を取り除き、トレースした線(この状態では曲線が多い)をカッターで切りやすいよう直線化します。余った空白部分は小物入れになるよう、メインダイヤルから15mm、上下右から20mmの余白を残して線を引き、カッターやはさみを使ってカットします。
型紙が正しく加工できているか確認。大丈夫そうだ。
型紙ができたら、1枚目の発泡ポリエチレンシートを型紙に合わせて加工します。
その後ケースに付属の波形ウレタンを入れ、その上に加工した発泡ポリエチレンシートとIC-7300を入れて、初級編と同じようにIC-7300の脚の部分を加工します。
1枚目の発泡ポリエチレンシートと波形ウレタンを加工した状態。
上記に型紙を重ねてIC-7300を置き、1枚目にはなかった突起部分(この場合は音量ツマミとANTコネクター)を型紙に書き足して切り抜き、次の発泡ポリエチレンシートを加工します。
1枚目にはなかった突起部分を型紙に書き足す
上記を繰り返し、ケース内の緩衝材を完成させます。
波形ウレタンと発泡ポリエチレンシートを重ねた様子。
IC-7300と電源ケーブル、マイクがぴったり入った様子。
IC-7300にオプションのキャリングハンドルをつける場合や無線機をケースから取り出しにくいと感じる場合は、必要に応じ発泡ポリエチレンシートの加工を追加します。
製作番外編1
初級編および中級編でケースの緩衝材を加工しましたが、インクジェットプリンターでステッカーを作成すると、さらにオリジナル感が高まります。
製作に使った道具
●A-ONE 手作りステッカー メタリックシルバータイプはがきサイズ(通販で税別450円程度)
Wordなどのソフトで、コールサインや好みのマークをレイアウトし、手作りステッカーを作ります。なおエーワンホームページでは、簡単に印刷できる無料の印刷ソフト&テンプレートも入手できるようです。
ステッカーを貼り付けた様子。かなりオリジナル感が出ます。
製作番外編2
緩衝材の加工時、廃棄部分が大量に発生します。捨てるとただのゴミですが、ウレタンは家具やクッションなどの素材としても使えるので、洗濯ネットなどにギューギュー詰め込んでカバーを被せると、立派なクッションとしてリサイクルできます。
不要なウレタンをクッションにした様子。
ケース3つ分のウレタン加工で大型クッションができた。
最後に
今回はIC-7300を持ち運ぶ場合の簡易ケースとして製作しました。『ケース製作(中級編)』を応用すれば、物置の奥に眠っているスーツケースをIC-7300や電源の運搬用ケースとして蘇らせることができるかもしれません。
IC-7300と自作のケースで、今後さらにアクティブで楽しいハムライフになることを願っています。
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。