2016年2月号
連載記事
第11話 あーちゃんたちのファイナル・チャレンジ!! ~前編~
読者のみなさんは、冬と言えば何を連想しますか?
あたたかい温泉、あっつ~いお鍋、ぽかぽかのコタツとみかん・・・。
サミー (以下、サ)「冬といえば、真っ白なゲレンデでしょ☆」
あーちゃん (以下、あ)「雪山をピュ~っと滑りたいね~♪」
エリー (以下、エ)「夕方に見える一番星は最高♡」
あーちゃんたちにとって、冬といえばウィンタースポーツ!3人は、雪山に遊びに行きたくてうずうずしています。
サ「Masaco先輩も一緒にいかがですか?」
Masaco先輩 (以下、M)「そういえば、スキー場では無線機がすごく便利って知人に聞いたことがあるわね」
エ「じゃあ、早速検証に行きましょう!」
M「行きたい気持ちは山々なんだけど・・・あんまり得意じゃないの(^_^;)」
あ「大丈夫ですよぉ、私も初心者ですから!初心者同士、初心者なりに楽しみましょう♪」
エ「え、あーちゃんも初心者だったの?」
M「う~ん。あーちゃんがそこまで言うなら、チャレンジしちゃおっかな (*^^*)」
あ「わーいっっ\(^o^)/」
サ(Masaco先輩はともかく・・・。あーちゃん、大丈夫かな・・・)
若干の不安要素はありますが・・・
みんなでID-51を持って、雪山へ出かけることになりました!!
当日、Masaco先輩はマネージャーの車で来ることになりました。あーちゃんたちとは道中の高速SAで合流することになっています。
M「JP3KMI、こちらはJH1CBX。サミー、約束のSAに着いたわよ~♪」
Masaco先輩はあらかじめ決めておいた周波数で、サミーを呼びました。
サ「JH1CBX、こちらはJP3KMI。Masaco先輩、私たちはもうすぐ到着します」
M「じゃぁ、建物の東側のスペースで落ち合いましょう」
あ「JH1CBX、こちらはJP3KGT。SAに到着しました。今探しているんですが、どんな格好ですか?」
M「黒いダウンコートに赤いマフラーが目印よ^^」
サ「あっ、Masaco先輩発見!!」
無線機で連絡を取ったので、3人は簡単に合流することができました。合流後は2台の車で一緒にスキー場に向かいます!
あ「JH1CBX、こちらはJP3KGT。今朝は早起きしたのですごく眠たいです。Masaco先輩は何時起きでしたか?」
M「JP3KGT、こちらはJH1CBX。今朝は・・・実はドキドキしてぜんぜん眠れなかったの!」
サ「JH1CBX、こちらはJP3KMI。Masaco先輩、大丈夫ですか?><」
M「意外と大丈夫!超元気☆」
あ「あまり無理はなさらないでくださいね」
別々の車でも、全員が同時に受信できるアマチュア無線機を使えば、みんなで同じ車内にいるかのように快適に会話が楽しめます。
M「エリーが参加できなくて本当に残念ね」
エリーはその日、風邪でダウンしてしまい、自宅でお留守番となってしまったのでした。
あ「本人も残念がっていました」
サ「ゲレンデについたらレピータから呼ぶ約束をしてるんです」
あ「滑りながら実況中継しようと思ってます!(^○^)」
3人で会話を楽しんでいるうちに目的地に到着しました。
サ「まずは着替えだね☆」
M「へんし~ん!」
あ「じゃーん!!!」
それぞれお気に入りのウェアに着替えました。これで準備はバッチリです。
サ「Masaco先輩、ゲレンデで一番目立っちゃいますね!」
M「気付いたらド派手になっちゃってた(笑)」
ちなみに初心者のあーちゃんとMasaco先輩はウェアと板をレンタルしたのでした。
ロープウェイに乗って、山の上にあるスキー場を目指します。
M「キレイな眺めね (*^^*)」
あ「そ、そうですね・・・」
サ「もしかしてあーちゃん、今頃になって緊張してる?(笑)」
ついに3人はゲレンデに降り立ちました!
M「ふたりとも、無線機のセッティングはOK?」
あサ「バッチリです!」
あーちゃんたちは無線機本体をポケットにいれました。チャックを締めて落ちないようにします。無線機にはスピーカーマイクを繋ぎ、ウェアの襟元に取り付けました。そうすれば、通話のたびにいちいち本体をポケットから取り出さなくてもいいのでたいへん便利です。
3人で周波数を合わせたあとは、ロックをかけておくことで、転んだりした拍子でボタンが押されてしまっても設定を保つことができます。
四苦八苦しながらも板の装着に成功した初心者ふたり。それを見守るベテランひとり。
サ「ではではLet’s go!!」
意気揚々と滑り出しました!!
M「あ、意外と滑れる!見てみて、わたし、滑れてるわよ~\(^○^)/」
あ「おお!Masaco先輩、すご~い!いい感じですよ!(^^)」
サ「わわわ、ちゃんと前みてくださ・・・」
あ「マ、Masacoせんぱーーーーーーい!!!!! Σ(゚д゚ )」
サ「Oh, no!! わたしMasaco先輩を助けに行ってくるね!!」
サミーはボードで颯爽とMasaco先輩のもとに滑り降りました。
Masaco先輩はサミーに無事助け起こされました。それから、しばらくサミーからのレクチャーを受けることになりました。
あーちゃんはひとりになってしまいました。
あ「別にいいもん、エリーとお話しするし・・・」
あーちゃんはID-51のロックを一旦解除してDR機能をオンにし、現地の最寄レピータからゲート越えでエリーを呼び出しました。D-STARのシステムは、呼び出す相手局が最後にアクセスしたレピータに自動的につないでくれるため、今回はエリーの自宅の最寄レピータに自動的につないでくれます。
万一、エリーが自宅にいなくても、エリーが最後にアクセスしたレピータにつないでくれますので、手間がかかりません。
あ「JP3JZK、こちらはJP3KGT。聞こえていましたら応答お願いします」
ほんの少しの間を置いて、
エ「JP3KGT、こちらはJP3JZK。よく聞こえていますよ!」
エリーから応答がありました。
あーちゃんは、今日の出来事をエリーに報告しました。
エ「ところであーちゃん、そっちはもしかして風が強いの?」
あ「ううん、穏やかな天候だよ」
エ「そうなの?さっきから風がぴゅーぴゅー鳴る音が聞こえるけど」
あ「それは滑りながら喋ってるからだよ(笑)」
エ「ちょっと、危ないよ、あーちゃん!」
まさにその時でした。目の前で人が転びました。あーちゃんはそれを避けようとして、急激に方向転換をしました。ところが思ったようにボードは進んでくれず・・・
あ「あ~~~れ~~~!!!」
大きくコースアウトしてしまいました!
あ「いたたたた・・・」
あーちゃんはどうにか立ち上がろうとしましたが・・・。
あ「あれっ?!どうしよう、お尻が雪にはまって抜けない!!」
雪はずっしりと重く、あーちゃんをその場から動かすまいとしているようでした。
あ「誰か助けて・・・」
あーちゃんの声は真っ白な雪の中に吸い込まれていきました。
次回・・・
あーちゃんはどうなってしまうの?!次回、奮闘記は最終回。乞うご期待!