新製品インプレッション
HF+50MHz <SSB/CW/RTTY/AM/FM> トランシーバー
IC-7300MK2 (アイコム株式会社)
2026年2月16日掲載

入手した50WタイプのIC-7300MK2M
昨年のハムフェアで発表されたIC-7300MK2。前モデルのIC-7300は革新的なRFダイレクトサンプリング方式を採用し、これまでの販売台数が全世界で累計10万台を突破しました。ハムフェアで新モデルの展示を見た時に「次のHF移動運用のメイン機はこれ!」と決めて、発売開始アナウンスが出された直後に予約をして一番乗りとはいきませんでしたが、比較的早い時期に入手することができました。
2016年に発売された直後から使ってきたIC-7300が手元にありますので入手したIC-7300MK2と比較することにしました。ワクワクしながらダンボール箱を開けて本体を取り出し電源ケーブルを取り付けます。
電源を入れるとPOWERボタンのランプが青く光るのが、はじめに気が付いたIC-7300(以後旧機と書きます)との違いです。しかし正面操作パネルは全くと言っていいほど旧機と同じです。IPS液晶タッチパネルに表示される文字が少し変わっており落ち着いた感じのものに変わっています。フォントは設定で違うタイプに変更することができます。電源ランプと型式の表示以外は旧機と同じ顔となっているので、おそらく興味のない人には新しい機種に変わったことは気づかれにくいと思われます。何かと家庭内に事情がある旧機のユーザー諸兄には好都合なのではないでしょうか(笑)。

新旧2台を比べてみました
初めに簡単なテストとして両機を重ね置き、アンテナ未接続の状態で双方の電源を投入して無線機の内部雑音を簡易的に比較します。両方のAFつまみを12時の位置に合わせ、各バンドでノイズを聞き比べます。結果それほど極端ではありませんが明らかにIC-7300MK2の方が静かに感じます。ツマミは目分量ですし、計測は聴感ですから正確ではありませんが、2~5dB程度ノイズが低減しているのではないかと感じます。これでゲイン設定が両機とも同じで飽和する信号強度も同じだとすれば、静かになった分ダイナミックレンジが広くなったと言えるのではないでしょうか。
次に受信時の消費電流を比較します。カタログでは旧機では0.9Aだったのが0.7Aまで低減したとの事です。使用した安定化電源パネルの32Aスケールの電流計しかないので見づらいのですが、比べてみると針一本分電流が低くなっていることがわかります。0.2Aの低減ですが蓄電池を使っての移動運用などでは受信している時間が長ければ長いほど消費電力の差が広がり電池の運用可能時間が延ばすことになりますし、リグ内部の温度上昇も少なくなりより過酷な環境でも安定した運用に寄与します。

受信時消費電流比較(上: IC-7300、下: IC-7300MK2)
あれこれ設定などを見ていると細かいところで細かな変更点を見つけました。SSB(SSB-D)の送信帯域幅の下端設定が旧機では「100、200、300、500(Hz)」となっていたのが、今回は「100、120、150、200、300、500(Hz)」とより細かい設定できるようになっています。
IC-7300MK2の特徴の1つであるCWデコード機能ですが、実際に試してみたところこれはかなり優秀だと印象をもちました。デコードのデフォルト設定はAUTOモードですが、ユーザーが設定することができる項目も豊富です。今回はAUTOのみで試しましたが、それでもかなり正確にデコードできています。

CWデコード機能の選択画面
CWモードでディスプレイの下のメニューキーを押しメニュー画面から選択画面を呼び出しCW DECODEにします。CQが出ていたので受信してみました。この時はコンデションが安定していて受信状態が良かった事もあるのでしょう、下画像のように全くミスなくデコードができています。また混信がある状態ではこれまでに私が使ったCWデコード機能を持った他社機と比べて良い印象を持ちました。これはデコード機能が優秀であることと本機の受信性能が良い点からも良好な結果が得られたのだと考えています。

実際に受信した表示
先のKEYER/CW DECODE選択でKEYERを選んでも受信した文字を少しではありますが表示してくれます。こんなところに設計者の心づかいを感じました。

「KEYER」文字前部に注目
世界初? となる和文デコード機能も試してみます。和文を使っている局の中には長短点比率が3:1から大きく外れたクセのある信号も多い印象です。当然ですがそういった信号は上手くデコードできません。わずかな信号の間隔の違いで表示ミスをしてしまう事が多いのです。しかしそこは日本語ですから前後の文字を見れば大体どう表示ミスしているかわかりますので十分実用になると感じました。きれいな符号を受信していればさらに実用的であることは間違いありません。

和文をデコード
上記画像はAUTOで実際に受信した画像です。多少ミスしているところがありますが、おそらく「思っています また144(144MHz)の方でもぜひお会いしたいですね 楽しみにしています ではまたお願います」という風に内容が良くわかります。これは十分に実用的なデコード能力ではないでしょうか。
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