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PHONEで楽しむQRP通信

第10回 3エリア大阪府でハムライフを満喫する

JE1ECF 斎藤毅

2024年4月15日掲載

1. 阪堺電気軌道でのQRP懇親会

(1) 貸切電車の会社選定
昨年は都電荒川線(東京さくらトラム)でQRP懇親会を開催しましたが、その第2弾として今度は3エリア大阪府でQRPな小さな電車を貸し切ってQRP懇親会を開催したいと考えていました。そんな折、検索していると阪堺電気軌道(以下、阪堺電車とします。)が目に留まりました。

都電では飲食不可、トイレ休憩なしというものでしたが、阪堺電車では飲食可、トイレ休憩ありというものでした。(都電は遠足等の団体向けの足として公共交通機関としての利用を目的とし、阪堺電車は宴会、パーティを目的とし、使用目的の違いから飲食とトイレ休憩の設定の有無があるのではないでしょうか。)

ということで今回のQRPな小さな電車は阪堺電車に決めました。阪堺電車の貸切電車は地元では結構有名なもので、開催当日も貸切電車同士のすれ違いも目にしました。その昔はレーザーディスクカラオケを備えてつけて走行していたようですが現在は大人の事情? で廃止されているとのことです。


貸切電車


路線案内看板


(2) 開催までの準備
まず、開催時期を決め阪堺電車へ連絡をします。開催日から逆算して、貸切申込を行います。(申し込みは利用日の3か月前の月初から受付とのこと)

申込時にあらかじめ考えていた行路を申し伝えます。今回は3エリアのオタクの聖地・恵美須町から浜寺駅前で折り返し、天王寺駅前へ向かう行路としました。飲食物は持ち込み可となっていますが、今回はドリンク(アルコール350ml缶)を合わせて注文しました。

今回も電車にはヘッドマークを掲出することから開催日までに制作することにしました。大きさはA4版を9枚程度貼り合わせたものより一回り小さいサイズです。材質が紙の場合はラミネート処理が必須ということで、家庭でラミネート加工が可能なA4判がベースとなりました。また、参加者向けにしおりを作成し、Eメールでお送りしました。


行路表


恵美須町停留所案内


ヘッドマーク制作資料


貸切電車案内


貸切電車注意事項

開催の1週間前に阪堺電車ホームページを見ていると「大阪チン電ゴマさぶれ」なるものの広告に目が行きました。ということで手土産にと急遽購入(箱付き5枚入り)を決定し、販売している洋菓子店「フローレンス」のあびこ本店に予約を入れました。「大阪チン電ゴマさぶれ」は国内最古の現役路面電車「モ161形(1928年製造)」を模しています。箱は「1001形・堺トラム」のペーパーモデルとなっています。


洋菓子店前景


ゴマさぶれ①



ゴマさぶれ②


ゴマさぶれ③



ゴマさぶれ④



(3) 開催当日
開催日3/23はあいにくの天候となってしまいましたが、筆者は朝6:30過ぎに品川区の自宅を出発し、「大阪チン電ゴマさぶれ」購入のため一路、洋菓子店「フローレンス」のあびこ本店を目指しました。その後、恵美須町停留所へ向かい、停留所横のラーメン店「麵のカミの」にて昼食をとりました。その後、停留所にてヘッドマークの組み立て? を行いました。空き時間にて30分ほど恵美須町停留所駅前QRVを行い、430MHz FMでCQを出しましたがボウズでした。また、出発前に停留所傍のたこ焼「ふみちゃん」でたこ焼きを購入して、いざ電車に乗り込みました。

今回の参加者はJG3ADQ局、JI3RLY局、JG3CCD局、JS3CTQ局、JR9TUG局と筆者でした。


車庫での集合写真


ヘッドマークデザイン



恵美須町停留所①


恵美須町停留所②



恵美須町での昼食①


恵美須町での昼食②



阪堺電車沿線案内図

参加者の中には阪堺電車に初めて乗ったのが貸切電車である方や数十年ぶりに乗る(当時と恵美須町停留場の位置、形が異なっていたので戸惑ったとのこと。)という方がいらっしゃいました。

電車内では参加者同士、ハム談議に花を咲かせました。また144MHz SSB自作トランシーバーを持参した局、IC-705やIC-905の移動運用スタイルの紹介をする局などおり、それらを目にすることで刺激をもらい、楽しい時間を過ごしてもらえたと思っております。車内からは専用軌道と、道路との併用軌道の変化や、住吉大社とのぼり旗、喫茶店が直結? している珍しい駅(北天下茶屋)などの沿線風景を楽しみあっという間の時間を過ごしました。


出発を待つ貸切電車


貸切電車車内①



貸切電車車内②


貸切電車車内③



一般車両


我孫子道車庫にて①



我孫子道車庫にて②


天王寺駅前停留所


参加者とは天王寺駅前停留所で解散し、筆者は宿泊するホテルへ向かいました。

(4) 解散後は・・・
ホテルでひと休みして夕食をとるため、町へ繰り出しました。串焼きや馬刺しで一杯のんだあと、締めに並びの寿司屋ヘと梯子しました。

夕食後はホテルへもどり、無線ごっこを始めた(430MHz FMでQRV)ことは言うまでもありません。ホテルの部屋は9階建ての7階で706号室でした。IC-705を使用するにあたり705号室でなかったのはちょっと残念でした。


夕食①


夕食②



夕食③


夕食④



夕食⑤


宿泊したホテル


ホテルでの交信実績は以下の通りです。


2. ハルカス300・60階展望施設でのQRV

(1) はじめに
せっかく、東京から大阪へ来たのに日帰りで帰るのはもったいないと1泊し、3/24はハルカス300にて無線ごっこを堪能? しました。あらかじめ許可を取っての無線運用です。ハルカス300では床への座りこみ禁止はもちろんのこと、混雑時は三脚の使用が禁じられることがあることから、小幌スタイルでの運用方法は封印? しました。60階展望施設には椅子も設置されていますがあくまで展望客用のものであり、無線運用で占拠することはご法度? です。58階にもフードコート用のベンチがありますが、こちらも同様に無線運用は控えた方がいいかもしれません。

以前運用した時は、夕方からの運用で日没後は夜景展望のため、室内は真っ暗になり、ログを執るのに苦労したので今回は日中の運用です。9時過ぎに入場を済ませ、展望施設の北東に面する場所(室内角の柱の影)にて運用を開始します。北面の眼下にはJR天王寺駅のプラットホームの屋根、東面の眼下には近鉄の線路が見えました。


展望台入場券


ハルカス①


ハルカス②



ハルカスELV60階


あべのハルカス10周年



ハルカス眼下



(2) いざ、運用!
前述したとおり三脚を使用した小幌スタイルによる運用は封印していることから、今回はリグを首から下げての運用スタイルを試みました。ちょうど昭和時代に主流であった弁当箱タイプのポータブルトランシーバーでの運用スタイルになります。幸いにも筆者の使用するIC-705は鉄板で覆っていますので、アンテナやログを記載する際の台(小型の画板)をマグネットでリグに取り付けて一体としたものを首から下げました。

運用する周波数は50MHz、144MHz、430MHz帯でした。モードはIC-705の特性? を活かしSSBとしました。430MHz帯ではFMも運用しました。(7MHz帯も声を出しましたが聞こえず、こちらはボウズでした。)


運用スタイル①


運用スタイル②



運用スタイル③




QSLカード

交信実績は以下の通りです。(IC-705 5W 運用)


★★★ウラ話★★★

1. 事前の運用許可
兼ねてから、筆者は公共場や私有地・管理者のいる場所の移動運用ではあらかじめ運用許可を取って、気持ちよく無線運用することを心がけて紹介もしています。申出の際は条件として第三者(周りの他のお客様)に迷惑にならないよう気を付ける。電波障害があった場合は速やか停波するなどを挙げています。

この「事前の運用許可を取る」という行為ですがこれを行うとすべて許可を受けられるものではありません。

今回の場合、運用許可がおりたケースはハルカス300でした。裏目に出て、運用許可がおりなかったケースは阪堺電車の車内でした。加えて後者については禁止理由すら明らかにされず、ちょっと残念でした。

個人的には地方鉄道や中小私鉄において「電車モービルを楽しもう!」という企画があれば面白いのですが・・・。なければ個人または主催団体で企画します。

2. リグを首から下げての運用
今回、総重量が重かったせいか運用後は首に痛みを生じました。短時間の運用であれば有効的な運用スタイルであるはずが、長時間の運用ではチェストバッグのように両肩で支持するスタイルの方が楽かもしれません。今後の課題です。

「3エリア大阪府でハムライフを満喫する」はここまで。

3. QRP PHONEで楽しむJR武蔵野線コンテスト 結果発表


コンテスト結果 (クリックでPDFを開きます)

★★★移動運用情報★★★

筆者は2006年からJD1小笠原での移動運用を楽しんでいます。

今回は6月中旬を予定しており、6月17日(国際QRPデー)には原点に戻ってQRPにて運用します。もちろん、天候に恵まれれば、おがさわら丸でのMM運用も実施します。

以上で第10回はおしまいです。

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