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子供の無線教室 ~電波のフシギをやさしく学ぼう~

第3回 「電波はどうやって伝わるの?」

月刊FBニュース編集部

1月から始まった「子供の無線教室」は、小学生のみんなに電波や無線のことを知ってもらうための入門講座だ。今月からは「毎月15日」の更新になったので忘れないでチェックしてね。

さて今回は、目には見えない電波がどう伝わっていくのかと、電波の「単位」のことを勉強しよう。


ハンディタイプの無線機で交信中。アンテナから出る電波は目に見えないけれど、どういう広がり方をするのだろう?

電波は「波紋」のように、超高速で広がっていく

電波がどうやって発生するかは、この連載の第1回で勉強したね(バックナンバーはここから読めるよ)

プラスとマイナスが入れ替る速度を1秒間に何千回、何万回…と超高速にした電気を電線に流してみると、その周囲に「磁界(磁石の力が作用する空間)」と「電界(電気が働く空間)」が、かわるがわる発生して、空間にどんどん広がっていく。これが、電波が生まれ、広がっていく原理なんだ。

電波を効率良く発射したり、遠くの電波も効率良く受けたりするためのアイテムが「アンテナ」だ(アンテナの詳しいお話は別の機会にしよう)。このアンテナから空間に発射された電波は、ちょうど波紋(はもん)のように空間へ広がっていくぞ。


目に見えない電波を効率良く送り出したり、受け取ったりするための「アンテナ」の例

あっ、“波紋”って知っているかな!? 池や水たまりに小石をポチャンと投げ入れると、そこから小さな波が起きて、きれいな輪(わ)を描きながら広がっていくよね。これが波紋だ。電波はこの波紋と同じで、発射されたアンテナからすべての方向に同じスピードで広がっていくんだ。

ただし、途中に金属板のように電波を反射する物体があると、電波はそこで一部が跳ね返されたり、その後ろ側には回り込みにくいことがある。だからと言って、そこでスピードが遅くなることはないんだ。


魚が跳ねたことで生まれた波紋。中心からきれいな同心円ですべての方向へ広がっている。アンテナから出た電波の広がり方は、この波紋をイメージするとわかりやすい(写真(C)You-Ya/PIXTA)

電波の波紋が広がっていく速度は、なんと「光」と同じ、秒速30万キロメートル!! たった1秒間で地球を7回り半もするという超高速ぶりだ。だから地球のどこにいる相手と電波で交信しても「もしもし」「はいはい」がすぐにできてしまう。

ところが、もっと遠い距離で通信をすると「電波の遅れ」が目立つことがあるぞ。アマチュア無線で行われている「月面反射通信(EME)」がその代表だ。月面反射通信は、大きなアンテナで発射した強力な電波を月の表面にぶつけて、そこから反射してくる電波で地球の裏側などと交信する、スケールの大きな通信方法だ。

地球と月の距離は約38万キロメートル。超高速の電波でも、往復するのに約2秒半かかる。だから月面反射通信で「CQ(“誰でもいいので応答してください”という、呼びかけに使う無線用語)」を出して受信に移ると、2.5秒前に発射した自分の電波(声)が、月にぶつかってエコーのように聞こえてくるんだ!! こんな体験、キミたちもしてみたいよね!?

ちなみに太陽の回りを楕円(だえん)軌道で回っている火星と地球の距離は、最も近いときで約5,500万キロメートル、最も遠いときは約4億キロメートルだ。もし火星に着陸した宇宙船と地球のキミが電波で交信しようとすると、「もしもし」「はいはい」のやり取りだけで、早くて6分、遅いと44分以上もかかってしまうんだよ。

「電波の単位」を学ぼう

今月はもう1つ、電波のことを勉強していく上で欠かせない「電波の単位」を覚えておこう。

電波には「周波数(しゅうはすう)」というものがある。これは“1秒間に電波がどれぐらい振動<プラスとマイナスの入れ替わり>するか”を意味するもので、「ヘルツ(記号:Hz)」という単位を使っている。初めて電波を発見したドイツの物理学者、ヘルツ(Heinrich Rudolf Hertz、1857~1894)の名前を取って名付けられているんだ(詳しくは前号を見てね)。


周波数を表す単位「ヘルツ(Hz)」は、ドイツの物理学者、ヘルツの功績(こうせき)を称えて付けられたものだ

実際の無線通信には、さまざまな周波数の電波を使っている。ものすごく振動数が多い電波を使うことが多いので、「ヘルツ(Hz)」の前に、1,000倍を表す「キロ(k)」、100万倍を表す「メガ(M)」、10億倍を表す「ギガ(G)」といった接頭語(せっとうご)をつけて書くことが多いんだ。

1,000ヘルツ(Hz)=1キロヘルツ(kHz)
1,000キロヘルツ(kHz)=1メガヘルツ(MHz)
1,000メガヘルツ(MHz)=1ギガヘルツ(GHz)

例えば、キミの家でもきっと使われている「電波時計」は、福島県の「おおたかどや山」から発射されている40kHzの電波などを受信している。この40kHzというのは“1秒間に4万回振動する電波を使っている”という意味だ。

そして電波の振動数が増えると、接頭語が変わっていく。カーラジオでよく聞くFM放送だと「80.2MHz(=80,200kHz)」「87.3MHz(=87,300kHz)」といったようにメガヘルツで表すし、お皿のようなパラボラアンテナを取り付けて、放送衛星からの電波をキャッチするテレビのBS放送だと、さらにその上のギガヘルツで表す「12GHz帯(=12,000MHz)」という、とてつもなく振動数の多い周波数を使っているんだよ。


東京のAMラジオ放送局「ニッポン放送」の送信所(千葉県木更津市)。周波数は1242kHz。これは「1.242MHz」という表し方もできる

この「ヘルツ(Hz)」を基本とした「キロヘルツ(kHz)」「メガヘルツ(MHz)」「ギガヘルツ(GHz)」という単位は、これからよく登場するから覚えておこうね。この続きはまた来月!!

子供の無線教室 ~電波のフシギをやさしく学ぼう~ バックナンバー

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