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1エリア初の10.1GHz帯D-STARレピータ局が運用開始

2025年4月1日掲載

2025年3月20日、東京都中央区で1エリア初(全国で2局目)の10.1GHz帯D-STARレピータ局の運用が始まった。管理団体関係者から提供された写真と共に紹介していこう。


アイコムの東京事業所が入居する住友不動産浜町ビル(東京都中央区日本橋浜町)。この屋上にD-STARレピータ局「JP1YIU」の無線設備とアンテナが設置されている

東京都中央区日本橋浜町3丁目にある住友不動産浜町ビル。地上11階建ての同ビルにはアイコム株式会社の東京事業所が入居し、以前からD-STARレピータ局の「JP1YIU」が、430MHz帯DV、1200MHz帯DV/DDの各モードで24時間運用を行い、隅田川沿いというロケーションの良さと相まって、毎日多くのアマチュア無線家が利用している。


住友不動産浜町ビル屋上からの眺望。東京23区東部から湾岸エリアにかけて絶好のロケーションだ


屋上には430MHz帯DVモードと1200MHz帯DV/DDモードのレピータ装置(コントローラー)のほか、それぞれのアンテナが設置されている

2023年8月、アイコムが144/430/1200/2400/5600MHzと10GHz(トランスバーター CX-10Gの接続が必要)をD-STARを含むオールモードでカバーするトランシーバー「IC-905」と「IC-905XG(CX-10G付属)」を発売して以来、東京周辺でも10GHzの運用者が増加しているが、JP1YIU管理団体には、そのユーザーからも10.1GHz帯D-STARレピータ局開設の要望が寄せられたことから、2024年から増設の検討を重ねてきた。


2023年夏に発売が開始されたIC-905。トランスバーターのCX-10G(写真上部)を取り付けることで10GHzの運用も可能になる

2024年12月、日本のアマチュア無線レピータ局の免許人であるJARL(一般社団法人 日本アマチュア無線連盟)から10.1GHz帯を含む「D-STARレピータ局の開設・増設等の募集」が出たのを機に応募を行い、JARLによる審査と免許手続きを経て、このほど3月20日にインターネット接続による10.1GHz帯D-STAR(DVモード)での正式運用が始まった。

JP1YIUに増設された10.1GHz帯D-STARレピータの詳細は次のとおり。

●レピータ設備
・局名称: 浜町10.1G(識別子「JP1YIU C」)
・運用周波数: ダウンリンク 10.2451GHz / アップリンク 10.1751GHz
・無線機: ID-RP1200VD(改造機)+CX-10G(改造機)
・無線機の終段管名称・個数: HMC952A×1
・無線機の終段管電圧・定格出力: 6.0V 0.5W

●空中線
・型式: 単一型(自作)
・地上高: 約50m

10.1GHz帯のD-STARレピータ装置は市販されていないため、管理団体は今年2月に日本初の10.1GHz帯D-STARレピータ局の運用を始めたJR3VE(大阪市平野区)と同様、IC-905用の10GHzトランスバーター「CX-10G」を改造しIFを2400MHzから1200MHzに変更。これに1200MHz帯D-STARレピータ装置「ID-RP1200VD」の改造機を接続することで10.1GHz帯に対応させた。アンテナは自作の無指向性タイプをビル屋上に設置している。


屋上に設置された10.1GHz帯レピータ装置の一部。ID-RP1200VD改造機などが防水性の高いボックスに収められている


アンテナ近傍に取り付けられた10GHzトランスバーター「CX-10G」改造機。IFを1200MHzに変更している

気になるのは、このレピータの交信可能距離だろう。管理団体のメンバーが、レピータ設置場所から約24km離れた千葉県千葉市美浜区(東京湾沿いの道路に設けられた展望駐車場)でIC-905XGとAH-109PB(10GHz用パラボラアンテナ)を使った伝搬調査を行ったところ、RS57でアクセスに成功、ゲート越えで大阪市平野区の10.1GHz帯レピータJR3VE(平野2)にアクセスすることもできた。信号強度と安定度からサービスエリアは広そうだ。


管理団体が千葉市美浜区にある東京湾沿いの展望駐車場で行った10.1GHz帯レピータ伝搬調査の模様。JP1YIUはクリアかつ強力な信号でアクセスできた


伝搬調査中のIC-905XG。JP1YIU C(浜町10.1G)からのゲート越えで、大阪市平野区の10.1GHz帯レピータ、JR3VE A(平野2 10.1G)にアクセスできた


伝搬調査を行った千葉市美浜区の展望駐車場からJP1YIU Cまでの距離は約24kmだった
地図画像: 地図データ(国土地理院)(https://www.gsi.go.jp/)をもとに作成

アイコムは3月21日に、公式サイトにある「はじめよう、楽しもう、D-STAR」ページのダウンロードコーナーで、増設されたJP1YIU C(浜町10.1G)のデータを含む、D-STAR対応トランシーバー用の最新レピータリストの提供を開始した。同時にPDF版のレピータ全国マップやレピータ開設状況のリストも更新された。


3月21日に公開された、アイコムの最新版D-STARレピータ局マップより。赤色の「浜町 JP1YIU」は10.1GHz帯レピータ局を意味している

3月20日から運用が始まったこのレピータは、日を追うごとにアクセス数が伸びているという。さらにIC-905のユーザーだけでなく、IC-705とIC-9700に装備している「DVレピータモニター機能」を使ってモニターする局も増えるなど、1エリア初の10.1GHz帯D-STARレピータの注目度は高いようだ。これからのさらなる利用者増とSHF帯の活性化に期待したい。

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