HW Lab
2025年9月16日掲載
BPFの回路はブレッドボードに組み込み、まずは希望の特性を得ることができるかを確かめます。電源は、正負5V出力の電源を準備します。オーディオジェネレーターの出力は10µFのコンデンサーを介してBPFに入力します。出力にもDCをカットする意味で10µFのコンデンサーを介してミリボルトメーターで出力信号のレベルを読み取ります。
図4. 実験の準備
(1) 実験回路-1
図5. f0=1000Hz Q=20の定数
図6. f0=1000Hz Q=20の特性図
(2) 実験回路-2
図7. f0=1000Hz Q=50の定数
図8. f0=1000Hz Q=50の特性図
(3) 実験回路-3
図9. f0=600Hz Q=12の定数
図10. f0=600Hz Q=12の特性図
(4) 実験回路-4
図11. f0=1000Hz Q=125の定数
図12. f0=1000Hz Q=125の特性図
実験回路-4で行った結果を検証します。この回路では、通過帯域の中心周波数(f0)を1000Hz、Qを125として回路を組みました。その特性図が図12です。Qの値はR1とR4の定数の変化に応じて変動していることが分かります。R1、R4を大きくするとQの値も高くなり理論通りです。
計算ではQを125と設定しましたが、図12で示した特性図から読み取れるQは図13に示したようにおよそ47.8です。大きな差が出ました。またピークの値の470mVから3dB低下したレベル約330mVの通過帯域幅はおよそ20Hzとなりました。帯域幅や周波数はグラフから読み取っているため誤差は大きいですが、帯域幅は結構狭いことは感じられます。
さらに図14は、同様の特性をパソコンアプリのWaveSpectraで観測したものです。ピークから3dB低下したポイントの通過帯幅はこれも目測に頼る部分は大いにありますが、約10Hzと出ています。これから計算するとQ値は95.8となり、計算値に近づきます。帯域幅が10Hzや20HzはCWのフィルターとしては狭すぎますが、次回その2では実証実験を行います。
図13. 実験で得た特性図よりQの値を求める
図14. WaveSpectraで観測した特性図(f0=1000Hz、Q=125)
通過信号の周波数(f0)は、図6と図10から分かるようにほぼ計算通りに設定できていることが分かります。今回のブレッドボードに組み込んだBPFでもそれなりの特性が得られています。次回その2では、今回行った実験回路を用い、改良しながらアクティブBPFを製作します。
バンドパスフィルターの計算サイト
http://www.g-munu.t.u-tokyo.ac.jp/local_manual/bpf/bpf.html
CQ出版社 OPアンプ活用100の実践ノウハウ
産報 電子科学シリーズ52 アクティブフィルターの設計
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