2016年10月号
連載記事
そして一人ずつ自己紹介とアマチュア無線を始めた理由や、アマチュア無線同好会に入ったきっかけを教えてもらいました。
★部長の日紫喜(ひしき)君(情報技術科3年)
アマチュア無線は中学生のときから始めたそうです。個人のコールサインはJR2RVV。このクラブでは、フィールドデーコンテストで山へ移動し、部員のみんなと楽しく過ごすのが大好き。資格はもちろん2アマ! だそうです。
★副部長の水野君(電気科2年)
お父さんがアマチュア無線家で、家には大きなアンテナタワーも立っているんですって。コールサインはJS2ACD。この学校では最初、テニス部に入部していましたが、アマチュア無線同好会に移ったそうです。コンテストで交信するのと、放課後にここ(測量実習室)で雑談をするのが好きだそうです。
★宇田君(情報技術科2年)
もともとラグビー部に所属していたそうです。友だちの安西君がアマチュア無線をやっているのを見て、「いいな」と思って入部を決めました。現在は3アマでコールサインはJS2BEZ。先生によると「部員の中で一番電波を出しているのが彼」ということでした。
★安西君(電気科2年)
文化系の部活を探していて、アマチュア無線同好会に入ったそうです。コールサインはJR2XKD。生徒会の執行部を兼務しているので、どうしてもそちらが優先になってしまうのが悩みの種。「でもコンテストなどには参加していますよ」と教えてくれました。
★菊地君(電気科2年)
つい先日、3アマの国家試験に合格したそうです。おめでとう! 今日はアマチュア無線同好会に入部したくて参加してくれました♪
★酒井君(電気科2年)
この日は欠席でしたが、JR2PEHのコールサインでアクティブ。現在2アマです!
★山口君(機械科1年)
4月に新入生に向けた部活紹介で、アマチュア無線同好会はモールス符号の実演をしたそうです。それがカッコ良く見えて入部を決意。今は「コンテストの時の一致団結が楽しい!」と感じているそうです。
★馬淵君(機械科1年)
その山口君に勧められて入部を決めました。今週3アマの国家試験を受験するそうです。「コンテストの時に学校に泊まれるのが新鮮。真っ暗な学校は普段経験できないので楽しかった」と教えてくれました。
★石濱君(機械科1年)
石濱君のおじいさまが昔からアマチュア無線を楽しんでいたそうで、「中学校の体験入部でアマチュア無線同好会があることを知ったので、この学校に入りました」と教えてくれ、「それは知らなかったよ!!」と林先生もビックリ。個人のコールサインはJR2WOO、今は430MHz帯が好きだそうです。
★捻木(ねりき)君(機械科1年)
元々はボクシング部に入部していましたが、山口君に誘われて2週間前にアマチュア無線同好会に入りました。「ここなら楽しくやれる!!」と感じているそうです。
昔のアマチュア無線同好会は、元々アマチュア無線をやっていた生徒さんとか、無線に興味を持ちそうな生徒さんを、先生が個別に勧誘していたそうです。でも最近は部員が友人や同級生を「面白いクラブだから入りなよ」と誘い、それで入部する生徒さんが増えてきたそうです。それだけ楽しくて雰囲気の良いクラブっていうことですよね♪
アマチュア無線同好会は毎週3~4日、放課後に活動をしているそうです。主な内容は交信練習とCW特訓、そしておしゃべり!! それから、アマチュア無線技士の資格を取っていない人は、3アマ試験の合格を目指して勉強をしているそうです。その甲斐あって、今は10人の部員のうち、3アマが6名、2アマが2名、個人局も6名が開局しているとか!!
「アマチュア無線技士以外ですと、第二級陸上特殊無線技士が4名、第二級海上特殊無線技士が4名、航空特殊無線技士が3名、第2種電気工事士が6名、第1種電気工事士が1名、危険物取扱者乙種第4類が5名といった感じです。工業高校なのでいろいろな資格取得を奨励しているので、取得者は多い方だと思います。資格取得の数でポイントを競う、全国工業高等学校長協会のジュニアマイスター顕彰制度に挑戦している生徒も多いですね」と林先生に教えていただきました。
2年生の水野君は4種類の無線従事者資格のほか、第1種電気工事士、危険物取扱者乙種第4類などの試験にも合格し、ジュニアマイスターシルバーに認定されました
アマチュア無線同好会として、熱心に活動しているのがコンテストです。
「JARLの4大コンテストのうち、4月のALL JA、7月の6m&DOWN、10月の全市全郡は学校に宿泊して毎年参加しています。8月のフィールドデーは合宿を兼ねて毎年山に移動しています。そのほか、東海QSOコンテスト、東海マラソンコンテスト、愛・地球博記念コンテスト、高校コンテスト、オールアジアコンテストなどに参加することもあります」(林先生)
エントリーする部門は「電信電話部門のマルチオペレータ ジュニア部門」が多くて、6m&DOWNコンテストでは5年連続で東海地方第1位!! それに2015年度はJARLの4大コンテストすべてで東海地方第1位を獲得したそうです!!!
最近のコンテストで入賞した賞状などを見せていただきました。目指すは全国1位!
凄いです! 連続入賞の秘密は!? と伺ったら、「部員のモチベーションが高いのと、屋上のアンテナのおかげかもしれません」ということで、アンテナを見学!!!
屋上には、14MHz帯の2エレHB9CV、21MHz帯の3エレ八木、28MHz帯の4エレ八木、50MHz帯の7エレ八木、144/430MHz帯と1200MHz帯のGPが、それぞれパイプで固定されていました! 8階建ての校舎の屋上なので、アンテナの地上高は30mぐらい? 見晴らしバツグンでモノバンドのビームアンテナなら、電波が飛びますよねえ~!!
見晴らしの良い屋上でアンテナを見せていただきました
手前から28MHz帯の4エレ八木、144/430MHz帯のGP、1200MHz帯のGP、21MHz帯の3エレ八木です
「はい、よく飛びます! このほかにも7MHz帯と3.5MHz帯のフルサイズダイポールが張ってあります」(宇田君)
校舎の間に3.5MHz帯と7MHz帯のフルサイズダイポールを張っています
「この前の6m&DOWNコンテストのときは、50MHz帯の7エレ八木をスタックにして、1本は東、もう1本は西に向くように固定して、関東方面と関西方面から同時に呼ばれるようにしました」という工夫で、去年よりも総交信局数が増えたとか! もしかして6年連続の東海地方1位になるかも。結果発表が楽しみ!?
アンテナの説明をしてくれた、2年生の宇田君
ところで、ふだんの部活動のとき、アンテナやケーブルはどうしているの?
「はい、アンテナは屋上に立てっぱなしです。同軸ケーブルはアンテナにつながった状態で屋上に置いてあり、放課後になったらケーブルを8階まで垂らして、測量実習室の窓から引き込んでいます」(宇田君)
毎回ケーブルを引き込むのは大変やね。作業は気を付けてね!
部活動で使わないときの同軸ケーブルは、屋上の隅に置いてあります
さて、もう一度測量実習室に戻って、部活動を少し見せていただきました。
「ふだんの部活動では、よくモールスの受信練習をやっています。3アマの国家試験なら符号をビジュアルで覚えますが、通常のCW QSOだとモールス符号はリズムで覚えないとダメなので、パソコンソフトを使って徹底的に覚えていきます」(林先生)
ナルホド! 国家試験は長点と単点を組み合わせた記号で覚えてしまいますね。実際に「トツー」と打たれて、「A」って反応するのには練習が必要ですよね~。
「ではMasacoさんにも練習用紙を渡しますので、部員と一緒にモールス符号を書き取ってくださいね」
ええっ! 私も参加ですか?? 大丈夫かなぁ…。
「大丈夫、ABCDEの5文字しか出ないように設定して、スピードも少し遅くしますから、書き取ってみてください。全部で50組が出題されます」
はい! と元気よく返事はしたものの、ここはちょっと先輩として頑張らないとまずいなぁ・・・と、私も席に座ってパソコンから流れるモールス符号に注目!!!
モールス符号の練習には「Learning Morse」というソフトウェアを使っています
「BT ACDDD CAECD BADCB…」
ち、ちょっと先生! 早いです! なかなか書き取れません! 焦って周囲を見ると部員の皆さんはサクサクと用紙に書いています。ああ若い子に負ける~!!!
部員さんに交じって、私もモールス符号を書き取り(汗)
50組の出題が終わって、私が書き取った用紙を見た部員さんが「Masacoさん、文字は縦書きじゃなくて、横に書いたほうが楽ですよ」と一言。そ、そうよね(汗)。パニックになっていた私は全部“縦書き”で書いてしまっていたのでした。トホホ・・・。基本中の基本・・。
モールス符号をサクサクと書き取っていく日紫喜君。手慣れています♪
あまり書き取れなかった私。しかもパニックで縦書きに・・。ちょっと恥ずかしいので写真にボカシを入れてもらいました・・・