Monthly FB NEWS 月刊FBニュース 月刊FBニュースはアマチュア無線の電子WEBマガジン。ベテランから入門まで、楽しく役立つ情報が満載です。

特別寄稿

令和最新版 オーストラリアVKコールサイン取得記

VK3NOM/7M4MON 野村秀明

2026年5月1日掲載


オーストラリア駐在でやってみたかったことの一つが、VK(オーストラリア)コールサインの取得です。今回、無事にVK3のコールサインを取得できましたので、その手順をまとめます。なお、本記事はあくまで筆者の一例であり、個々の状況により対応が異なる場合があることをご承知おきください。

全体の流れと用意するもの

手順を大きく分けると以下の3ステップでした。
 1. RPL(Recognition of Prior Learning)申請
 2. 法規(Regulations)試験
 3. ライセンスとコールサインの申請

コールサイン取得までに必要なものは以下のとおりです。
・日本の無線従事者免許と英文証明

RPL申請の基礎となる、日本のアマチュア無線従事者免許が必要です。私の場合は第一級アマチュア無線技士の資格で申請しました。渡航前に総務省へ申請し、公式な英文証明を入手しておきます。

・1年以上のビザと住所

オーストラリアでは、連続する365日を超える滞在がない場合、免許を取得する必要はありません。コールサイン取得は長期滞在が前提となります。

・ACMA Assistのアカウント

試験合格後のライセンス発行とコールサインの申請のために必要です。ACMA Assistの登録にはmyID(オーストラリア政府機関使用の個人ID)が必要となります。myIDの認証強度は、パスポートやビクトリア州の運転免許証を使って、“Standard”以上にしておきます。

なお、日本の無線局免許およびその英訳はオーストラリアのアマチュア無線免許申請に必要ではありませんでした。ただし、VKコールサイン発行までのアマチュア無線運用に必要ですので、同時に総務省へ請求しておいたほうが良いでしょう。



短期運用の場合は?
短期滞在(365日以内)の場合には、相互運用協定により申請なしで「VK#/自身のコールサイン」で運用ができます。その際は、日本の従事者免許の英文証明および局免許の英文証明を携帯しておくと良いでしょう。

私の場合は、VKでのコールサイン取得まで日本の従事者免許で現行タイプ(プラスチックカード)の裏面英語表記付きのものを所持していましたが、念のためプラスチックカードと紙の英文証明書の両方を携帯し運用をしていました。実際カード裏面にも英語表記があるため、必ずしも追加の英文証明が必要だったのかは明確ではありません。これまで提示を求められたこともないため断言はできませんが、安全策として両方持っておくのが無難だと思います。

そして実際に運用される際には、最新情報を確認することをお忘れなく!
  ・JARL公式サイト「海外での運用」ページ(オーストラリアの項)
  ・ACMA公式サイト「Overseas amateurs visiting Australia」
  ・WIA(Wireless Institute of Australia)「Visiting & Reciprocal Licensing」



RPL申請の流れ

RPL(Recognition of Prior Learning)とは、外国で発行されたアマチュア無線の免許を、過去の資格・経験による審査によりオーストラリアのライセンスとしてみなす手続きのことです。このプロセスを使用することで、試験科目の一部免除が可能となります。

RPL申請の第一ステップとして、“Application for assessment of recognition of prior learning for ACMA recognition certificate (Advanced)”という申請書を記入しました。


RPLの申請書

そして、「日本の第一級アマチュア無線技士とその英文証明を持っているが、RPL申請には他に何が必要か」と、オーストラリアにおける通信とメディアの規制を担当する機関であるAustralian Communications and Media Authority(以下ACMA)(info@acma.gov.au)へ電子メールで問い合わせを行いました。

添付したのは次の書類です。
  ・上記RPL申請書
  ・日本の無線従事者免許
  ・従事者免許の英文証明書

なおパスポート、ビザ関係書類、日本の無線局免許状およびその英文証明は必要ありませんでした。


添付した無線従事者免許の英文証明書

  • ACMAからの最初の返信では、
  • ・海外からの短期滞在(365日以内)の場合は、Class Licenceのもとで、VKプリフィックスを付けて運用可能
  • ・365日を超える滞在の場合は、オーストラリアの資格とコールサインが必要
  • との説明がありました。私は数年間滞在予定であることを伝え、RPLによるAdvanced資格取得の手続き方法を改めて確認しました。
  • その後、
  • ・問い合わせは専門部署にエスカレーションされた
  • ・専門的な確認が必要なため、回答まで数週間かかる可能性がある
  • との連絡を受けました。
  • 日本の行政機関と比べるとレスポンスはゆっくりです。返信を得るまで文字どおり数週間(22日)かかりました。

RPL認定までのやり取り

専門部署にエスカレーション後、申請内容についてのやり取りが始まりました。まず、「RPLで進めるか、それとも全部の試験を受けるか」という確認がありました。全部の試験を受ける場合の試験料は無料で、場合によってはその方が早い可能性もあるとの案内がありました。一方で、RPLには199ドルの申請費用がかかります。なお、この199ドルには試験合格後のライセンス発行手数料が含まれます。

私は日本の第一級アマチュア無線技士資格と運用経験があったため、RPLで進めることを選択しました。その旨を伝えるとACMAからRPL申請の請求書が送付されました。支払い完了を連絡すると、申請は正式に審査段階へ進みました。

  • 2週間後、アマチュア無線アドバイザーの審査の結果、次の内容が通知されました。
  • ・日本での資格および運用経験が認められたため、Advanced試験の「実技」と「理論」については免除
  • ・「法規」については免除されず、試験に合格する必要がある

つまり、Advanced資格を取得するためには、法規のみ受験すればよいという判断でした。ACMAからは、この免除が関連法規に基づく正式な決定であること、また必要であれば決定に対して再審査を求めることも可能であるとの説明がありました。運用上、現地のルールを学ぶのは有益ですので、法規の試験を受けることにしました。

法規(Regulations)試験の勉強

法規試験の出題範囲として示されているのは、主に次の2つです。
① Amateur radio operating procedures
https://www.acma.gov.au/amateur-radio-operating-procedures
このページには、アマチュア無線の運用手順や基本的なルールがまとめられています。


Amateur radio operating proceduresのページ

② Radiocommunications Licence Conditions (Amateur Licence) Determination(LCD)
https://www.legislation.gov.au/F2025L01087/latest/text
こちらはいわば「法令そのもの」です。電力制限、バンド、禁止事項などが条文形式で書かれています。


Licence Conditions Determinationのタイトル部

理屈の上では、この2つをしっかり読んで理解していれば合格できるはずですが、私は実際の試験対策として、VK2DQ Ronさんの教材を利用しました。

この教材では、過去問形式で問題演習ができるようになっています。模擬試験を数回行い、合格できそうな手応えをつかんだら、認定アセッサー(Accredited Assessor)に連絡し、試験を受験します。

認定アセッサーへの連絡

認定アセッサーの一覧は、次のページで確認できます。
https://www.acma.gov.au/amateur-radio-accredited-assessors
このページのリストから希望のアセッサーを自由に選ぶことができますが、ビクトリア州だけでも60人以上いるようです。私は、同僚の知人であるLee Moyleさんにお願いしました。

次ページは「オンラインでの試験の流れ」から

2026年5月号トップへ戻る

サイトのご利用について

©2026 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved.