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1.9MHz帯と3.5MHz帯、4月21日からバンド拡張

総務省は4月21日、無線局免許手続規則などの一部を改正し官報で公布した。これにより1.9MHz帯と3.5MHz帯アマチュアバンドの拡張(周波数の追加割り当て)が実現した。新たな周波数範囲は下表の通り。


4月21日、1.9MHz帯と3.5MHz帯のアマチュアバンドに周波数の追加割り当てが行われた
(総務省のパブリックコメント募集時の説明資料より)

3.5MHz帯では従来、日本の局がFT8デジタルモードの国際的な運用周波数である3573kHzでオンエアした場合、バンドエッジの3575kHzを逸脱しないよう変調信号(DF)の周波数にも留意が必要だったが、今回の改正でバンドエッジが3580kHzまで拡大したことで、オフバンドの心配を解消することができた。

さらに1.9MHz帯は、これまでバンド幅が狭く(1810~1825kHzの15kHz幅と、1907.5~1912.5kHzの5kHz幅、合計20kHzしかなかった)、使用できるモードもA1AやF1Dなどの狭帯域のものに限られていた。しかし今回の改正では、1.8MHz部分は1800~1875kHzの75kHz幅となり、SSBなどの音声通信が可能となる「全電波型式」の区分も誕生した。

海外局との交信も、これまではバンドプランが異なることからスプリット運用を余儀なくされていたこともある程度解消されたほか、FT8デジタルモードも1840kHzの国際的な運用周波数が利用できるようになった。


1.9MHz帯ではFT8デジタルモードの国際的な周波数(1840kHz)も利用できるようになった
(総務省のパブリックコメント募集時の説明資料より)

拡張された周波数帯での運用だが、1.9MHz帯と3.5MHz帯のいずれも4月21日の公布日から、その局に免許されている電波型式または一括記載コードの範囲で可能になっている。多くの局の無線局免許状には、1.9MHz帯の電波型式として「A1A」、または「3MA」「4MA」の一括記載コードが書かれていると思われるが、「4MA」はF1B、F1D、G1B、G1Dの4モード、「3MA」はA1A、F1B、F1D、G1B、G1Dの5モードを指している。そのため、現在の無線局免許状をベースに、手続き不要で運用できる範囲は次の通りとなる。

★3.5MHz帯:
4月21日から免許状の範囲において手続き不要で運用可能
★1.9MHz帯(下記いずれも4月21日から):
・免許状に電波型式「A1A」が記載→A1Aが手続き不要で運用可能
・免許状に一括記載コード「3MA」が記載→A1Aとデジタルモード(F1B、F1D、G1B、G1D)が手続き不要で運用可能
・免許状に一括記載コード「4MA」が記載→デジタルモード(F1B、F1D、G1B、G1D)が手続き不要で運用可能

もし1.9MHz帯のSSBモードで運用したい場合、3MAや4MAには音声系の電波型式が含まれていないため、現状では使用している無線機をJARDやTSSの保証を経由した上で、指定事項の変更手続きを行う必要がある。手続きを済まさずにSSBモードで電波を出すと違反になるので注意していただきたい。

しかし手続きが煩雑になることから、総務省は「3MA」「4MA」の一括記載コードに、「J3E(SSB)」や「F3C(ファクシミリ)」「F3F(SSTV)」など9つの電波型式を追加する告示改正案を作成し、改正手続きの一環として、4月25日から5月29日まで「アマチュア局において使用する電波の型式を表示する記号を定める告示の一部改正案に対する意見募集」を行っている(https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban14_02000435.html)。


「3MA」「4MA」の一括記載コードに9つの電波型式を追加するため、総務省は5月29日まで意見募集(パブリックコメント)を実施中だ


一括記載コード「3MA」「4MA」に含まれる電波型式の新旧対照表。

この告示が改正案の内容で公布されると、現在1.9MHz帯で3MA/4MAの免許を受けている局は、特別な申請をしなくてもSSBモード等の運用ができるようになるという。なお、この告示改正案は1.9MHz帯だけでなく、475kHz帯にも適用される内容となっているが、1月17日付パブコメ別添5「平成21総務省告示179号」において、475kHz帯は未改正なので、475kHz帯における音声モードは運用できないことに注意していただきたい。

その他のおもな改正点

4月21日の法改正では、上記で説明した1.9MHz帯および3.5MHz帯のバンド拡張のほか、次のような点も制度整備が行われた。(詳しくは2月1日号のニュース参照)。

●アマチュア局の免許手続きの簡素化

FT8デジタルモードのように、アマチュア無線機の外部入力端子に附属装置(パソコンなど)を接続する場合の変更申請手続きが簡素化され、指定事項に変更が生じなければ「無線局事項書及び工事設計書」の備考欄に「デジタルモード運用のため附属装置(パソコン)を接続」などと記入することで、送信機系統図や附属装置の諸元表の提出が不要になった。

また現在、附属装置の接続でFT8などのデジタルモードの免許を受けている局が、新たに別のデジタルモード(例えばFT4など)を追加する場合、指定事項に変更がなければ特別な手続きは不要になった。


アマチュア無線機の外部入力端子に附属装置(パソコンなど)を接続する場合の変更申請手続きが簡素化された
(総務省のパブリックコメント募集時の説明資料より)

●無資格者による体験運用の機会を拡大

これまで無資格者がアマチュア無線を利用できるのは、有資格者の立ち会いのもと「臨時開設の社団局を使う」「17歳以下に限る」「通信の相手方は国際宇宙基地(ISS)のみ」などの条件がついていた。

今回の改正により年齢制限は撤廃され、通信の相手方をアマチュア局全般に拡大。誰でも「無線技術に対する理解と関心を深めるため社団が行事等の開催に伴い臨時に開設するアマチュア局」から有資格者のもとで交信ができるようになった。この社団局の免許申請も4月21日から受付が始まった。


誰でも「無線技術に対する理解と関心を深めるため社団が行事等の開催に伴い臨時に開設するアマチュア局」から、有資格者の立ち会いで交信できるようになった
(総務省のパブリックコメント募集時の説明資料より)

●総務大臣が公示する者が「空中線電力200Wを超える送信機」のスプリアス確認保証が行える

現在免許を受けているアマチュア局の無線設備(旧スプリアス規格で作られた無線機)が、新スプリアス規格を満足しているものであることを証明する「スプリアス確認保証」は、これまでが空中線電力200W以下の無線設備が対象だった。これを、200Wを超える送信機も対象とできるように告示の改正が行われた。

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次号は 12月1日(火) に公開予定

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