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電子情報通信学会の創立100周年記念局「8J100EIC」が開局、全国からのリモート運用も計画

7月7日、東京都武蔵野市の「NTT武蔵野研究開発センタ」で、一般社団法人 電子情報通信学会(IEICE)創立100周年を記念するJARL特別局「8J100EIC」の開局式が行われた。


8J100EICの開局式参列者による記念写真

一般社団法人 電子情報通信学会は、電子・情報・通信に関する学問、技術の分野で、研究開発の促進、知識の普及および人材育成を目的とし、約3万人の会員を有する日本有数規模の学会だ。1917(大正6)年に「電信電話学会」として創立し、今年で100周年を迎えたことから、同学会の会員であるアマチュア無線家の有志が運営委員会を結成し、100周年記念事業の一環としてJARL特別局を開設した。


8J100EICの固定局(移動しない局)として導入されたアイコムのIC-7300。準備が整い次第、全国からのリモート運用も開始する予定だ

7月7日に行われた開局式には、特別局運営委員会の代表である三木哲也氏(JARD会長、JA1CIN)をはじめとする運営メンバー、JARLの髙尾義則会長(JG1KTC)、玉眞博義専務理事(JA1SLS)、業界関係者など25名が参列した。


特別局運営委員会の代表である三木哲也氏(JARD会長、JA1CIN)のあいさつ

三木氏はあいさつの中で「この記念局は昨年11月から開設の準備を進めてきた。最近のアマチュア無線の動向である“リモート運用”を行うことが最大の特徴だ。これは電子情報通信学会のテーマであるIOT(さまざまな物がインターネット経由で接続し、情報交換や相互制御が行える)とも合致する。いわばリモート運用は“IOT for Amateur Radio”である。リモート運用によって、全国各地にいる電子情報通信学会のメンバーであるJARL会員にも運用のチャンスが得られるだろう。

この場所(NTT武蔵野研究開発センタ)は、NTTの先端開発拠点である。普段はここを使うことはできないが、ロケーションも良くノイズも少ないので特別にご協力をお願いした。この特別局の交信目標は1万局、月に1,000局以上交信し、電子情報通信学会にちなんだQSLカードを月替わりで発行していきたい。ぜひ皆様のご支援をお願いしたい」と述べた。


8J100EICのQSLカードは月替わりでデザインを変更する予定。これは第1弾となる「八木・宇田アンテナ実験装置」の写真入りカード

またJARL髙尾会長は「アマチュア無線の発展は電子情報通信学会の会員の皆様のおかげと感謝申し上げる。100周年記念特別局を開設し、国内外に発信していく計画はJARLとしても嬉しく、運営委員会メンバーにはJARL会員として長く活躍している方が多いので、大変心強い。電子情報通信学会の会員の皆様のお力をお借りし、JARLも次世代の育成に取り組んでいきたいので、ぜひお力添えをお願いしたい」と祝辞を述べ、続いて運営委員会の滝澤氏(JF3CGN)による運用計画の説明が行われた。


来賓の祝辞を述べるJARL髙尾会長(JG1KTC)

それによると、8J100EICの運用は2018年3月末まで。HFから2400MHz帯の「移動する局」は、電子情報通信学会の大会や各地のイベントから公開移動運用を行う予定という。早くも7月16日には、宮城県仙台市で行われた科学イベント『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ 2017』の会場から8J100EIC/7でQRVし、多数の交信を行っている。

またNTT武蔵野研究開発センタ内に設置された「固定局(移動しない局)」は、アイコムのIC-7300およびIC-7300Mと60m高の無指向性アンテナを使ってHF~50MHz帯の運用を行うが、同社製IPリモートコントロールソフトウェアのRS-BA1と連携させ、全国の高等教育組織、研究組織、企業などに所属するJARL会員による遠隔操作運用も計画している。


8J100EICの固定局(移動しない局)が設置された、東京都武蔵野市の「NTT武蔵野研究開発センタ」

開局式ではJARL髙尾会長が7MHz帯SSBで第一声を発し、東北大学のJA7YAAと交信に成功。その後は運営委員が引き継ぎ、約100局と交信を行った。また式典後には関係者による懇親会が行われ、和やかなひとときを過ごした。


開局第一声はJARL髙尾会長が7MHz帯SSBで行った


開局式後の懇親会は和やかな雰囲気に包まれた

なお、同局の運用スケジュールなどはWebサイト「電子情報通信学会創立100周年記念JARL特別局」(http://hp.jpn.org/ieice100th/)で公開されている。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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