2015年1月号

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アマチュア無線用ソフト紹介 その3

UKのアマチュア無線雑誌「RadioUser」誌10月号、11月号に続き、12月号のsoftware spotページ(QSP73著)に掲載されたアマチュア無線用の各種ソフトを、同誌の許可を得て紹介する。

今号では、冬が訪れ室内シャックでの運用がメインとなる季節でもあるので、ロギング、アワードハンティング、無線機や受信機やスキャナーを運用するのに最適なソフトウェアなどを紹介する。

Scancat-Lite Plus

Scancat-Lite Plusは、なんでもできるスキャナーソフトである。事実、RadioshackとUnidenのスキャナー全般、およびMFJとGREのスキャナー全機種に対応している。また、Radio Referenceデータベースへのアクセス権およびダウンロードが無料で提供されており、面倒なメモリーチャンネルへの手入力が不要である。

ScannerCast

ScannerCastは、受信マニアに支持されるフリーのユーティリティーである。スキャナーの受信音をネットワーク経由で聞ける。また、このソフトウェアと対応しているスキャナーを使い、スキャナーの受信音とタグ情報をインターネット上に送信して、誰でも聞けるようにすることもできる。もしスキャナーが対応していない場合でも、ScannerCastはタグ情報なしで、音声だけの送信が簡単にできる。そのため、どんなタイプのスキャナーでも、インターネットを経由したリモート受信が可能になる。

Award Tracker 2.1.4

Award TrackerのVersion 2.1.4が2014年10月にリリースされた。Award Trackerは、アマチュア無線の各種アワードの申請条件を満たしているかをチェックしてくれるアワード管理用ソフトウェアである。このソフトウェアを使えば、お気に入りのアワードの申請やエンドースメントに対応した特別なソフトを使う必要がなくなる。Award Trackerは、10-10 International, PODXS 070 Club, OMISS, Ham Radio Nation, European PSK Club, Radio Amateurs of Canada, CQ, IOTAなどのアワードに対応している。ロギングソフトは、Ham Radio Deluxe, ACLog, PSK Express, DXLab, MicroLogおよびXMLogに対応している。さらに、対応ロギングソフトを使っていない場合でも、ADIF形式でQSOデータをインポートすることができる。

KLog Version 2.1.2

KLogは、フリーウェアのロギングソフトで、IOTA, DXCC, WPX, WAZやWASなどの各種アワードに対応している。またADIFファイルのインポートとエクスポートに加え、SV2AGWが作ったAGW Packet Engineにも対応している。

LogDDM v7.75

LogDDMはIV3DDMが作ったロギングソフトで、アワードトラッキング、コールブック、パケットクラスター、無線機制御、QSL情報およびADIFなどにも対応している。

Paper Chasers’ Log

Paper Chasers’ Logは、アワード収集用ソフトウェアである。アワードは、2つのタイプに大別され、ひとつは10-10 International Numberのように数字を集めるナンバーアワード。もうひとつは、たとえばSan Marino Castleの名前などを入力するエントリーアワードである。Paper Chasers’ Logでは、他のQSOロギングソフトを組み合わせて使用するよりも多くのアワードが収集できるとしている。

また、Digipan, DXLog, Win-EQF / Log-EQF, WB2DND, WJ2O, NetLogger, WIN 1010, DXtremeおよびBMLLOGなどのロギングソフトのデータをインポートすることもできる。このソフトウェアはADIFとCabrillo形式はもちろん、CSVフォーマットのデータをインポートすることもできる。このデータを利用してGERATOL Net, Century Club Net (BMLLOG files用), OMISS Net, HHH Netおよび10-10のアワード用レポートを作成できる。

Paper Chasers’ Logは、アワード用に住所とQSO確認用ラベルの印刷、アワードの申請に必要なレポート作成が可能。Paper Chasers’ Logが使用するQSOデータのファイル形式は、一般的なCSVファイルやテキストファイルである。そのため、QSOログファイルをマイクロソフトアクセスなどのデータベースに読み込んで好みのレポートを作成できる。Paper Chasers’ LogはBuckmaster HamCall CD, online Call Book Server, the eQSL online QSL database, the QRZ web pageとCDおよびLoTWが利用できる。なお、このソフトウェアはN7VRによってサポートされており、登録料は無料、誰でも使用できる。

QSO Manager v1.03.12

QSO Managerは、ADIFのインポートとエクスポートができ、HFでのQSOならびにQSLカードとアワード管理に特化したフリーウェアである。性能チェック用として、9,500以上のQSOログデータと5つの地図を内蔵している。また一方で、今月のディスクコレクションの中には382もの地図が入っている。

TurboLog 4.10 Build 411

Turbologは、「DXerの選択」と言われ、アマチュア無線局用の管理ソフトウェアとして十分な機能を備えている。これはその最新版で、内蔵されているヘルプファイルとマニュアルが全面的に見直されている。また2台以上の無線機を制御し、素早く切り替えられるようにもなっている。最新版には多くのデジタルモードを運用できるデバイスであるMMVARIが入っている。そのため、様々なボーレートのRTTY, PSK, QPSK, MFSKやGMSKなどをひとつの画面上で運用することができる。

Amateur Contact Log 4.8

以前はVersion 3.3を紹介したが、今回は、非常に簡単かつ直感的に使える最新版のVersion 4.8を紹介する。Worked All Countries, DXCC, IOTA, Lighthouses, VUCC, WAS, Grids, Zonesやその他のアワード管理にも対応している。データフィールドは好みに合わせて選択表示できる。DXスポットウインドウは好みのサイズに調整できる。また、カウンティーやカントリへーのデータや、自局のQTHからDX局やグリッドへの方位や距離を計算する機能も備えている。バンド、モードまたはパワーレベルを個別および複数条件でソートをかけ、抽出した内容を確認できる。交信中の局のコールサインを入力するだけで、氏名、前回の交信日、QTHなどをリストアップする。

さらに、Telnet経由、もしくは自前のTNCまたはAGWパケットを使った、DXアラート機能も備えている。また、COMポート経由もしくはWinkey経由でPCキーボードによるCW打鍵に対応。さらにサウンドカードを使ったWAVファイルの再生もできる。最後に、すべてのログまたは選択したレコードを、eQSLやARRLのLoTWにアップするためのADIF形式で出力できる。

Hamport v.1.0

Hamportは、小型で汎用の無線機制御用のフリーウェアである。Icom、Yaesu、Kenwoodの無線機のモードと周波数の読み込みや設定ができる。

SpotCollector

SpotCollectorは、下記からのDXスポットを捉えるためのフリーウェアである。
・4つまでのTelnetアクセス可能なDXクラスター
・ローカルのPacketCluster (TNCまたはAGWサウンドカードのパケットエンジン経由)
・DX Summitのスポッティングネットワーク (#CQDX IRCチャンネル経由)

同じ周波数とモードでスポットされた局の情報は、一つのデータベースに統合され、DXCCエンティティー、周波数、モード、スポットノート、QSX周波数、グリッドスクウェアとともに、最初のスポット時間と最新のスポット時間が記録される。

さらに、すぐにでも交信したい局を定義することで、SpotCollectorは、DX局の運用パターンを表示する。それによって、交信に最適な時間と最適な周波数を予測できる。DX局とスポット局がDX Viewの世界地図に表示されている時は、DX局の他バンドでのオープニングも予想できる。また、内蔵ウェブサーバーをもっているため、どんなブラウザーやスマートフォンからでも、スポットデータベースへのエントリーの閲覧やフィルタリングができる。

QSLMGR

QSLMGRは、QSLマネージャーデータを管理するフリーウェアである。ON6DPが作成したデータベースを内蔵し、シンプルで使いやすく、PDF版の取説が付いている。

WinOrbit v3.6

WinOrbitは、アマチュア無線での衛星通信運用者に配慮した、人工衛星の位置と可視範囲を計算してくれるフリーウェアである。主たる特徴は、簡易世界地図上に表示させた、衛星と観測者の現在位置、また観測者から見た衛星の方位角、距離、仰角の連続更新である。

地図は、リアルタイム表示、もしくは、シミュレーション表示、さらにマニュアル設定(未来/過去)した時間を表示できる。さらに追加でウインドウを開き、詳細情報を表形式で表示することができる。このウインドウでもリアルタイム、シミュレーション、手動設定した時間での表示ができる。また、アンテナや受信機などをコントロールするクライアントプログラムに対して、方位角、仰角、ドップラーを含む現在の追跡情報を出力できる。

2014年1月号から11月号で紹介したソフトをリストアップする。

なお、今回紹介したソフトも、1枚のDVD ROM(もしくは2枚組みのCD ROM)に納められており、通信販売で入手可能である。このDVD ROMには、1月号から11月号で紹介した主要ソフトウェアも含んでいる。

入手方法についての詳細は11月号の記事をご参照いただきたい。

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