2015年1月号

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JA9IFF 中嶋康久さん


クラブコール(JR0ZEW)で湯けむり運用中の中嶋さん

中学2年の時の学園祭で、先輩が行っていたアマチュア無線のデモンストレーションを見学した中嶋さんは、国内はもちろん世界中とも無料で話しができるアマチュア無線に興味を持った。当時は、電話機すら一般家庭にはまだ普及していない時代だった。

高校1年の秋、アルバイトで貯めたお金を使い、金沢市で開催された電話級(現在の第4級)アマチュア無線技士の国家試験を受験して合格した。しかし学校をさぼって受験に行ったことが父親に知れ、こっぴどく叱られたという。その後、翌1972年の3月に福井県武生市(現在は越前市)でJA9IFFの局免許を取得し、アマチュア無線の第一歩を踏み出した。

中嶋さんが開局した当時は、QSLカードをJARL経由で送るのに、国内局宛は1円相当、海外局宛は2円相当のシールを貼る必要があり、「沢山QSOをすると、小遣いがピンチになってしまう時もありました」、と話す。高校卒業後は東京の大学に進学したため、JA9IFFのコールサインで常置場所から運用したのは高校時代の2年間程度だった。

大学進学後は下宿生活となり、HFのアンテナは立てられなかったが、室内に張った50MHzのアンテナでローカルQSOを行うなどアクティビティは保っていた。その後、海外赴任の期間を含み、就職中のQRTが約10年間あったが、海外赴任に際しては、現地で免許を取得するために、上級クラスの従事者免許を取得した。この時は、「大学で電信の単位を取得していた関係上、大学卒業後10年間は和文・欧文電信の実技試験が免除になったのがラッキーでした」と話す。

中嶋さんは1988年に海外赴任から帰国し、本格的にHFに復活した。その際、アンテナが設置できる条件で丘の上のマンション物件を探し、現在はマンションの最上階のルーフバルコニーに設置したホイップ系のアンテナを使ってCWを主体に運用している。サイクル23と24をフルに運用した結果、DXCCは残り3エンティティ、IOTAは982コンファームまで達した。

アマチュア無線をやってきてよかったことは、「会社に就職してしまうと、会社の同僚との付き合いが多くなり、なかなか交際範囲を広めることはできないのですが、アマチュア無線で知り合ったローカルやIOTAの仲間とは長いお付き合いをさせていただいています。また、海外との交信で知り合ったアマチュア無線家にお願いして、現地の無線免許取得に協力してもらったことも多々あります」、と話す。これまでに、中嶋さんが個人発給してもらったコールサインは、JA9IFF以外に、DJ0KE、SO5IFF、OK8EFF、OM9AAN、HA/JA9IFF、IC8/JA9IFF、FK/JA9IFF、HS0/JA9IFF、VK1NY、JE1VDN、KJ6Aがある。

現在、中嶋さんが一番力を入れているのは、「IOTAの追っかけ」。1993年頃からIOTAに興味を持ち始め、1995年5月に最初のIOTA-100を取得した。その頃はまだIOTAからの運用が少なく、100島とQSOするのに2年かかった。また日本からIOTAを申請するのに、UKまでQSLカードを送らなくてはならず、中嶋さんは「虎の子のQSLカードの送付に躊躇した覚えがあります」と話す。

その後、RSGBからJARLのアワード委員会にJAにもIOTAのチェックポイントを設けたいとの申し出があり、中嶋さんに白羽の矢が立ち、1998年1月からJAのチェックポイントを委託されている。IOTAのルールは見直しが都度行われており、中嶋さんは最新版のディレクトリーを日本語抄訳してホームページ等でタイムリーに提供している。


関ハムでもフィールドチェックを行っている(JH4IFF右遠さんのカードチェック中)

中嶋さんは、「リタイアしたら、一度はDX Peditionに自分で行くか、チームに加わるかして、呼ぶ方ではなく、呼ばれる方に廻りたいですね」、「IOTAは、自分が運用した島の分は自分のクレジット数に加算できるので、珍しい島から運用してみたいです」、と話す。さらに、残り3つとなった未交信DXCCエンティティとQSO、それと同時に、再割り当てで発給されたJE1VDNのコールサインで2回目のDXCCオナーロール到達を目指している。

このコーナーでは、アマチュア無線の様々な楽しみ方に挑戦するハム(アマチュア無線家)を紹介します。
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