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ニュース速報

オーストラリア・シドニー アマチュア無線運用記

VK3EHG 堀内洋孝

シドニーはオーストラリア最大の都市であり、時期を問わず世界各国からのビジターでにぎわう南半球では最も有名な観光都市でもあります。今回、私は在住するメルボルンからシドニーへの家族旅行を計画し、同時に現地でのアマチュア無線運用もプランに盛り込みました。簡単にその時の様子をお伝えしたいと思います。


オーストラリアではもっとも有名な観光スポットである「シドニーオペラハウス」

過去には当ニュース2015年5月で『ニュージーランド アマチュア無線運用記 ~海外運用のコツ~』としてニュージーランドでの運用について紹介させていただきましたが、今回も同様にコンパクトなD-STAR対応のハンディ機ID-51Aと30センチ程のホイップアンテナ、スピーカーマイクロホンのHM-186LSを持参することに決めました。(※1)

また、ID-51Aにはシドニーに在住していた友人からアクティブなレピータ局を教えていただき(表1)事前にメモリーをプログラミングしました。

表1 事前に調査したシドニー付近のレピータリスト

なお、最新のレピータ状況は下記のサイトから入手可能です。
http://www.wia.org.au/members/repeaters/data/documents/Repeater%20Directory%20180104.pdf

シドニーでの第一声はマンリーという地域のホテルから運用。ホテルは半島の先端に位置し、遠くにシドニーのビル群や付近を航行する客船を望むことが出来る絶好のロケーションにありました。事前にメモリーしておいたシドニーのローカルレピータを利用する形を取りましたが、CQ呼出後すぐにローカル局VK2RG(Robart)からの応答があり、「シドニーへようこそ!」と挨拶を受けました。

その後、宿泊先を市内中心部のホテルに移動しましたが、ビルの谷間のロケーションにも関わらず、ローカルレピータの信号が強力に入感することから、再度、交信にトライ。VK2RF(Raffy)からの呼出を受け、わずかな時間ではありましたが、限られたロケーションにおいても交信を楽しむことができました。

Raffyは「Waverley Amateur Radio Society」という、アマチュア無線クラブのメンバーでもあり、この無線クラブはオーストラリア最古のクラブとしても有名です。交信中にRaffyからクラブルーム訪問の是非を伺ったところ、快諾をいただけましたので、シドニー観光のアクティビティの一つとしてクラブルームへの訪問を行うことにしました。


Waverley Amateur Radio Societyのクラブルーム

シドニーは地形の関係から、公共の移動手段として鉄道、バス以外にもフェリーでの移動も一般的となっています。クラブルームはローズベイという地域に位置しておりフェリー乗り場のすぐ脇にあるため比較的簡単に訪れることができます。Raffy曰く、多くのビジターがフェリーを利用して訪れているとのこと。我々も滞在先ホテルのあるサーキュラーキーからこの公共フェリーを利用して訪問を行いました。当日は平日にも関わらず、多くのメンバーがクラブルームに詰めかけており、突然の来訪者にも関わらず笑顔で歓迎を頂きました。


シャック内にはクラブ員が自由にリモートアクセスし運用が出来るようにIC-7100がリモートサイトとして設置されている。

旅行中の移動手段として公共フェリーを多く利用しましたが、フェリーからもローカルレピータのアクセスが出来ましたので、プチマリタイムモービルとして運用を行いましたが残念ながら交信には至らず。またD-STARの運用もシドニーでは唯一となるVK2RBVで行いましたが、逆にこちらは運用者が絶えない混雑した状況で、今回は残念ながらD-STARでのQSOは出来ませんでした。こちらも機会を見つけて現地から日本に向けてトライしてみたいと思います。


シドニーでは水上交通として、フェリーが発達している。

簡単ではありますが、シドニー旅行におけるアマチュア無線運用について紹介をさせていただきました。コンパクトなハンディ機でも多くの出会いがありました。オーストラリアは日本との相互運用協定を結んでいることから、90日以内の滞在であれば事前申請なしでの運用が可能です。(※2)

ぜひ、オーストラリアにお越しいただいた際にはV/UHF帯による交信でローカルハムとの交流も楽しまれてはいかがでしょうか。

(※1)日本国以外で特にV/UHF帯を運用する場合、アマチュア無線に許されている周波数帯が異なることがあるので、注意が必要です。また当該国への無線機の持ち込みについても、事前に確認されることをお勧めします。

(※2)オーストラリアと日本は相互運用協定として合意がなされていますが、オーストラリア政府により現地での運用は日本のアマチュア無線従事者免許の資格に応じた運用範囲が定められています。下記WEBサイトに詳細が記載されていますので、渡航、運用前に確認されることをお勧めします。

(参考WEBサイト)
一般社団法人 日本アマチュア無線連盟による海外運用についての情報
http://www.jarl.org/Japanese/8_World/8-1_overseas/8-1_Overseas.htm

オーストラリア通信メディア庁(Australian Communications and Media Authority)による来訪者の現地でのアマチュア無線運用についての情報
https://www.acma.gov.au/Industry/Spectrum/Radiocomms-licensing/Class-licences/overseas-amateurs-visiting-australia

Waverley Amateur Radio SocietyのWEBサイト
http://vk2bv.org/
http://vk2bv.org/home/general-information/information-for-hams-visiting-sydney/

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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