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特集

IC-7610に見る、3つの驚くべき性能 ~特別編~

月刊FBニュース編集部

革新的とも言うべきIC-7610の送受信音のクオリティ、RMDR、さらにはOVFについても検証し、IC-7610の真の魅力と実力に迫るシリーズ。今回はスペクトラムスコープにスポットを当てた。

第1回 送信波:世界の空が変わる。
第2回 受信音:アマチュア無線家たちが、音を語りはじめた。
第3回 RMDR:チャンスはRMDRに比例する。
特別編 IC-7610のスペクトラムスコープ は最強か。
第4回(特別企画)OVF:オーバーフローを徹底検証。

特別編 IC-7610のスペクトラムスコープ は最強か。

IC-7610のスペクトラムスコープ(以下スコープ)が世界各国で賞賛されている。RMDRやフェーズノイズ特性においては、フラグシップ機IC-7851に一歩譲るのは確かだ。しかし、スコープに関してはIC-7610の方が優れているようだ、と話題になっている。

果たして、その分解能やスイープスピードにおいて、本当にフラグシップ機であるIC-7851を超えているのか。月刊FBニュース編集部では、カタログ上の数字だけではなく、実際にスコープを見比べて、その実力を検証してみた。

■スコープ性能比較

データ上ではIC-7610とIC-7851に違いは見られない。それよりもIC-7300のコストパフォーマンスの良さが際立っている。一方、一世代前のIC-7800とIC-7600は、現行モデルと比較するとさすがに見劣りしてしまう。スコープだけを見ても、アマチュア無線機の劇的な進化を見ることができる。

■IC-7610の表示画面
下記の画像はIC-7610の表示画面をキャプチャーしたものだが、実際の見た目もほぼ同じくらい精細かつシャープでメリハリがあり、視認性は極めて優れている。ディスプレイが大型であるため、デュアルワッチ時の上下/左右表示、いずれも非常に見やすい。


スコープ表示例(シングルバンド)


スコープ表示例(デュアルバンド1)


スコープ表示例(デュアルバンド2)

動画で実力を比較

ここでは、動画でスイープスピードと分解能を、他機種と比較しながら見ていく。

●IC-7610vsIC-7600
最新機種であるIC-7610が性能・機能面で圧倒的であることは見る前からわかる。ここでは、IC-7600の発売から9年。スコープの進化という視点で見て欲しい。

画面上:IC-7600、下:IC-7610

●IC-7610vsIC-7800
2003年に発売された、当時のフラグシップ機IC-7800との比較。スペクトラムスコープの進化に驚くばかりだ。

画面上:IC-7800、下:IC-7610

●IC-7610vsIC-7851

さて、注目のアイコムが世界に誇るフラグシップ機IC-7851との比較。スコープのスペック上では同じだが、実際に見比べてみると、スイープスピードはデータ通り、同じに見える。ただ、IC-7610の方が、見え方がシャープでCW信号の長短がはっきりと見てとれる。これは、スコープの性能と言うより、従来方式と、ダイレクトサンプリング方式による信号処理の違いのようだ。

画面上:IC-7851、下:IC-7610

こうして見比べてみると、あらためてスペクトラムスコープの進化に驚かされる。今回はIC-7300との比較はしていないが、スコープのスペックから見ると、IC-7610に匹敵すると思われる。IC-7610はもちろん、IC-7300のスコープも、最高水準にあると言えそうだ。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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