アマチュア無線の今と昔
2026年2月2日掲載
JARL QSLビューローの松江移転や、郵便料金の値上げをきっかけに、「いまさらだけど、そろそろ電子QSLを始めようか」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。「難しそう」「味気ない」と食わず嫌いをするにはもったいないほど、現在の電子QSL環境は進化しています。
今回は、主要な電子QSLサービスの具体的な特徴と、それらをどう組み合わせて運用すべきか、簡単に解説します。「そんなことはわかっとるわい!」って言わずに、しばしお付き合いくださいhi

郵便料金も高くなりましたね
1. そもそも「電子QSL」とは?
交信データをインターネット経由で交換し、QSL(交信証明)とする仕組みの総称です。大きく分けて「画像(カードそのもの)を送るタイプ」と、「交信データ(ログ)のみを照合するタイプ」の2種類があります。
2. アマチュア無線界の「3大電子QSLサービス」
現在、運用する上で避けて通れないのが以下の3つです。それぞれ役割が全く異なります。
① hQSL(HAMLOG E-Mail QSL) ~日本国内のデファクトスタンダード~
日本のアマチュア無線界で圧倒的なシェアを誇るログソフト『Turbo HAMLOG(ハムログ)』ユーザー同士が、メールを使ってQSL画像のデータを送り合うシステムです。JG1MOU局が開発・公開している支援ソフトを使用します。
仕組みですが、ハムログに入力すると、相手がhQSLユーザーか自動判定。ワンクリックで「電子印鑑付きのQSL画像(JPEG/PDF)」をメール添付で即時送信します。
特徴として、「紙のカードがそのままデータになった」感覚です。受け取ったデータはハムログに自動でリンクされ、自宅のプリンタで印刷すれば「紙カード」としても保存できます。
② LoTW(Logbook of The World) ~世界標準・DXCCのパスポート~
アメリカのARRL(米国アマチュア無線連盟)が運営するシステムです。これは「カード画像」ではなく、「交信データ(日時、周波数、モード等)」のみをサーバーにアップロードし、双方が一致(マッチング)すれば「公的な交信証明」となります。
仕組みですが、専用ソフトで署名したログデータをアップロードします。
特徴ですが、まさに「アワードのためのシステム」です。特にDXCCにおいては、紙カードをARRLに郵送して審査してもらう手間とコストが省けるため、DXerにとっては必須のツールです。画像を楽しむ要素はありません。
③ eQSL(eQSL.cc) ~元祖・電子カード交換~
インターネット黎明期からある老舗サービスです。Webブラウザ上でログをアップロードすると、相手はWeb上であなたのQSLカード画像を閲覧・ダウンロードできます。
仕組みですが、Webサイト経由、またはログソフト連携でデータをアップロードします。
特徴として、海外局との「画像の交換」に強いです。LoTWは味気ないが、紙を送るほどでもない・・・ という海外局との交信で重宝します。eQSL独自のアワードも充実しています。
3. 電子化のメリット・デメリット
導入前に、光と影を理解しておきましょう。

電子化のメリット・デメリットのまとめ
4. 推奨される「使い分け」戦略
「全てを電子化する」のではなく、相手や目的に応じて使い分ける「ハイブリッド運用」が、これからの最適解です。
①ケースA: 国内局(JA)との日常交信 ~基本は「hQSL」一択~
②ケースB: 海外局(DX)との交信・DXCC狙い ~まずは「LoTW」~
③ケースC: 海外局で、カード画像も欲しい場合 ~「eQSL」を併用
④ケースD: 記念局・初交信・お世話になった局 ~伝統の「紙カード(JARL経由/SASE)」
5. おわりに
「電子QSL」は、紙カードを否定するものではありません。事務的な交信確認はデジタルで高速・確実に処理し、本当に大切な交信は紙でじっくり味わう。そうやって時間を捻出することで、私たちはもっと無線機に向かう時間を増やせるはずです。島根の新ビューローへの負担を減らすためにも、いい機会です。
紙カード派の方も、電子QSL派の方も、それぞれのメリット、デメリットを理解して、使い分けるのが良いのではないでしょうか?
なおご意見、ご感想、ご質問等については、筆者である私宛(jf1kktアットマークgmail.com)へご連絡頂けますと幸いです。
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