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アマチュア無線の今と昔

第39回 浦島太郎になって迷っているカムバック組の皆様へ

JF1KKT 横田勝彦

2026年2月2日掲載

「紙」から「データ」へ。電子QSLを使い分けよう

JARL QSLビューローの松江移転や、郵便料金の値上げをきっかけに、「いまさらだけど、そろそろ電子QSLを始めようか」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。「難しそう」「味気ない」と食わず嫌いをするにはもったいないほど、現在の電子QSL環境は進化しています。

今回は、主要な電子QSLサービスの具体的な特徴と、それらをどう組み合わせて運用すべきか、簡単に解説します。「そんなことはわかっとるわい!」って言わずに、しばしお付き合いくださいhi


郵便料金も高くなりましたね

1. そもそも「電子QSL」とは?
交信データをインターネット経由で交換し、QSL(交信証明)とする仕組みの総称です。大きく分けて「画像(カードそのもの)を送るタイプ」と、「交信データ(ログ)のみを照合するタイプ」の2種類があります。

2. アマチュア無線界の「3大電子QSLサービス」
現在、運用する上で避けて通れないのが以下の3つです。それぞれ役割が全く異なります。

① hQSL(HAMLOG E-Mail QSL) ~日本国内のデファクトスタンダード~

日本のアマチュア無線界で圧倒的なシェアを誇るログソフト『Turbo HAMLOG(ハムログ)』ユーザー同士が、メールを使ってQSL画像のデータを送り合うシステムです。JG1MOU局が開発・公開している支援ソフトを使用します。

仕組みですが、ハムログに入力すると、相手がhQSLユーザーか自動判定。ワンクリックで「電子印鑑付きのQSL画像(JPEG/PDF)」をメール添付で即時送信します。

特徴として、「紙のカードがそのままデータになった」感覚です。受け取ったデータはハムログに自動でリンクされ、自宅のプリンタで印刷すれば「紙カード」としても保存できます。

② LoTW(Logbook of The World) ~世界標準・DXCCのパスポート~

アメリカのARRL(米国アマチュア無線連盟)が運営するシステムです。これは「カード画像」ではなく、「交信データ(日時、周波数、モード等)」のみをサーバーにアップロードし、双方が一致(マッチング)すれば「公的な交信証明」となります。

仕組みですが、専用ソフトで署名したログデータをアップロードします。

特徴ですが、まさに「アワードのためのシステム」です。特にDXCCにおいては、紙カードをARRLに郵送して審査してもらう手間とコストが省けるため、DXerにとっては必須のツールです。画像を楽しむ要素はありません。

③ eQSL(eQSL.cc) ~元祖・電子カード交換~

インターネット黎明期からある老舗サービスです。Webブラウザ上でログをアップロードすると、相手はWeb上であなたのQSLカード画像を閲覧・ダウンロードできます。

仕組みですが、Webサイト経由、またはログソフト連携でデータをアップロードします。

特徴として、海外局との「画像の交換」に強いです。LoTWは味気ないが、紙を送るほどでもない・・・ という海外局との交信で重宝します。eQSL独自のアワードも充実しています。

3. 電子化のメリット・デメリット
導入前に、光と影を理解しておきましょう。


電子化のメリット・デメリットのまとめ

4. 推奨される「使い分け」戦略
「全てを電子化する」のではなく、相手や目的に応じて使い分ける「ハイブリッド運用」が、これからの最適解です。

①ケースA: 国内局(JA)との日常交信 ~基本は「hQSL」一択~

  • ●Turbo HAMLOGユーザーの約半数以上が導入していると言われます。
  • ●JCC/JCGハントなど、国内アワード狙いの局にとって、hQSLの「印刷定義」機能を使えば、紙カードと同じようにアワード申請に使えます。
  • ●ハムログ入力時に「hQSL」のマークが出たら、hQSLで送信。出なければ紙カード(または発行なし)。

②ケースB: 海外局(DX)との交信・DXCC狙い ~まずは「LoTW」~

  • ●DXペディション局や主要なDX局は、ほぼ100% LoTWを使っています。
  • ●紙カードを待っていると数年かかりますが、LoTWなら数日でDXCCにカウントされます。
  • ●交信後、速やかにLoTWへアップロード。

③ケースC: 海外局で、カード画像も欲しい場合 ~「eQSL」を併用

  • ●LoTWでカウントは稼げますが、記念に画像も欲しい場合、eQSLもチェックします。
  • ●LoTWとeQSLの両方にアップロードしておけば親切です。

④ケースD: 記念局・初交信・お世話になった局 ~伝統の「紙カード(JARL経由/SASE)」

  • ●これぞアマチュア無線のロマンです。電子化が進むからこそ、あえて送る紙カードの価値が高まります。
  • ●相手が「No Paper QSL」を宣言していないか、ハムログやQRZ.com等で確認するのがマナーです。
  • ●記念局などでは、一方的にJARL経由で紙カードを発行する場合もあります。これに対して紙カードを送ることは、QSLビューローの負担を増やすことになりますので、注意しましょう(原則は送らない)。

5. おわりに
「電子QSL」は、紙カードを否定するものではありません。事務的な交信確認はデジタルで高速・確実に処理し、本当に大切な交信は紙でじっくり味わう。そうやって時間を捻出することで、私たちはもっと無線機に向かう時間を増やせるはずです。島根の新ビューローへの負担を減らすためにも、いい機会です。

紙カード派の方も、電子QSL派の方も、それぞれのメリット、デメリットを理解して、使い分けるのが良いのではないでしょうか?

なおご意見、ご感想、ご質問等については、筆者である私宛(jf1kktアットマークgmail.com)へご連絡頂けますと幸いです。

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