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アマチュア無線の今と昔

第17回 浦島太郎になって迷っているカムバック組の皆様へ

JF1KKT 横田勝彦

2024年4月1日掲載

連載第17回目になります。この原稿を書いているのは3月の中旬です。

4月1日は新年度の始まりです。新しい環境に身を置く方も多くいらっしゃると思います。新しい環境になるということは、それに慣れるまでは、どうしてもバタバタしがちですよね。必然的にアマチュア無線のアクティビティも下がるところだと思います。

このアクティビティが下がって、そのまま下がったままで、そのままQRT・・・ では寂しいです。ぜひ復活のきっかけを掴んでいただき、アマチュア無線を末永く楽しんで頂けたらと思います。その時に、私の拙文がきっかけになったとしたら、この上ない喜びですhi

とまあ、ツマラナイ話はさておいて、今回も原稿を進めていきましょうhi


4月は新年度のスタートです!

4月は新しいことの始まりの季節です

会計年度に合わせて、学校の年度も3月で終わって4月から新しい年度になります。進級だけなら大きく変わることは少ないと思いますが、進学、就職となると、人生が一変します。私は学生時代から最初の就職先までは実家にいましたので、仕事時間とかで生活のリズムは変わりましたが、環境はあまり変化がありませんでした。最初の転職で人生初の引っ越し、一人暮らしを経験しました。


人生初の引っ越し・・・

その時、引っ越し先でもアマチュア無線を楽しみたい! という強い熱意があったので、QRTすることなく、新しい環境でもオンエアを続けることが出来ました。

その後、結婚などを経験すると、なかなか一人でムセンキにかじりつく遊びは難しくなります。そんな中でも、アマチュア無線は、一生の趣味として楽しむのにふさわしいと思います。私の場合は結婚を機にアクティビティが下がり、ついには30年の冬眠生活に突入してしまいました。

今考えると、その30年は、無線という趣味だけを見たら、もったいなかったと思います。もちろん、その間も他の趣味を続けていて、その方面でもすばらしい出会いがありました。でも、今思えば、無線も一緒に楽しめたんじゃないか? って思ってしまいます。

この記事を読んでおられる方は、もちろんわかって乗り越えてこられた方だと思います。人生100年にもなろうという今、人生の最後まで、お互いに楽しんでいきたいと思います。断捨離で身軽になるのはいいと思いますが、店じまいしちゃあいけませんよ! 余計老け込みますよhi


断捨離はいいけど店じまいはダメです!

春の移動シーズン

春一番も吹いて、だんだんと陽気が良くなる今日この頃ですが、陽気が良くなるにつれて、移動する局が増えたように感じます。「移動運用は、それなりに設備がないと楽しめないんゃない?」
なんて思っているソコのアナタ! ハンディ機1台でも立派に移動運用ができますよ!


アイコムの最新型ハンディID-50を持って屋外へGo!

まずは近所のロケーションの良いところに、ハンディ機を持って、散歩がてらに出掛けてみましょう。昔よりもハンディ機1台でも楽しめるようになった気がします(少なくても移動運用という点では)。

その理由ですが、昔は144MHzや430MHzのFMは、知り合いのローカルさんとラグチューするために運用されている方が多く、CQを出してQSOをする光景が珍しかったと思います。ところが最近では、まるで50MHzのようなイメージになっている! といえばおわかりいただけるかと思います。余談ですが、このような状況はコンテストの時にハッキリと現れています。FMモードの運用なし(=CWとSSBだけ)では、上位入賞は難しいほどです。それだけ沢山の局がオンエアされています。

このことからも、山の上でハンディ機を使ってCQを出せば、お相手はいくらでもいるのです。そういえばD-STARを使えばハンディ機1台でも、日本中と、いや世界中とQSOできるチャンスが拡がります。昔のアナログレピーターでは考えられないことです! 移動運用はハンディ機1台でも楽しめますが、144MHzや430MHz以外のバンドを運用したい、もしくは少し本格的に移動運用をしようと思ったならば、やはり車はあったほうが良いです。

同じ144MHzや430MHzであっても、パワーは最低でも20W(3アマ以上なら50W)まで出せますし、アンテナも利得の高いものが使えます。雨の中でも移動運用できますし、暑さ寒さもしのげます。50W以下なら、シガーソケットから電源を取り、マグネット基台でアンテナを建てて運用も出来ます。シガーソケットから電源を取るのが不安でしたら、今流行のポータブル電源を使うのも良いと思います。


ポータブル電源の例 JVCケンウッドWebサイトより

このところの地震騒ぎで、今まで興味のなかった私ですら、ポータブル電源を買おうと思っているくらいです。発電機は持っていますが、周りに与える騒音が気になって、出番は減っています(普段は廃車する予定の自動車から外したバッテリーを使って運用。充電は自宅でしています)。

移動運用に車を使うと、アンテナを建てたり車内に積んだりして、どうしてもキズがつきやすくなります。つまり、新車はもったいない! ってことになります。ここら辺は価値観の問題でもありますが、私は中古車(しかも安いもの)を使用しています。安物ならば、少々キズがついても惜しくないですし、アンテナのアースを確実に取りたくて穴を開けても平気でいられます。安くて程度のよい車は不人気車を狙う、これにつきます!

オールJAコンテスト

毎年、この時期になると思い出すのが、オールJAコンテストです。このコンテストだけは個人で参加した記憶があまりありません。学生時代は学校のクラブ局で、今では地元のコンテストクラブからのエントリーになっています。オールJAコンテストは伝統的に学校のクラブ局が強いイメージがあります。

また、OBと現役生の交流の場にもなっているケースが多いようです。中には現役生よりOBが張り切っているクラブ局もあるとかないとかhi だいたい学校の屋上にアンテナを建てるので、ローバンドでも張り放題です。しかも学校は山の上とか、ロケーションの良いところにあるケースが多いです。なぜなんでしょうね?


丘の上にある校舎

ただ、残念なのは、学校のクラブ局もどんどんなくなっていることです。その例外に漏れず、私の母校でもなくなっているようです(無線局等情報検索をかけても出てこないです)。やっぱりここにも若年層のアマチュア無線家の層の薄さが出ているんでしょうね。

我々オッサン世代が、若い人達にムセンの面白さを伝えなければいけないと、強く思います。そんな中、現役世代ではなく、OBが学校クラブ局を再開局させて復活している例を見かけました。OBにとっては青春時代の思い出が詰まったコールサインです。私も学生時代に何百回、何千回とコールサインを叫んだことかhi


オールJAコンテストはOB会?!

どんな形でも復活してくれるのは嬉しいことです。こんなカムバックがあってもいいと思います。時代が経過してしまい、過去を知っている人がいなくなってしまって、復活は難しいかも知れませんが、私もお手伝いできたらと思う次第です。プロ野球のOB戦みたいなイメージで、みんなでコンテストに参加、なんてのが出来たら面白そうですよねhi

JARL選挙で思うところ

この記事を書いているのが3月中旬です。3月1日号でも書きましたが、現在、JARLの理事と社員を選ぶ選挙のまっただ中です。JARLの組織も変わりましたが、選挙運動も変わりましたね。以前は立候補者が書いた選挙公報が送られてきましたが、現在ではそれもネット上(JARL WEB)で見る時代です。選挙運動も変わりました。昔は選挙運動らしき活動がなかったように記憶しています。選挙公報が唯一の選挙活動だったような???

最近は、事前にアクティブに運用し、その時のログを元にメールを送るのが選挙活動になっているようです。私のところにも数局からメールが届きました。中にはSNSで選挙運動を行っている候補者もいらっしゃるとか。昔なら考えられないことです(SNS自体が30年前にはありませんでしたけどねhi)。

私は、以前は50MHzを中心に楽しんでいましたが、最近のアマチュア無線活動は、HFと430MHzに移りつつあります。そのせいかも知れませんが、以前の選挙はお空でコンタクトしたことのない方ばっかりだったと記憶していますが、今回の選挙の立候補者を見ると、実際にQSOしていることが多いように思います。やはりアクティブな方は名前が通っているので選挙戦も有利なのかも知れません。選挙が近くなるとアクティブに運用される方がいらっしゃると聞いたことがありますhi

まあ、実際にアマチュア無線を楽しんでいない(=現役ではなく隠居)方が出馬するより、現役バリバリの方が出馬する方が、ずっとマシだと思います。ぜひ立候補者の皆さんにあっては、当選した暁には、アマチュア無線界にプラスになるような活動をお願いしたいです。


JARL選挙の活動はネット上、SNS上が中心

なおご意見、ご感想、ご質問等については、筆者である私宛(jf1kktアットマークgmail.com)へご連絡頂けますと幸いです。

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