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東海総合通信局の規正用無線局とJARLガイダンス局の連携運用

2月19日(火)、愛知県名古屋市にある学校法人電波学園・名古屋工学院専門学校にて「東海総合通信局の規正用無線局とJARLガイダンス局の連携運用」が実施された。主な目的は、アマチュアバンド内における違法運用局の是正となっている。


今回、連携運用が実施された名古屋工学院専門学校

ガイダンス局とは、アマチュア無線の適正な運用を確保するため、JARL監査指導委員会が運用する無線局。規制無線局はルールに違反している無線局に対して違反運用を即時に止めるよう指導するために開設された総合通信局が運用する無線局である。地方総合通信局の電波規正用無線局と JARLのガイダンス局の連携運用は、日本全国で行われており、東海総合通信局とJARL東海地方本部との連携運用は今回が今期7回目となる。当日は東海総合通信局無線通信部監視調査課とJARL東海地方本部愛知県監査指導委員会の関係者により、午前10時から午後3時まで、1時間の休憩をはさんで約4時間、主に430MHz帯で違法運用の是正が行われた。

違法局の是正手順は次の通り。
アマチュアバンド内外を傍受し、違反局を発見。通信内容を確認した後、まずJARLのガイダンス局から電波法に基づく適正な運用を周知・広報するメッセージが送出される。メッセージは、違反の内容別に8つのパターンが用意されている。ガイダンス局のメッセージを無視、改善しない場合は、違法運用局に対し総合通信局の電波規正用無線局から規正メッセージが送出される。


連携運用の様子。手前がJARLのガイダンス局。奥が総通の規正用無線局


JARLのガイダンス局運用の様子


東海通信局の規制用無線局運用の様子

この日は、違法運用局が多いようで、数分おきにガイダンスが送出されていた。ガイダンスを聞いた違反運用局の多くは無言で運用を止めていたが、中には「なんじゃ、これ」、「わかりましたぁ」、
「ごめんなさ~い」など、ふざけた反応もあった。以前は反論してきたり、挑発してきたり、過激な違法運用局もあったそうだが、JARL関係者によると「最近は、素直に(ガイダンスに)従ってくれる」とのことだった。ガイダンスの音声が高圧的ではなく、非常に丁寧であることが功を奏していると思われる。しかし、時間をおくと、すぐに違法運用を再開する局も少なくなく、1日で数回、警告、指導されるケースも見られた。

今回は4時間の連携運用で、ガイダンス局のメッセージ送出回数は50回、電波規制用無線局は13回となった。最も多い違反は、電波の使用区分違反であったが、そのうちの大半が呼出符号(コールサイン)の不送出でもあった。

今後、ラグビーのワールドカップ、G20、東京オリンピックなど、世界的なイベントが予定されている。JARL関係者によると、違法運用局による通信が重要な通信に妨害を与えることが懸念されるため、さらに違法運用局の是正を強化していくとのことだった。


電波の監視にはROHDE & SCHWARZのPR100 Portable Receiverが使われていた

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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