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大好き! アマチュア無線

第1回 サイクル25がやってくる/SSNがUP


はじめまして

こんにちは皆さん、私は新人編集員のアキラといいます。周りの者は私をアキラ君と呼びます。ある日、編集の偉い人が、「アキラ君、今年はコロナやらSTAYHOME! やら、パッとしないので退屈やねえ。君が大好きなアマチュア無線で、何か面白い記事を書いてよ」と、お声が掛かりました。「ええええ」と言いましたが、元来の楽天家なので、まーじゃあTRYしてみますという事になりました。

面白い記事が書けるかなー? 主に初心者~中級者の方に向けて、より実践的な内容になるように、またOMさんは暖かく見守りながらご覧ください。皆さんどうぞ宜しくお願いしますね! 頑張ります。

サイクル25がやって来る! DXしましょ!

アマチュア無線って、色々な楽しみ方があるけれども2020年はいよいよサイクル25がスタートしますのでHF帯でのDXerにとって、待ちに待ったシーズン到来といえます。OMの方には釈迦に説法と思いますが、太陽黒点活動について、ちょっとおさらいしましょう。


HF帯の電波の飛びは、太陽黒点の数値に大きく影響されます。太陽黒点が上がり/下がりする観測って今から260年も前の1755年から始められたらしく(まだ生まれてなかったのでよく分からないです)、その時を「サイクル1」と名付けたようです。太陽黒点の活動はおよそ11年周期であるようなので、2020年はサイクル25が始まる年。即ち、これからHFの電波が良く飛ぶようになってくるという事ですね。


【図1】 サイクル11~24の黒点数の動き

サイクル25はどんな太陽黒点活動になるのかな? サイクルによって黒点の状況が違う事が【図1】で判りますよね。サイクル18-19や、サイクル21-22は良く電波が飛んだみたいです。【図2】は最近の6サイクルの拡大ですが、直近のサイクル24はだいぶと活動に元気がなかったことが見て取れます。超OMさんだとわかるかなー、そうだったなあーなんて6つの山で経験値が蘇ってくる方もおられるでしょうか?


【図2】 最近の6サイクルの様子

アキラ君の “サイクル25大胆予測”


【図3】 大胆予測 (想像の産物図ですが)

さて、来たるサイクル25は、果たしてどんなものになるのでしょうか? サイクル25は、サイクル24とよく似た活動になると専門家の人達の意見は一致したと言われています。ということで、サイクル21や22みたいには飛びませんよ。それでもサイクル25って、どうなるのか? というと、2023年から2026年にかけて、次の太陽活動の新しい活動極大期に向かってゆっくりと回復(上昇)すると予測が出ています。2019年の夏以降は、実感としてさっぱり飛びがよくありませんでしたよね。でも2020年の今年に入って不安定ながらも、ほんのちょっとDXが強くなる日も出て来てました。

皆さん! サイクル25がやって来るのですよ。これからしばらくコンディションは上がる方向で、そのピーク予想は2025年7月あたりと予測されています。というと大阪万博25年の真最中ですね。転送装置(映画に出て来る装置で、「Energize!」という台詞でピキーンと人や物が移動できる機械ですね)はまだでも、空飛ぶ自動車は見れるでしょう。万博記念局は再びのJA3XPOか8J3EXPOかなあ、夢がふくらみます。さあ、アンテナやリグを整備したり、取り逃しているDXCCのエンティティを確認したり、手ぐすねを引きましょう。

DXしましょ! PCツール【DXSCAPE】の濃い情報を活用しましょう

DXを楽しんでおられる皆様、いまやPC抜きのアマチュア無線は考えられないと思います。いくつもソフトがありますが、「DXSCAPE」、「Club Log」、「Turbo HAMLOG」、「eQSL」、勿論「LoTW」とか、まだまだ一杯ありますよね! 国内なら「J-クラスタ」、そうそう「hamlife.jp」(FBニュースは言うまでもなく、enjoyして下さいませ)とかも情報源にね。

しかーし、本日のテーマは、DXしましょ! なので、DXをやっておられる殆どの方が見ておられる「DXSCAPE」のちょっとおいしい使い方を見てみましょうね。どんな珍局が出ているかとかだけじゃなくて電波伝搬情報も強力にアナウンスしてくれています。DXerの皆さん、いつも見慣れていると思いますが、今日はDXSCAPEのHPの左上にご注目下さい。



さあ、①SFI ②SSN ③A ④K について調べてみましょう。(DXの強い味方です)

①  SFIとは(じつはこの値が面白い、SSNよりきめ細かく、微妙な変化が見て取れます)
Solar Flux Indexの略です。2800MHz電波望遠鏡で太陽からのノイズがSSN値に比例している事が判明し、最近では太陽黒点数としてSSN同様に利用されています。


②  SSNとは
言わずと知れた大御所、Sunspot Number(太陽黒点数)ですね。この値が0だと本当に電波は飛ばないですね。10~15とかでも一寸飛ぶなあと感じられますが、今回は前述の解説を含め、早くSSNが50とか100とか、もっと高くなるようにお祈りしましょう!

③  A-Index(宇宙磁気)、④ K-Index(地球磁気)
これらのインデックスは地磁気指数の値で磁場の強さを表しています。両者とも数値が高い時は電離層の状態が乱れている事になりHF帯に大きく影響します。AとKの違いは大きくないようですが観測地点の違いがあるので、両者を平均して参考にすれば良いと思います。参考ですがK値が4以上になると高い周波数では反射が無くなりHF帯通信は悪化します。


さて、DXSCAPEをますます活用できるようになりましたか? 太陽黒点や電波伝搬について、リアルタイムに情報を出しているHPは他にも多くありますし、解説の頁も一杯あります。色々と楽しみましょう。FB DX! (DXSCAPEの使いかた/セット方法についての解説は色々ありますので、それらを参照下さいね。)


HF伝播系参考もろもろの参考ホームページ情報 ⇒ ちょっと、いいんじゃないですかソフト!

① NICT 宇宙天気情報センターのホームページを活用しましょう
ここでは2つのURLをご紹介します。直観的に捉えやすい情報が得られますよ。
Ⓐ https://swc.nict.go.jp/
予報って書かれた7つの表/状況があります。ハムは黙ってまずご覧下さい(ビール片手に)。百聞は一見に如かず、今私が見たところ、右端の(スポラディックE層)の項目が”⚠️活発LV.3”と表記されています。DXSCAPEをみると50.313/FT8で欧州系の海外局が上がっています。また、144.60/FT8で台湾も数局上がっています。リアルですね!

Ⓑ https://swc.nict.go.jp/trend/sunspot.html
太陽黒点の状況などが見られます。6月の中旬頃にSSNは15前後になった日も数日ありました。7月も5-6日にちょっと12位まで上がりましたが、その後ずっと「0」(本原稿〆日までは)が続いています。もうちょっと我慢して待っていると、夏-秋とあがってくるはずと思います。かならず。

② WM7Dの太陽資源ページを活用しましょう
http://www.wm7d.net/hamradio/solar/
本ページは英語で書かれていますから、最近のブラウザの翻訳機能で日本語に変換すると読みやすいと思います。ここでは、“現在の太陽フラックスレポート”というタイトルで、DXSCAPEの項で説明しましたように、SFI/A-index/K-indexなどがリアルに出ています。また、ページを下にスクロールして見て下さい。興味深いグラフがたくさんあります。サイクル25の立ち上がり具合も読み取れると思います。

③ N0NBH Solar Terrestrial DataのHF伝播ツールを活用しましょう
N0NBHさんのページもブラウザの翻訳機能で日本語に変換すると読みやすいと思います。
Ⓐ http://www.hamqsl.com/solar.html
本ページも個性豊かなので、面白いところを上手く見つけて活用しましょう、ページの国旗アイコンが並んだ1つ下の行に(MOF/LOF)をはじめ14個のボタン/機能があります。

Ⓑ http://www.hamqsl.com/solar1.html#tools
これは、2つめの機能ボタン(Conv Tools)を押すと出てきます。ここでは色々なコンバートツールがありますが、例えばSFI→SSNの変換はちょっと興味深いです。

④ その他の有名なツールソフトを2つほど
Ⓐ https://pskreporter.info/pskmap.html
PSK Reporterコールサインを入力して検索すると、現在~24時間以内に受信されたレポートを見ることができます。

Ⓑ https://www.voacap.com/hf/
VOACAP Online for HF Broadcasting
太陽の黒点数から自分のアンテナ/出力でどの地域に何時頃開けるかが分かります。また、特定の地域と交信したい場合にはどの周波数で何時頃がいいのかが予測可能です。

FT8のソフトは、リアルに伝播が見える最強ツール ⇒ DXしましょ! FT8

今日は28.074MHzで欧州が見えているねとか、バンドを切り替えると数秒のワッチで、HF帯の現在のコンディションが判ります。どの地域が開けているのか目視一発で見える何と心強いソフトでしょうか。開けているバンドを探す、或はバンドが開けるまで待つとか、実用ツールそのものです。

HF帯でのWSJTによるデジタルモード開幕のJT65の時代(ほんの2年+αくらい前か)はOM諸先輩でも何かQSOした気にならないなーと言われる方も結構おられたかと思います。でも、今やFT8で頑張っておられる2文字コールの方も少なからずお目にするようになりました。あなたはWSJT-X派ですか? それともJTDX派? 今や各種雑誌やホームページなどで解説記事も多くあり、まだな方はこの機会に! (本連載でも、近いうちに何かで取り上げます。)

あとがきにかえて、地球は丸いか、平たいか!?

地球が平たければ、時差とか日付変更線はなかったかも知れませんが、地球は丸くて自転していますよね。UTC(協定世界時)かJST(日本標準時)、EST(米国東部標準時)、CAT(中央アフリカ時間)とか、また夏時間もあったり、タイムゾーンは重要で時差のことは必ず意識する必要があります。

DX局と交信するには、自分が運用している時間帯/周波数で、相手も運用している事、そして自分と相手との電波伝搬が可能/電波が飛ぶコンディションが整っている事が必要です。なおかつ多くの人がその局を呼んでパイルアップになっているなら、打ち勝つ設備や自分の電波を捉えて貰うまでの忍耐も要りますね。

そのためにHF帯の運用は1にワッチ、2にワッチ、と毎日受信/運用されている方も多く、その経験と勘は、たいそう有効な技能の1つであると思います。

ベテランOMで、いつ寝てるのかなあ? という時間帯にオンエアーしている方も少なくはないようです(それを聞いている自分も起きているのですけど)。決して健康的でないけど、狙っていた局や珍局がゲットできたら若返るのかも知れませんね。

さて次回も、サイクル25を目指してDXネタを、と考えています。どうぞ宜しくお願いします。

出典
図1、図2: SILSO data/image, Royal Observatory of Belgium, Brussels
DXSCAPEの画像は、http://www.dxscape.com/のスクリーンショット。
グラフ、スクリーンショットの加工は編集部。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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