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8J1YAC アマチュア無線体験臨時局開設

11月8日、神奈川県逗子市にある体験学習施設「スマイル」で、日本で13例目となるアマチュア無線交信体験局8J1YACが、地元の逗子・葉山アマチュア無線クラブ(JA1YUU)によって運用されました。


体験学習施設「スマイル」と、ダイポールアンテナ


運用会場となったアトリエ


新型コロナ対策も徹底。大人の方には禁煙にご協力いただきました

当日は、事前公募によって小学2年~中学1年の合計9名の子供たちが集まり、イベントは午前10時にスタート。まずは実運用に先立って、初心者向けのアマチュア無線講習会が開催され、アマチュア無線の楽しみ方、コールサインについて、周波数による電波の飛び方、Q符号の解説などが、わかりやすく説明されました。


講習会の様子

さすがに子供たちにとっては、この講習会の時間は少々退屈そうではありましたが、その後のアマチュア無線交信体験の運用が始まると、子供たちは興奮状態に突入。CQを出すとさっそくパイルアップになり、スタッフ(JA1YUUメンバー)の指導を受けながら、交信を楽しみました。また交信相手局もオペレーターが体験中の子供だと解ると、ゆっくりした言葉で優しく接してくれ、将来のハム候補に向けての配慮が感じ取れました。


交信体験の様子。PTTの操作も子供自身が行う

子供たちの参加理由は、「興味があったから」、「面白そうだから」などが多く、体験したくて母親に付き添いを頼んだ子供や、祖父、父がアマチュア無線家で、3代目候補の子供もいました。

スタッフが大きな日本地図に、発信場所(逗子市)と、交信できた相手局の場所に次々と赤丸シールを貼っていき、オペレーターの子供たちに「ここから、ここまで、大体500㎞くらい飛んで行ったね」と説明すると、子供たちは実際に無線機で交信した距離を、地図上で確認する事ができ、「こんなに遠くまで自分の声が飛んで行ったんだ」と感激している様子がうかがえました。

子供を対象とした午前の部では、時間の関係で1人がUHFとHFでそれぞれ1交信ずつを予定していましたが、子どもたちから「もっとやりたい」というリクエストが殺到し、結果は430MHz/FM 8QSO、7MHz/SSB 17QSOで、最後は7MHz運用中に時間切れになり、パイルアップを待機していた局には一言謝りを入れて、運用を終了しました。


7MHzのログ

子供たちに体験運用の感想を聞いたところ、「緊張した」とか「難しかった」も多かったものの、「ぜひまたやりたい」、「色んな所と繋がったり/繋がらなかったりしたのが楽しかった」、「知らない人と話すのが楽しかった」、などの声も多く聞かれました。


子供達には、もれなく参加証明書がプレゼントされた


午前の部の最後に、参加者全員で集合写真を撮影

午後からは成人の方や、すでに免許を持っている初心者も対象とした交信体験が行われましたが、取材の最後に、このイベントのまとめ役だった逗子・葉山アマチュア無線クラブJA1YUUの代表者JL1BTJ石井さんにお話を伺いました。

「これまでも4級の養成課程講習会を実施して来ましたが、定着が難しいのが現状です。しかし今回の法改正により、免許を持たない子供たちでも無線の体験ができるようになりましたので、この体験を通して若いアマチュア無線家を育てていきたいと思います。」とのお話でした。


JL1BTJ石井さん

逗子・葉山アマチュア無線クラブの主な活動内容は下記の3つになるそうです。

1. 逗子市災害通信ボランティア(防災活動)
逗子市と災害時協力協定を締結し、披露山公園に430MHzのアナログとデジタルレピータを設置。普段から各クラブ員がアクティブに運用していますが、災害時には避難所や防災本部等との通信インフラとしての役目も担っており、総合防災訓練にも参加しています。

2. 新人育成活動
JARD主催の「第四級アマチュア無線技士養成課程講習会」を開催し、新たなアマチュア無線家を育成しています。また、FCC試験(米国アマチュア無線資格試験)も開催しています。

3. アイボールミーティング
特に欠かせないのが、12月の忘年会です。

なお、逗子・葉山アマチュア無線クラブでは、さらに下記の2回、8J1YACの運用を予定しています。本イベント対象の逗子市民の方は、ぜひこの機会に参加を検討されてみてはいかがでしょうか。
・2回目 2021年1月24日(日)
・3回目 2021年3月7日(日)

詳細は、逗子・葉山アマチュア無線クラブのWEBサイトにて
http://ja1yuu.blog.fc2.com/

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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