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PHONEで楽しむQRP通信

第11回 難航している山手線駅前QRV 50MHz編 途中経過ほか

JE1ECF 斎藤毅

2024年5月15日掲載

昨年行った144MHz SSB 1Wによる山手線駅前(駅ちか)QRVに味を占め? 偏屈なのか、人がやらないことをあえて行う筆者。50MHzによる山手線駅前QRVを再開した旨はすでに紹介していますが144MHz SSB 1Wと比較し、なかなかQSOができていません。今回は未完ではありますが難航している途中経過にふれたいと思います。

前回第10回掲載記事のあべのハルカスでも50MHz SSBにて運用していますが、極端に高さがあるが故にQSOが成立していました。

駅前QRV自体は1駅で1局QSOできれば異なる駅にQSYするという自己ルールを決め運用していますが、この1局のQSOがなかなかできません・・・。

4月現在、30駅中、秋葉原、浜松町、新宿、東京、日暮里、田端、大塚、池袋と8駅実施しており、1駅長くて2時間程度運用していますが、やっと1局QSOできたり、日暮里に限ってはQSOの実績に至らずボウズでした。

要因を振り返りかえると以下が思い当たります。
1. アンテナ
2. ロケーション
3. 出ている局がいない
4. 機器トラブル

1. アンテナ
運用場所を考えるとダイポールアンテナなど空間に広く展開するアンテナは使用できず、スペースに関係なく、持ち運びも楽なロッドアンテナを使用しています。144MHz&430MHzでは整合がとれ、利得のあるアンテナ(HR770)を使用していましたが、50MHzに至っては手ごろなアンテナがないため、過去に購入したサガ電子のSUPER ROD-2とインターネットで見つけたCB用ロッドアンテナを使用しています。

SUPER ROD-2は50/144MHz FM用のアンテナで50MHz帯では51MHz付近に同調点があります。(IC-705のV.SWR計で1.5以下)

CB用ロッドアンテナはベース部分に同調回路を有しているようですが、28MHzと50MHzで使用可でした。よって、これらのアンテナは自作アンテナチューナーを介して使用しているのでロスが大になっています。


ロッドアンテナ2種類


CBアンテナベース部分


2. ロケーション
高さがあっても狭い場所や金網に囲まれた場所は運用に適していません。運用場所は高さがなくても開けた場所が好ましいと思われます。144MHzや430MHzと異なり、建物による反射は期待できません。跨線橋は開けた場所であるかもしれませんが、金網に加え電車線(架線)等からのノイズレベルが高いことがあるので一概に良い運用場所とはいいがたいと思います。


QSOできなかった場所
日暮里南口


QSOできた場所
池袋メトロポリタン口


3. 出ている局がいない
季節柄(3月)かも知れませんがバンド内を聞いてもCQが聞こえない。また、午前中の9時から12時に聞いている人がいるようだが、午後は聞いている人がいないように感じました。ロケーションやアンテナ(耳の良さ)にも左右されることはいうまでもありません。

4. 機器トラブル
これについてはマイクのテストで駅前QRVを行った時の出来事で1局QSO後に接触不良によるものと推測されるトラブルにより運用を継続できませんでした。コネクタ等にケーブルをはんだ付けしたときはその個所を熱収縮チューブで覆い補強することが有効であると思われます。なお、予備に普段使用しているリグ純正マイクを持参すればよかったと思っています。(リグはIC-705を使用。)

運用スタイルについてはあべのハルカスでのリグを首からぶら下げての運用(阿倍野スタイル?)と三脚を使用した小幌スタイルがありますが、HR770を使用する周波数では前者(ちょっと重くて、首がいたくなりますが・・・)、50MHz以下の運用では後者が良いと思われます。

いずれの運用スタルも自作コンソール(100円ショップのブックエンドを4つ使用)で覆ったIC-705がベースである。阿倍野スタイルで使用しているログ帳台も100円ショップのバインダーとブックエンド等で構成しています。


ブックエンドを用いた
リグコンソール


100均ブックエンド



ログ帳台(表)


ログ帳台(裏)


第1回掲載記事に「QRP通信はアンテナが命とし、自局が効率の良いアンテナを使用する」と記述していますが、駅前QRVは効率の良いアンテナの使用が難しいことからこれに反しているかもしれません。それゆえ以後の運用では上記に気を付けて、駅前QRVを楽しみたいと思います。

★★★送受信でのトラブル解決★★★

筆者はかねてから、QRPによるHF/50MHzの移動運用で自作のマニュアルアンテナチューナーを使用していますが、送信の際、イヤホンから自身の音声が聞こえることに不快感? を持っていました。

今回の山手線駅前QRVの途中に秋葉原に立ち寄り、パッチンコアを購入し、イヤホンに装着することで解消することができました。


パッチンコア装着イヤホン

★★★ロッドアンテナの収納★★★

今回紹介したロッドアンテナはこれもまた100均製品のテント用ペグ袋を使っています。(突き出ているのは7MHzアンテナ)


アンテナ収納袋

★★★ご報告★★★

「QRP PHONEで楽しむJR武蔵野線コンテスト」の各部門第1位の方へ賞状と副賞の送付を行いました。


沿線地域50MHz、144MHz、430MHz


沿線地域外50MHz、144MHz、430MHz

次回の開催は「鉄道の日」のあやかり、2024年10月を予定しています。

★★★IC-705ユーザーQSOパーティ情報★★★

2024年も「IC-705ユーザーQSOパーティ」を開催します。主催は東京QRPersとなり、協賛はアイコム株式会社様です。以下に、規約を掲載します。

第4回 IC-705ユーザーQSOパーティ規約
1. 目的
 IC-705を使用してQRP通信を楽しもう。

2. 開催日程

  •  2024年7月1日(月)00:00(JST)~2024年7月7日(日)23:59(JST)
  •  ※期間中に通常QSOを行い、交信ポイント20pt以上を獲得し、参加コメントとしてIC-705の運用
     方法や運用の工夫、メーカーへの要望の記載があったアマチュア局には参加賞を進呈する。
  •  ※期間中、同一周波数帯、同一モードによる重複交信を認めない。

3. 主催
 東京QRPers

4. 承諾・協賛
 アイコム株式会社

5. 参加対象
 QRP(出力5W以下)で運用する国内のIC-705ユーザー

6. 参加条件

  •  自局はIC-705をQRP(出力5W以下)で使用する。
  •  交信相手局は国内外のアマチュア局とする。なお、交信相手局の使用無線機、出力は問わない。
  •  他コンテストのQSOも1交信(QSO)=1ptとしてカウントできる。
  •  この場合のナンバー交換は参加する他のコンテストルールによるものとしサマリーシートに参加した他コンテスト名称を記載する。
  •  ※JARLでは、QRPを空中線電力5W以下と定めています。
  •  社団局(クラブ局)での運用はシングルオペとし、複数オペやゲストオペによる運用を禁じます。
  •  特別記念局と特別局(8N,8J,8Mで始まる局)が参加した場合は、チェックログとして取扱う。社団局(クラブ局)と同様に運用はシングルオペに限る。

7. 参加部門
 コードナンバー: P1 部門名称: 一般

8. 使用周波数・モード
 使用周波数は1.9MHz帯~430MHz帯(4630kHzを除く。)
 モードは電信(CW)、電話(SSB・AM・FM・DV)
 サテライト通信を可とする。
 アマチュアバンドプランの電波の型式及び周波数の使用区別による。

9. 交信方法
 (1)呼び出し
  一般QSOにつき特に指定はないが以下を推奨する。
  ①電話のアマチュア無線局場合 ・・・ CQ ICパーティ
  ②電信のアマチュア無線局場合 ・・・ CQ ICP
  尚、呼び出し符号への/QRP付加は参加局のポリシーに委ねる。
 (2)ナンバー交換

  一般QSOにつき、自局・相手局ともにRS(T)

  • ※ボーナスポイントを取得するときは相手局の使用リグ名称の情報を得て、ログシートに備考欄を設け記載する。
  • ※他コンテスト参加の場合はそのコンテストのナンバー交換とする。参加した他コンテスト名称をサマリーシートの意見欄(コメント欄)に記載する。

10. 交信ポイントについて

  • ※同一周波数・同一モードの重複QSOは認めない。
  • (1)交信ポイントは通常1交信(QSO)=1ptとする。
  • (2)他コンテストでの交信は1交信(QSO)=1ptでカウントできるが、下記の10項(3)①~④は適用しない。
  • (3)以下の場合に、1交信(QSO)につきボーナスを付与する。
  • ①IC-705同士のQSOでは ・・・ポイント5倍
  • ②相手局がIC-705以外のアイコムトランシーバーを使用している場合
  • 1交信(QSO)につき ・・・ポイント2倍
  • ③相手局がアイコム以外のトランシーバー(不明含む)を使用している場合
  • 1交信(QSO)につき ・・・ポイント1倍
  • ④7月5日にQRVしたとき1交信(QSO)につき ・・・ポイント5倍
  • ※リグ名称によるボーナスを活用する場合は相手局の使用リグをログシートに記載すること。記載のない場合は1交信(QSO)=1ptでカウントする。
  • (4)交信ポイント例
  • 7月5日以外の日にIC-705同士でのQSOをした場合は5pt
  • 7月5日以外の日にIC-705以外のアイコム機とQSOをした場合は2pt
  • 7月5日以外の日に他社トランシーバー(自作機)とQSOをした場合、
  • 他コンテストでのQSOは1pt
  • 7月5日にIC-705同士でのQSOをした場合は5pt×5倍=25pt
  • 7月5日にIC-705以外のアイコム機とQSOをした場合は2pt×5倍=10pt
  • 7月5日に他社無線機(自作機)とQSOをした場合は1pt×5倍=5pt

11. 得点・順位
 QSOパーティにつき、得点並びに順位付けは行わない。

12. 書類提出時の注意事項
 クラブ局での参加の場合、個人のコールサイン、または運用者を明記する。

13. 書類の提出

  • (1)提出する書類【必須】はサマリーシート、ログシート。ポイントが20pt未満であっても提出をお願いします。
  • ※サマリーシートの必須記載内容は以下の通りとする。
  • ① 当該QSOパーティの名称
  • ② 参加部門のコードナンバー、名称
  • ③ コールサイン、氏名
  • ④ ライセンス
  • ⑤ 総得点
  • ⑥ 連絡先(郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス)
  • ⑦ 使用リグ名称、使用した空中線電力
  • ⑧ 使用したアンテナ(バントごとに記載)
  • ⑨ 運用地
  • ⑩ 使用電源(常置場所でAC100Vを使用したときは安定化電源と統一記載)
  • ⑪ 意見欄(コメント欄)IC-705の運用方法や運用の工夫、メーカーへの要望を記載。他コンテストに参加した場合は他コンテスト名称を記載。
  • ⑫ 宣誓文(「JARL制定のコンテスト規約」を「東京QRPers制定のQSOパーティ規約」に置きかえる。)
  • ※集計結果、参加者コメントはアイコム株式会社様と情報共有します。
  • (2)サマリーシート、ログシートの提出は電子メール・テキストデータとします。(PDFはデータ集計の際、コピーができないので不可)

14. 書類提出締切
 2024年7月31日(水)
 提出先のメールアドレスは以下の通りです。
  mail_je1ecfあっとymail.ne.jp
 誤送信にご注意ください。「あっと」を@に変換する。
 ※郵送による受付は行ないません。

15. 賞
 獲得ポイントの合計が20pt以上、かつ、IC-705の運用方法や運用の工夫、メーカーへの要望を
 記載した局を対象に参加賞を進呈予定。
 また、参加賞対象者の中から抽選で副賞を進呈予定。
 参加賞、副賞については今後、アイコム様との打ち合わせにより決定する。

16. 参加賞等発表
 Eメールでの通知。FBニュースへの記載。

17. 諸注意

  • (1)電波法に則った運用を行ってください。
  • (2)季節がら熱中症など体調に留意して運用してください。
  • (3)移動運用の際は状況により運用地所有者からの事前の運用許可を得る。
  • 一般の方に配慮した運用を心掛けてください。アマチュア無線のイメージダウン
  • とならないよう気を付けましょう。
  • なお、自宅からのポータブル運用はこの限りではありません。
  • ※IC-705ユーザーの参加をお持ちします。

★★★移動運用情報★★★

筆者は2006年からJD1小笠原での移動運用を楽しんでいます。
宿の予約とおがさわら丸の予約が完了しました。
2024/6/14竹芝桟橋発、2024/6/15父島二見港着
6/17は国際QRPデーに伴い、QRP PHONEでQRV。
そのほかの日は50WのQRO運用。
3.5MHz帯~50MHz帯でQRV予定。
2024/6/18父島二見港発、2024/6/19竹芝桟橋着
今回も天候に恵まれれば、QRP PHONEにて船上運用(/MM)を行います。

以上で第11回はおしまいです。

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