コンテストインフォメーション
2025年3月3日掲載
2月は大雪や冷え込みなどで苦労された方も多いかと思います。また、この時期は入試のシーズンでもあります。私の無線仲間にも合格を目指し頑張っている方がおられます。めでたく合格し、元気な声を聞くことを祈念しております。さて、今回は2月のコンテストレビュー、3月に開催される注目のコンテストの紹介に加え、コンテストログの提出・受付について紹介したいと思います。
今回は関東UHFコンテストとの日程重複が無かったので、関東のコンテスターも気兼ねせず参加できたものと思います。
他のバンドと比べ、このバンドは各局・運用者の送信能力、受信能力の差が極端に出ます。私は自宅から出力5W+ベランダに仮設した釣竿アンテナで参加しました。送信能力はかなり低い部類に入ると思いますが、こちらのCQに呼んでくださる耳の良い方もおられました。中には「逆の立場だと受信できるだろうか」と考えさせられるような地獄耳の方もおられ感服しました。その一方、数局がコールしているのにCQ連打という方もおられました。単に出力だけの問題ではなく、ノイズ対策や所謂「耳フィルター」の訓練の差かもしれません。
例年、降雪や凍結に悩まされるコンテストです。関東以外では記録的な大雪で大変でしたが、関東に限っては降雪もなく晴天のもと開催されました。移動運用にて参加された方も多く、430MHzFMは433.00MHzを中心に±500kHz程は空きチャンネルが全くない状況でした。
筆者は自宅から電信電話マルチバンド部門に参加し408交信出来ましたが、同様に平地の常置場所から450交信を超えた方や山の上から550交信を超えた方もおられるようです。コロナ禍の時期より参加者はやや減少している感はあるものの、それでも一年で一番UHFが賑わうことに変わりはない様子でした。
私は10mを短時間運用したのみなので伝聞による情報ですが、初日のコンディションは良くなかったようです。しかし、2日目や3日目(日本時間の月曜朝)はそこそこのコンディションとなりました。昨年と比べると見劣りし、期待程ではなかったものの、それでも「沢山交信できて楽しかった」という感想をお聞きしております。
3.5MHz/7MHzと書きましたが、それぞれ独立したシングルバンドのコンテストです。3.5MHzは3月8日(土)の21~24時、7MHzは3月9日(日)08~12時に開催されます。
JARL長野県支部主催の所謂ローカルコンテストですが、以下のような魅力があり大変人気があります。
エリア内の入賞ラインは大変高く、3.5MHzは電信・電信電話とも200交信、7MHz電信は270交信、電信電話は300交信程です。一方、管外局はエリアにより大きな差がございます。入賞狙いの方は過去の結果をよく研究することをお勧めします。
今年65回目の開催となる歴史あるコンテストです。例年春分の日に開催されており、今年は3月20日に開催されます。主な特徴を以下に紹介します。
部門が非常に多いので、入賞ラインには大きな差があり、年による変動も大きいです。入賞を狙う方は過去数年の参加局やスコアを研究することをお勧めします。
左: ALL JA0 CONTESTの賞状、右: 東海QSOコンテストの賞状
昔は春分の日と秋分の日の年2回開催されており、それぞれ6時間のコンテストでした。途中から秋の開催分が「ふるさとコンテスト」へと変更され、更にその後は開催時間が3時間へ短縮されました。今年55回目となるクラブ主催として老舗に入るコンテストです。
前に紹介した東海QSOコンテストが09~15時に開催され、本コンテストが15~18時に開催されます。特に移動運用される方にとって、一度の移動運用で二つのコンテストに参加できることは魅力だと思います。また、使用周波数帯は1.9MHz~10GHzと広範囲ですが、参加局の多くは3.5~14MHzに集中しており、これら3バンドだけ運用してもマルチバンド部門で入賞可能です。
入賞ラインは個人マルチバンドだと160交信、7MHzでも140交信程度です。21MHz以上は入賞ラインが低いですが、参加者が少ないので我慢大会になりがちです。「入賞狙い」か「楽しく参加」かを考えて部門を選択し参加されることをお勧めします。
先月号にてCW部門を紹介しましたが、これは同じコンテストの電話部門です。今年は日本時間で3月1日の09時から3日の09時に開催されます。国内コンテストだと電信・電話が同日程で開催されることが殆どですが、DXコンテストの場合は電信と電話が独立したコンテストとして開催されることが多いです。
特徴は電信部門と共通しますが、やはりbig gunの卓越したスマートな運用が大きな魅力です。ベテラン諸氏から「昔は初心者にはワッチして勉強することを勧めていたが、最近は聞いて勉強になるようなオペレーションをする局が減った」と嘆く声をお聞きしておりますが、このコンテストに関してはワッチするだけでも大変勉強になります。HFを受信できる設備をお持ちの方は是非お試し下さい。朝の21~28MHz、夕方以降の7MHzが特にお勧めです。
左: 大都市コンテストの賞状、右: ARRL DX CONTESTのcertificate
先月号、今月号にて関東UHFコンテストを紹介しました。このコンテストのログ提出についてSNS上で話題となっております。
このコンテストでは基本的に電子ログによる提出を求めており、提出方法として電子メールにて所定のアドレス(jarl.com)へ送付することが指定されております。しかしながら、以前からこのアドレスへ送付したメールが不達となるトラブルが発生しておりました。筆者のみならず他の参加者からも改善の要望が出されていましたが、主催者は提出先を変更することなく現在に至っております。更に、問い合わせ先もjarl.comしかないため、トラブルが発生してもそれを伝える術がないという状況もございます。
今回もコンテスト終了後、「メールを出したが返信が来ない」という声がSNSで幾つもみられております。筆者も別ドメインのメールおよび主催者指定の代替方法(JARLコンテスト電子ログサマリー作成ページ)の3ルートで提出しましたが、4日半後にようやく受領メールが1通だけ届きました。
昔と異なり、ログの受付・処理方法も進化しております。2月に開催されたARRL DX CONTESTの場合はweb上でログをコピペすれば即記入漏れ等のチェックが行われ、受け付けられる仕組みとなっております。国内を見ても、JARL登録クラブである東京大学アマチュア無線クラブが開発したコンテスト運営システムATS-4があり、既に東京都内の複数の主催者が利用されています。身近にある知を活用し、多くの無線家が快適にエントリーできる環境を整備していただきたいと切に願います。
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