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2025年3月3日掲載
JARL(一般社団法人日本アマチュア無線連盟)は、同連盟が発行するアワードや楯の申請料、QSLカード所持証明(GCR)手数料、DXCCフィールドチェックのJARL手数料を2025年4月1日から改定すると発表した。
JARLは戦後、日本のアマチュア無線が再開する以前の1950(昭和25)年に初のアワードである「HAC(6大陸受信賞)」を発行。さらにアマチュア無線が再開した2年後、1954(昭和29)年から「WAJA」「JCC」「AJD」の発行を始めるなど、さまざまなアワードを企画・発行してきた。
JARL発行のアワードの1つ「AJD」。1954(昭和29)年から発行されている歴史の長いアワードだ
2000年代初め、JARL会員のアワード申請料金は500~800円(非会員1,000~1,600円)だったが、2012年に現在の料金に改定。その後13年間にわたって据え置かれてきた。
しかしJARLは、昨今の諸物価高騰を理由として、2025年4月1日受付分よりアワード関連の申請料・手数料を改定することを第76回理事会(2024年11月23・24日開催)で決定した。その新料金・手数料は次のとおりだ。
まず「アワード申請料」は、JARL会員が1件1,000円だったものが1,500円になる。JARL非会員と海外局は2,000円が3,000円になるほか、これまで海外局は所定枚数のIRC(国際返信切手券)による支払いが可能だったものが廃止となる。
アワード所持者が追加ステッカーを申請する場合は、JARL会員が1件500円だったものが750円に、JARL非会員と海外局は1,000円が1,500円にそれぞれ改定される。こちらも海外局のIRC(国際返信切手券)による支払いは廃止される。さらにAJAやWASAアワードにステッカーをすべて貼り終えた際の追加賞状は有料(1,500円)に変わる。
グリッドロケーターを集める「WASA」アワード。下部に追加ステッカーを貼る欄があるが、WASA-HFの場合は4,000ポイント、WASA-V・U・SHFの場合は2,000ポイントまで貼り終わった場合の追加賞状は有料になる
また、これまでJARL会員のみのサービスとして行われていた、海外アワード申請時のQSLカード所持証明(GCR)の手数料は500円が1,000円と2倍になる。
難易度が高いアワードを達成した場合、希望者が頒布を受けられる「楯」の申請料も改定され、WACA/WAGA/HACA/HAGAの達成楯はJARL会員が7,000円だったものが10,000円、非会員・海外局は12,000円が20,000円になる。
WAGA(全郡交信賞)を達成者が希望により頒布を受けられる記念盾。これまでJARL会員は7,000円だったが4月1日受付分からは10,000円に、また非会員・海外局は12,000円が20,000円になる
またWASA-V・U・SHFの2,000ポイント以上、WASA-HFの4,000ポイント以上、AJAの12,500ポイント以上を獲得し、賞状の外周にステッカーをすべて貼った場合や、VU-10000を達成した場合に頒布が受けられる楯は、JARL会員が5,000円だったものが10,000円、非会員・海外局は10,000円が20,000円になる。
さらにJARLアワードの最高峰である「JARL全日本10000局賞」「JARL全世界10000局賞」を達成した場合に頒布が受けられる楯は、JARL会員が6,000円だったものが10,000円、非会員・海外局は10,000円が20,000円になる。
JARLが発行するアワードを複数取得した局が、取得枚数(プラチナ: 100枚、ゴールド: 50枚、シルバー: 25枚、ブロンズ: 10枚)に応じて申請できる「JARLアワードマスター」の認定手数料は、これまでJARL会員・非会員・海外局を問わず1,500円だったものが、JARL会員3,000円、非会員・海外局は6,000円になる。
改定される申請料、手数料等と各アワードの詳細は、
https://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-2_Award/Award_Main.htm
に掲載されている。
米国のアマチュア無線連盟、ARRLが発行している著名なDXアワードプログラム「DXCC」の申請時、ARRLに代わって有効なQSLカードの所持確認をする「DXCCフィールドチェック」をJARLが行う場合の手数料も2025年4月1日受付分から変更になる。
これまでは「101QSOまで1,000円、102QSOから101QSOごとに1,000円」だったものが2倍になり、「101QSOまで2,000円、102QSOから101QSOごとに2,000円」に改定される。詳しくは
https://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-2_Award/dxcc/dxcc.htm
で案内されている。
東京で毎年夏に開催される「ハムフェア(アマチュア無線フェスティバル)」の会場にはDXCCフィールドチェックのコーナーが設けられる(ハムフェア2022会場で撮影)。利用する方法は開催前にハムフェアの公式ページに案内が出るので確認しておこう
なお、ここで説明した各種アワードや楯の申請料、GCRやDXCCフィールドチェックのJARL手数料の改定は、JARL事務局の「4月1日(火)受付分」から適用になる。郵送で申請を行う場合“3月31日消印有効”ではない点に注意が必要だ。昨今の郵便事情も考慮し、余裕を持って準備・申請することをお勧めする。
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