MasacoのFBチャレンジ!
2025年3月3日掲載
今回の「MasacoのFBチャレンジ!」は、7か月ぶりにJH1CBX Masacoさんが個人コールサインで移動運用を行った模様を紹介します。月刊FB NEWS読者の皆さんからの熱烈なリクエストをいただき、「HAMtte交信パーティー2025冬」の開催期間に合わせて、1エリアで移動運用を計画しました。
いろいろな候補地の中から選んだ運用場所は、千葉県の房総半島の中央部、長生郡長南町(JCG12011D)にある「野見金(のみがね)公園」です。ここは房総台地の丘陵(標高152m)にあるきれいに整備された町営の公園で、東は九十九里浜、西は東京湾越しに臨海エリアや東京スカイツリーなどを見ることができ、春から初夏にかけては梅、桜、アジサイなどの名所としても親しまれている場所です。
今回は房総半島のほぼ中央、千葉県長生郡長南町から行った(フリー白地図 freemap.jpを加工)
公園の一番高い場所は眺望良好!
お天気の良い日は東京湾岸エリアも一望できる(別の日に撮影)
しかも千葉県長生郡には5町1村がありますが、総務省の無線局等情報検索でチェックすると、最もアマチュア局数が少ないのが長南町(31局)なので、一般の方にもたくさん呼んでいただける可能性があります。
移動運用は1月19日(日)に行いました。この日の千葉は朝から寒く(午前8時の気温は1.6度)、高速道路を経由して野見金公園に到着したときには、空はどんよりとして今にも雨か雪が降り始めそうなあいにくの天気でした。
天気が崩れる前に、大急ぎでアンテナを建設。今回はHF帯が全長約5mの垂直バーチカル、144/430MHz帯は第一電波工業の2バンド八木(A1430S8)を建てました。無線機はMasacoさん愛用のIC-7100M(HF~144MHz帯50W、430MHz帯35W)、電源は大型のポータブルバッテリーを持参しています。
雨が降る前に大急ぎでアンテナ建設。144/430MHz帯は第一電波工業の2バンド八木(A1430S8)を使った
12時12分、Masacoさんはまず430MHz帯FMモードで運用を始めました。メインチャンネルで「CQ HAMtteパーティー、こちらはJH1CBX/1、千葉県長生郡長南町の移動です。ご参加の方がいらっしゃいましたら、433.18MHzで待機します」という短いCQを出し、サブチャンネルに移ると、すぐに約65km離れた東京都練馬区の局から応答がありました。信号は最初少し弱かったのですが、信号をモニターしながら八木アンテナを微調整してみると59で入感しました。
430MHz帯FMで運用をスタート!
続いて千葉市稲毛区(約35km)の局、3局目は160km離れた群馬県前橋市の局と交信ができました。しかし呼んでくれる局が全体的に少なく、2~3局交信すると途絶えてしまう状態。MasacoさんはそのたびにサブチャンネルでCQを出したり、ときにはメインチャンネルに戻ってアナウンスを行う感じで、なかなか交信レートが上がりません。
Masacoさんのログを覗いて、交信できた局のQTHを見てみると、千葉県の習志野市や浦安市、東京都の中央区、港区、品川区、渋谷区、神奈川県の横浜市など、東京湾沿いの市区(運用地からの距離は50km前後)が多くて、関東地方の内陸部からはあまり呼ばれていないのが気になりました。
430MHz帯でのオンエア開始から約1時間が経過したところで、交信できたのは24局。灰色の雲がますます低くなり、雨か雪が降り始めそうな状態になったので、ここで一度休憩を取ることにしました。
公園の一番高い場所にはカフェがある(別の日に撮影)
野見金公園で一番標高が高い場所には、金・土・日と祝日だけ営業しているカフェ(ミハラシテラス)があり、ここで軽食と温かい飲み物を取ることができます。Masacoさんもここで地元食材を使ったカレーライスとカフェオレで休憩タイム。温まってホッとしたところで車に戻りました。
地元食材を使ったカレーライスでパワー充電中♪
この頃から冷たい雨が降り始め、次第に本降りになっていきました。外気温は2度ぐらいで車内も底冷えがします。そこで持参した電気毛布(AC100V 80W)を予備のポータブル電源につなぎ、Masacoさんに温まってもらいながら、今度は7MHz帯SSBでのオンエアが始まりました。
電気毛布で暖まりながら7MHz帯SSBで快調に運用
この日の7MHz帯は比較的コンディションが良く、バンド内には多数の局が出ています。やっとのことで空き周波数をみつけ、14時30分から7113kHzで「CQ HAMtteパーティー」をアナウンス。すぐ複数の局から応答がありました。
最初は京都府京都市、2局目は東京都新宿区、続いて兵庫県尼崎市、福島県大沼郡と、3エリアと7エリアの局が中心で、そこに1・2・4エリアの局が少し加わるような感じで交信が進みました。どうやら運用地から半径400~600kmの範囲に良く届いているようです。
交信開始から20分を過ぎる頃からJH1CBX/1をコールする局が増え、常に6~7局から呼ばれているような状態になりました。Masacoさんはパイルアップの中から軽快にピックアップしていきます。「HAMtte交信パーティー」を知っている人が大部分で、ナンバー交換も手間取りません。だいたい1~2分で1局のペースで進みました。
中には「長生郡長南町は初めてです。ありがとうございます!」と伝えてくる局もいて、Masacoさんも大喜びでした。
運用には愛用のIC-7100Mを使用
雨が一層強くなる中、時間が経過すると遠距離局のコールサインも聞こえるようになり、15:46に6エリア(宮崎県宮崎市)、15:59に8エリア(北海道苫小牧市)と交信でき、これでAJDを達成しました。
総交信局数が100局を超えた頃から周囲は薄暗くなってきました。雨の中、しかも暗がりでの撤収作業は時間が掛かること、帰りは山道を通ることを考慮して日没直前の16時45分で運用を終えることに。16時40分にMasacoさんが「あと3局で終わらせていただきます」とアナウンスしたところ、パイルアップが一層激しくなりました。
16時前にはこの日のAJDを達成した
日没が近づき薄暗くなった公園はイルミネーションが点灯した
最後の交信は愛知県豊川市の局でした。終了直後にMasacoさんが「皆さんありがとうございました。また移動運用するので呼んでくださいね、73」とアナウンスをすると、たくさんのねぎらいの言葉が返ってきました。
結局、Masacoさんが7MHz帯で“CQ”を出したのは、運用開始時(14時30分)の1回だけ。あとはずっと呼ばれ続けました。最も多く交信できたのは3エリアの26局、続いて7エリアの18局、2エリアの17局の順でした。地元1エリアは14局で第4位。後日Masacoさんの交信をワッチしていた1エリアの方に伺ったところ「スキップしていてよく聞こえず、弱く聞こえたときもパイルアップが激しくて太刀打ちできませんでした」ということでした。ワッチされたのに交信できなかった方、申し訳ありません。
交信いただいた皆さん、ありがとうございました!
今回の総交信局数は、118局(430MHz帯24局、7MHz帯94局)。430MHz帯は「2.6分/局」とやや苦戦しましたが、7MHz帯は「1.4分/局」という良いペースでした。現地まで移動時間を要し、昼からの運用になったことや、日没も早かった中ではまずまずの成果です。「あと2時間長く運用できたら、200局を超えていたかも?」とMasacoさんもログを見ながら感想を述べていました。
今回の運用結果
FB Girls Radio Club(JL3ZGL)は、1月11日(土)に奈良県生駒市から「HAMtte交信パーティー2025冬」に参加し、7MHz帯SSBで45局、430MHz帯FMで64局、430MHz帯D-STAR(DV)で2局の、合計111局と交信しました。
信貴生駒スカイラインのパノラマ駐車場(標高580m)から運用、7MHz帯はワイヤーダイポールを使用
お天気は晴天でしたが、運用場所の信貴生駒スカイラインのパノラマ駐車場(標高580m)は、残雪があり冷え込む一日でした。
現地のパノラマ展望台は雪が残り、寒い一日だった
運用地からの眺望
使用リグはIC-7300M、IC-9700、IC-705の3台、アンテナは7MHz帯がワイヤーダイポール、144/430MHz帯はモービルホイップで、2名のYLオペレーターが運用を行いました。ナンバー交換いただいた各局にお礼申し上げます。
2名のYLオペレーターが交代で運用した
今回の運用結果
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