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2025年3月17日掲載
JARLはアワードの活性化を目的として、新たに「年間AJAアワード」の発行を始めることを理事会で決定した。すでにWACA(全市交信)、WAGA(全郡交信)、WAKU(全区交信)を達成したベテランにとっては次の目標となると同時に、初心者にも参加しやすいという特徴を兼ね備えたものだ。
月刊FB NEWS編集部作成のイメージ画像(JARL発行の賞状デザインではありません)
JARLは昨年7月に開催された第74回理事会で、アワード委員会へ「アワードの活性化に向けた施策」について諮問を行った。これを受けて同委員会は検討を重ねた結果、“既存のAJAのルールを活用し、1年間という期限内で競技性を持たせたアワードを発行することで、アワードの活性化を目指す”というコンセプトによる「年間AJAアワード」の新規発行案を今年1月末に答申。2月に開催された第79回理事会で出席理事全員の賛成により、同アワードの発行開始が決定した。
発行が決まった「年間AJAアワード」について、公表されている第79回理事会の資料から一部抜粋して紹介する。
●名称「年間AJAアワード(All Japan Award)」
●内容
①申請要件:
同一年度(4月1日から3月31日)に、2以上のアマチュアバンド(3.8MHz帯は3.5MHz帯に含まれるものとする)を使用して、日本国内の異なる市、郡及び区の異なる100局以上のアマチュア局と交信(SWLは受信)する。
②交信(受信)有効期間:
その年の4月1日から翌年の3月31日まで
③運用場所の条件および移動範囲:
自局の運用場所および移動範囲には、特に制限を設けない。
④申請方法等:
・アワードを申請する場合は、次の書類に以下の手数料を添えて、連盟事務局会員部会員課へ提出する。
(1)JARL制定のアワード申請書 1通
(2)交信記録リスト(準用: JARL制定QSLカードリスト) 1通
・QSLカードを所持する必要はなく、交信(受信)のみで申請できる。
・発行手数料 1,500円(JARL会員でない場合は3,000円)
⑤申請期間:
翌年4月1日から4月30日まで。
⑥その他:
・申請は同一コールサインで1回とする。
・特記事項はアワード規約 第8条に基づき最大3つまでとする。
・アワードの発行番号は付さない。
・本規約に規定するもののほか、JARL制定のアワード規程およびアワード規約の規定を準用する。
・年間交信数の上位10名をアワードとは別に特別表彰として表彰状を発行する。
・申請書及び特別表彰の審査は、申請期間終了後の5月31日までに、JARL本部でアワード委員が行い、アワード委員長がJARL担当部署へ報告する。JARL担当部署は、その報告をもってアワード及び特別表彰状の発行を行う。
・本アワードはJARLアワード規約及び、アワード規定を準拠とする。
●本アワード発行の効果
全市・全郡・全区交信修了者の“次なる目標設定”の一助や受け皿になることに重きを置いている。一方で、ニューカマーに対しても年間で異なる市、郡及び区の異なる100局以上とした点で参加障壁を下げ、将来的に既存のAJA獲得に向けてのステップアップを期待するものである。
なお、「年間AJAアワード」のデザインは3月12日現在で未発表だが、「AJAアワードのデザインを流用し、A4サイズで作成する」としている(現行のAJAアワードはB4サイズ)。
現行の「AJAアワード」は1981年9月に発行が始まった。基本ルールは「2以上のアマチュアバンド(3.8MHz帯は3.5MHz帯に含まれるものとする)を使用して、日本国内の異なる市、郡及び区のアマチュア局と交信(SWLは受信)し、異なる1,000局以上の局からQSLカードを得る」というもの。
現在発行されている「AJAアワード」の賞状はB4サイズ。外周に追加ステッカーが貼れるスペースが設けられている
1,000局に達成した局が申請すると、B4サイズの賞状が発行される。さらに1,000局を超えた場合は、局数に応じてアワードの周囲に貼れるステッカーが発行される(3,000ポイントまでは500単位、3,000ポイント以上は250単位)。
賞状の外周にステッカーをすべて貼り終えた場合(12,500ポイント以上)は、希望により新たに賞状用紙が無償発行(2025年4月1日以降は有償)され、さらに楯を購入することもできる。
ちなみに今年1月29日現在、AJAのトップは30,590ポイントを達成している(ステッカーは「30,500」を受領)の、JH4MGU太田氏だ(2016年4月号「今月のハム」コーナーに登場)。
賞状の外周に貼られたステッカー
月刊FB NEWS連載「今月のハム」取材当時のもの
また基本となるAJAの賞状はこれまでに2,063枚発行され、1,500ポイント以上で発行された追加ステッカーの総数は1,344枚に達している(2024年12月末現在)。なお2024年の1年間に発行された、AJAの賞状と追加ステッカーの総数は112件だった。
JARLはExcel版の「AJA用QSLカードリストと累計記録表」を公開している
新たに発行される「年間AJAアワード」のルールは、「日本国内の異なる市、郡及び区の異なる100局以上のアマチュア局と交信(SWLは受信)」と、賞状の発行要件が従来のAJAアワードの10分の1になっているため、初心者も狙いやすいのが特徴だ。
さらに、交信(受信)有効期間は「4月1日から翌年3月31日までの1年間」なので、すべての局が“一斉スタート”で、1年間の交信数を競う(上位10局に表彰状)というマラソンコンテスト的な要素が加わっているのも特徴と言えるだろう。
まもなくJARLアワードページで同アワードの告知が始まると思われるが、規約をよく読み、初心者の方はまず「異なる市郡区の異なる100局」との交信で賞状発行を目指し、ベテランハムの皆さんは年間交信数のベスト10入りを目指してみてはいかがだろう。
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